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看護師の大半はがん患者と性生活について話すことが苦手/MDアンダーソンがんセンター

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看護師の大半はがん患者と性生活について話すことが苦手/MDアンダーソンがんセンター

MDアンダーソンでは看護教育の新たな取り組みとしてがんと性生活の問題に対応
MDアンダーソンがんセンター
2011年4月29日

がん看護学会の第36回年次総会テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの看護師らが発表した論文抄録によると、性生活について患者に話を切り出す際、看護師およびその他の医療従事者は心の準備ができておらず不安に思う。性に関する問題は、がんおよびがん治療に伴う身体的・心理的副作用から生じることが多い。男女共にがん患者の多くは、性的な機能、ボディイメージおよびに行為に関する深刻な問題を抱えている。

「性生活はヒトの健康や患者ケアに重要なことですが病院内ではあまり話題にされません」と、発表論文の著者である、MDアンダーソンの臨床看護師(正看護師、看護学士、文学修士)Lucy Mathew氏は述べた。「看護師は、患者の悩みを明らかにし最初の情報提供者になるという重要な役割を担っています。」

看護師の知識、姿勢、および信条に関する文献を見直すことで、Mathew氏と同僚らは、話しを切り出す際に必要な知識、自信および心の落ち着きが欠如していることを含め、患者の性生活の問題に対応する上でいくつもの障害があることに気付いた。看護師の姿勢は教育によって改善されることもエビデンスから明らかになった。

「追跡調査では現場の看護師とのやりとりから、彼らが患者をアセスメントする際に性に関する問題に踏み込む必要があるのは分かっていながら、患者の質問に答えられないのではないかと不安に思っていることが明らかになりました。」とMathew氏は述べた。 研究チームは、MDアンダーソン精神医学部の臨床専門看護師でがんと性生活に関する専門家でもあるMary Hughes氏(理学修士、正看護師、臨床専門看護師、死生学専門)と協力し、病棟の看護師に対して教育セッションを開設した。初期アセスメントの際に看護師が患者に配布する、英語版とスペイン語版のがんと性生活に関する患者教育用パンフレットが作成された。事後評価では、2つの試みによってこの件に関する看護師の安心感が向上し患者との対話が増えた、と判断された。

「性に関することで患者に話しかけることができるように、看護師には必要な知識と手段を提供したいと思っていました。多くの患者も自身が体験している性的な悩みについて質問するのをためらうので、看護師が最初に踏み込まなければ、その問題が話題に上ることはあまりないのです」とMathew氏は述べた。

Mathew氏は、性生活に関する教育は看護学校から開始し働いている間も継続して行う必要性を指摘した。

Mathew氏の共著者は、Silvestina Decoteau氏およびSilvy Ninan氏であった。 多専門領域にわたる卓越した看護は、がん治療に対するMDアンダーソンの世界的に高い評価の中核をなしている。MDアンダーソンには、患者のケア、治療および生活の質の問題への対応を特に専門とする看護師が3,000人近く勤務している。看護学部にあるMDアンダーソンの新しい一般教育学科では、看護研究およびエビデンスに基づく実践の取り組みを増やし、すべてのレベルの看護師に対して教育の機会を拡大することに力を入れている。現在、約550人の看護師が修士号を取得しており、博士号の取得者も増加している。

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豊 訳
白井千恵子 (看護師) 監修
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原文

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