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米国国立衛生研究所(NIH)による研究で、理想的な体格指数(BMI)が確認される

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米国国立衛生研究所(NIH)による研究で、理想的な体格指数(BMI)が確認される

“太り気味”や“肥満”は死亡の危険性の増加と関連性がある
NCIニュース 2010年12月01日

あらゆる原因による死亡について分析した研究によると、喫煙をしない健康な成人では、体格指数(BMI)が20.0 〜24.9の場合に死亡の危険性が最も低いことが示された。研究者らはさらに、太りすぎや肥満の場合に死亡の危険性がどの程度増加するかに関する正確な数値も算出した。肥満の危険性に関する研究は以前にもあったが、死亡率が若干増加するという報告もあれば、一方で死亡率がむしろ低下するという報告もあり、肥満の危険性についてのはっきりとした結論は出ていなかった。また、肥満の程度によって死亡の危険性がどの程度増加するかについても不明確であった。本研究の調査チームには、米国国立癌研究所(NCI)の研究者らが参加、一部は米国国立衛生研究所(NIH)およびその他数多くの世界中の主要な研究施設からの共同研究者らが含まれた。研究結果は2010年12月2日のNew England Journal of Medicine誌に発表される。

最も一般に用いられている体脂肪率の指標であるBMIは、体重(キログラム単位)を身長(メートル単位)の2乗で割った値(kg/m2)により算出される。米国疾病管理予防センター(U.S. Centers for Disease Control and Prevention)および世界保健機構(WHO)が定めた現在のガイドラインによると、BMIの正常範囲を18.5〜24.9とされている。BMI値が25.0〜29.9を“太り気味”(*下記参照)、BMI値30.0以上を“肥満”、そしてBMI値35以上を“重度の肥満”としている。

http://www.nhlbisupport.com/bmi/bmicalc.htmへアクセスするとBMI値を算出することができる。

肥満は、アメリカにおいて近年の最も重要な公衆衛生上の問題のひとつとなりつつあるまた、肥満の人々が心臓病、脳卒中およびある種の癌による死亡の危険性が増加することが明らかになってきた。現在、米国の成人の3分の2は“太り気味”か“肥満”である。さらに気がかりなことに、女性の17パーセントおよび男性の11パーセントは“重度の肥満”である。

この大規模な分析では、参加者をきちんと長期間(研究により異なるが5-28年間)経過観察するよう計画された19件の研究データがすべて集められて解析された。

過去に喫煙歴のない健康な女性の場合、“太り気味”ではBMI値が22.5 〜24.9の人に比べて追跡調査期間中の死亡率が13パーセント増加することが分かった。また、“肥満“または“重度の肥満”と判定された女性は死亡率が劇的に増加した。つまり、BMI値2.5 〜24.9と比べて、BMI値30.0〜 34.9では死亡の危険性が44%増加、BMI値35.0 〜39.9では死亡の危険性が88%増加、そしてBMI値40.0〜49.9では死亡の危険性が2.5倍 (つまり150パーセント増)となることが報告された。男性の場合もほぼ同様の結果であった。男女含めた全体の解析では、BMI値が5増加するごとに死亡の危険性が31%増加することが示された。

「19件の研究から得られた150万人近くの参加者のデータを組み合わせることによって、広範囲のBMI値と、過剰体重および死亡の危険性との関係に影響を及ぼすおそれがあるその他の特徴を評価することができた」と本研究の責任著者であるNCIのAmy Berrington de Gonzalez博士は述べた。また、「喫煙および既往症は死亡の危険性と肥満に強く関連している。本研究の優れている点は、喫煙や既往歴のある参加者を除外することによってこのような要因の影響を最小限にし、BMI値と死亡の危険率の関連を正確に分析できたことです」と続けた。

研究者らによるとは、アルコール消費、身体活動および教育レベルの違いといった背景の違いを考慮に入れても、BMI値と死亡の危険性に関して同様の結果が得られた。太り気味や肥満の場合の死亡率増加は50歳未満でより顕著であったが、BMI値25以上の場合の死亡危険率増加は全ての年代で観察された。

研究者らは各研究の開始時に参加者が記入した質問票から、BMIおよび他の特徴に関する情報を収集した。死亡原因は死亡診断書またはカルテから得た。この分析は19歳から24歳までの非ヒスパニック系白人に限定された。研究者らはBMIと死亡率との関係は人種および民族によって異なる可能性があることに注目した。その他の取り組みとして他の人種および民族における、BMIが与える死亡への影響に関する研究が進行中である。
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研究施設および、NCI の (BMI and All-Cause Mortality Pooling Project is)に参加している研究の全リストは: http://epi.grants.cancer.gov/bmi/

癌疫学・遺伝学部門に関してさらに学習するためには: http://dceg.cancer.gov
米国国立癌研究所(NCI)は、予防および癌生物学、新しい治療介入の開発および新しい研究者の訓練・教育についての研究を通じて、癌の負担を劇的に減らし、癌患者とその家族の生活を向上させるための国家癌プログラム(National Cancer Program)および米国国立衛生研究所(NIH)の取り組みをリードしている。
癌に関するより詳細な情報は http://www.cancer.govでNCIウェブサイトへアクセスするか、NCIの癌情報サービス1-800-4-CANCER(1-800-422-6237)まで。
米国国立衛生研究所(NIH)は米国の医学研究機関であり、27の研究施設を含み、米国保健社会福祉省(U.S. Department of Health and Human Services)が管轄する機関の一つである。また基礎的な医学研究、臨床的医学研究および探索医学研究を行い、支援するための主要な連邦政府関連機関である。また、一般的に知られている疾病および希少な疾病ともにその原因、治療および治療薬を研究している。

NIHとそのプログラムに関する詳細情報: www.nih.gov
Reference: Berrington de Gonzalez B, Hartge P, Cerhan JR, Flint AJ, Hannan L, MacInnis RJ, Moore SC, Tobias GS, Anton-Culver H, Beane Freeman L, W. Beeson L, Clipp SL, English DR, Folsom AR, Freedman DM, Giles G, Hakansson N, Henderson KD, Hoffman-Bolton J, Hoppin JA, Koenig KL, Lee IM, Linet MS, Park Y, Pocobelli G, Schatzkin A, Sesso HD, Weiderpass E, Willcox BJ, Wolk A, Zeleniuch-Jacquotte A, Willett WC, Thun MJ. Body-Mass Index and Mortality– Prospective Analysis of 1.46 Million White Adults. Dec. 2, 2010, NEJM, Vol. 362, No. 23.

*監修者注:日本では25-30を“太り気味”と表現(厚生労働省資料)

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佐々木了子 訳
田中文啓(呼吸器外科/産業医科大学教授)監修
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原文

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