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HER2陽性、転移性乳癌患者に対するトラスツズマブ+化学療法にペルツズマブを加えることで16カ月生存期間が延長

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HER2陽性、転移性乳癌患者に対するトラスツズマブ+化学療法にペルツズマブを加えることで16カ月生存期間が延長

欧州臨床腫瘍学会(ESMO) プレスリリース

 

ESMO2014で発表されたCLEOPATRA試験の長期フォローアップの結果で示された「前例のない」効果

 

トピック:乳癌/抗がん剤、生物学的療法

他臓器への転移が認められるHER2陽性転移性乳癌の患者に対し、[ペルツズマブ、トラスツズマブ、化学療法を併用する治療を行った場合、トラスツズマブ、化学療法のみで治療が行われた場合に比べて、患者が約16カ月長く生存したと、CLEOPATRA試験の最終結果で明らかにされた。

 

CLEOPATRA試験は、治療歴のないHER2陽性転移性乳癌患者808人を対象にペルツズマブ+トラスツズマブ+化学療法の安全性と有効性を評価する重要な第3相試験であり、HER2陽性転移性乳癌は歴史的に見ても乳癌の中で最も悪性度の高い病型のうちのひとつである。

 

「CLEOPATRA試験では、抗HER2抗体ペルツズマブとトラツズマブの併用でHER2を二重に阻害し、かつ化学療法も行う本療法が患者の生存期間(全生存期間:OS)を延長するか、また病状が進行せずに長く生きられるか(無増悪生存期間:PFS)について、われわれは評価しました」。

 

主著者で、アメリカ、ワシントンにあるMedstar Washington Hospital Center のDr.Sandra Swain氏は説明した。

 

マドリードで行われた第39回欧州癌治療学会議(ESMO2014)で発表された最新の試験結果によると、ペルツズマブ+トラスツズマブ+化学療法併用群の患者がトラスツズマブ+化学療法併用群に比べ15.7カ月長く生存し、全生存期間の中央値はそれぞれ56.5カ月、40.8カ月であった。

 

「CLEOPATRA試験で確認されたように、16カ月近く生存期間が改善されたことは、転移性乳癌の研究でも前例のないことです」。」と   Swain氏は話した。

 

ペルツズマブ療法が無増悪生存期間と全生存期間を有意に延長することは本論文の筆者らによってすでに報告されていた。フォローアップ期間の中央値が50カ月を経過した後、CLEOPATRA試験での生存期間について、最終的な解析結果が最新のデータで報告された。

 

この最新の解析では、全生存期間はランダム化試験に参加した全患者を対象に解析され、試験内容が公開されると療法群間でクロスオーバーがあったが、それに対する調整は無かった。

 

プラセボ群からペルツズマブ群にクロスオーバーした患者はプラセボ群として分析された。これに対してSwain氏は、「このようにこれはとても控えめな最終解析となっています」。

 

研究者によれば、サブグループの患者でも一貫して、ペルツズマブ・レジメンで全生存期間の延長が認められ、すでに確認されていた無増悪生存期間の延長についても、長いフォローアップ期間を経ても維持された。長期にわたるペルツズマブレジメンの安全性プロファイルも前回の解析と変化無く、心血管系に対する安全性プロファイルも維持された。

 

「この成果は私たちが研究で求め続けてきたような生存期間の改善であり、このデータは患者とその家族にとって非常に意味のあるものになるでしょう」とSwain氏は話す。

 

スペイン、バルセロナにあるVall d’Hebron Institute of Oncologyの理事であり、論文の共著者であるJavier Cortes氏は以下のように述べた。「ESMO2014でSandra Swain氏によって報告されたHER2陽性転移性乳癌に対するペルツズマブとトラツズマブをベースとした療法の全生存期間中間値についてのデータは、注目すべきものです。この結果は、この病を慢性病とするための最も大きな一歩です。

 

全生存期間の中央値の改善が、無増悪生存期間の改善を上回ったことにより驚きました。おそらく、それぞれのモノクロナール抗体が持つ異なるメカニズムのためでしょう。

 

この併用療法をHER2陽性転移性乳癌患者の標準療法と考えるべきです。私には、トラスツズマブをペルツズマブと併用せずに使用する理由はないように思います。そして、ESMO2014で発表されたこの素晴らしい全生存期間のデータは、われわれ医師の研究継続を推し進め、患者さんたちが病気と闘うことを後押しし、そして社会が将来、人は癌で死ななくなるということを知る一助になるでしょう」。

 

将来を見据え、本研究に従事する研究者たちは、この併用療法に対する耐性のメカニズムの研究、治療活性の改善、そして化学療法が不要な患者の特定を行っていく必要があります」。

 

原文掲載日

翻訳鶴田京子

監修原 文堅 (乳腺科/四国がんセンター)

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