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2011/05/17号◆FDA最新情報「FDAが膵内分泌腫瘍治療薬を承認」
- 2011年5月24日
同号原文|
NCI Cancer Bulletin2011年5月17日号(Volume 8 / Number 10)
~日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~
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◇◆◇ FDA最新情報 ◇◆◇
FDAが膵内分泌腫瘍治療薬を承認
米国食品医薬品局(FDA)は、手術による摘出が不可能または転移した膵内分泌腫瘍(PNET)の治療にエベロリムス[everolimus] (アフィニトール[Afinitor])を承認した。米国での年間患者診断数が1,000人に満たないこの稀な膵臓癌の治療薬としてはまだ2番目の承認薬である。
今回のFDAによる承認は、進行したPNET患者を対象とした最近のランダム化試験の成績にもとづき行われた。エベロリムス投与群患者はプラセボ投与群患者と比較し、無増悪生存期間が平均6.4カ月長かった。
エベロリムスはまた、 腎細胞癌や、良性脳腫瘍の一種である上衣下巨細胞性星細胞腫の治療にも承認を受けている。本剤は哺乳動物におけるラパマイシン標的(mTOR)のシグナル伝達経路を阻害し、細胞増殖及び血管新生を妨げる機序をもつ。主な副作用には、発疹、下痢、疲労、及び腹部痛などがあり、また腎不全を含め、重篤な合併症も報告されている。
エベロリムスは、PNETの治療にFDA抗腫瘍薬諮問委員会が最近承認を推奨した2種類の標的治療薬の1つである。
さらに詳しい内容については、過去のブレティン記事「稀な膵臓癌に標的治療が効果」に記載している。
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菅原 宣志 訳
林 正樹(血液・腫瘍科/敬愛会中頭病院) 監修
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