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喫煙は進行腎臓癌の発症率を上昇させる /デューク大学医療センター

  • 2011年5月23日


    デューク大学医療センター
    2011年4月19日

    たばこを吸うことによって、進行腎臓癌の発症率が高くなるという、喫煙者にとって悪いニュースが浮上している。

    デューク大学医療センターの研究者らによる本研究結果は、進行腎臓癌において、喫煙が果たす直接的な役割に対する新たな知見をもたらしたものであり、同時に動機付けのメッセージでもある。

    「禁煙すれば、リスクを阻止できる。」とデューク大学泌尿器腫瘍学フェローのMatvey Tsivian医師は述べた。同医師が筆頭著者を務めた本研究は、2011年4月18日付電子版Journal of Clinical Oncology誌に掲載され、「禁煙してから長くなるほど、より良好な状態になります。」と続けた。

    Tsivian医師らは、2000年から2009年にかけてデューク大学で腎臓癌の外科手術を受けた患者845例を対象に喫煙歴を再検討した。そのうち、164例が現在も喫煙しており、246例は禁煙を行い、残る435例は喫煙経験がなかった。

    現在喫煙している、もしくは以前に喫煙経験を有する患者は、非喫煙者と比較して、腫瘍がリンパ節まで及ぶものまたは別の部位まで転移をみるものと定義される進行腎臓癌となる可能性が高かった。

    進行性悪性腫瘍は、初期の腎臓癌よりはるかに致命的である。米国癌協会によると、初期の腎臓癌における5年生存率は70%を超えることに対して、腎臓癌の最重症患者では、わずか8%だけである。

    デューク大学研究者らは、本試験群において進行癌の診断を受けた割合について、現在喫煙している患者は28.7%であり、以前に喫煙経験を有する患者は29.3%であったことと比較して、非喫煙者ではわずか20.2%であったことを突き止めた。以前に喫煙経験を有する患者のうち数例は、禁煙する前に数十年間にわたり常習的に喫煙していた。

    「どのように喫煙が癌増殖に影響を及ぼすのか実際の機序は不明である。」とTsivian医師は言及する。同医師は、タバコの煙が、遺伝子変異、炎症および細胞傷害などに関連していると付け加えた。これらはすべて癌増殖を促すものである。

    しかし禁煙することで、腎臓癌が重篤化する危険性は低下する。同大学研究者らは、喫煙を継続すれば、10年毎に進行癌の診断に至る確率が9%ずつ低下するという知見をもたらした。

    禁煙が、完全に有害性を打ち消すわけではないが、「禁煙期間が長期に及ぶに従い、リスクは低下していきます。」とTsivian医師は述べた。

    進行腎臓癌を発症するリスクは、非喫煙者の20%に対して、最低20年間の禁煙をした患者では、22%であると同医師は続けた。

    「常習的な喫煙と進行腎細胞癌の発症との間には、明確に関連性が認められる。」とデューク大学癌研究所泌尿器腫瘍学ディレクターであり、本研究の統括著者Thomas J. Polascik博士は見解を語る。

    「禁煙をすることによって時間の経過とともに、一連のリスク因子をもとの状態に戻せる可能性があることは良いニュースです。こうした情報を公開することで、禁煙を促すさらなる動機付けとなるはずです。遅すぎるということはないのです。」

    Tsivian医師とPolascik博士をはじめ、Daniel M. Moreira医師、Jorge R. Caso医師、Vladimir Mouraviev医師が研究著者である。本研究は、デューク大学から支援を受けた。

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    酒井伸茂 訳
    野長瀬祥兼(工学/医学) 監修
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