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BMIに関係なく在宅エクササイズが癌サバイバーにとって有益であることが明らかに/MDアンダーソンがんセンター

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BMIに関係なく在宅エクササイズが癌サバイバーにとって有益であることが明らかに/MDアンダーソンがんセンター

BMIに関係なく在宅エクササイズが癌サバイバーにとって有益であることが明らかに
MDアンダーソンがんセンター
ニュースリリース 2014年4月7日

運動介入により子宮内膜癌サバイバーの総合的な生活の質が改善した

体重過多つまり肥満である子宮内膜癌サバイバーの日常生活にエクササイズを取り入れたところ、肥満ではない癌サバイバーと同様に、心肺機能、生活の質、精神衛生面などに有益であったとの研究結果がGynecologic Oncology誌で発表された。

MDアンダーソン行動科学科教授Karen Basen-Engquist博士主導の研究者チームが、6カ月間の長期的研究で副次的解析を実施し、在宅エクササイズプログラム実施期間中に、肥満と肥満でない子宮内膜癌サバイバーの間で違いが生じるかどうかを検討した。研究者らはこれら2つのサバイバーのグループ間の差異を判定するため、参加者の運動行動、体力、心拍数、血圧、身体サイズ、生活の質を検証した。

研究責任医師のBasen-Engquist博士は、「肥満と運動不足は、重要な危険因子であり、サバイバーは生活習慣を変化させることによって、これらをコントロールすることができます」と語る。「癌治療後のエクササイズによってサバイバーは回復を早めることができ、健康全般で改善を得られます」。子宮内膜癌は米国の女性で4番目に多くみられる癌であり、今年新たにこの癌と診断される症例は52,000例を超えると推定される。Basen-Engquist博士によれば、子宮内膜癌患者の約59%は身体活動を行い健康的な体重を維持することで癌を予防できるのだが、いまだに多くの人々が癌と肥満の関係に気付いていないのだという。適度な運動は生活の質を改善する。

この研究では、治療後6カ月以上経過した子宮内膜癌サバイバー100人のデータが集積された。第1、第2、第3病期の子宮内膜癌と診断されたサバイバーが、エクササイズプログラムの開始時、また開始後2、4、6カ月目に評価を受けた。またサバイバーはこのプログラムの最初の7日間、加速度センサー(動きを検知し測定する計器)を装着した。検査での評価を受けるとともに、参加者は指定された間隔で質問票を提出し、携帯の端末機にエクササイズの内容を記録した。

肥満の癌サバイバー(肥満度指数[BMI]30以上)が参加者の64%を占めた。エクササイズプログラムの開始時には、活動量の少なさ、体力不足、生活の質の低さ、収縮期血圧の高さという点で、肥満サバイバー群の方の病徴は非肥満サバイバー群より問題性が高かったが、本プログラムを通じて顕著な改善がみられた。

「この研究は、肥満の子宮内膜癌サバイバーと非肥満の子宮内膜癌サバイバーの心肺機能健康度に関するデータを比較した初めての報告です」とBasen-Engquist博士は述べた。

本研究の結果から、癌サバイバーは身体活動、体力、また身体機能や活力、疼痛といったいくつかの生活の質の観点において改善したことが明らかになった。また、生活の質の改善は両群間で差がなかったことも示された。非肥満サバイバー、肥満サバイバー双方で効果が得られた。例えば、肥満サバイバーでは疼痛が18%軽減し、疲労が16%改善し、再発に関する精神的ストレスにおいては15%の軽減がみられた。

「これは重要なことです。というのは身体活動量を少し増やすだけで、体重に関係なく利益が得られることを示しているからです」とBasen-Engqist博士は語った。

Basen-Engquist博士は、在宅運動介入はBMIで肥満の範囲にある子宮内膜癌サバイバーに利益をもたらしており、健康と生活の質を向上させるために、子宮内膜癌サバイバーすべてにエクササイズを奨励すべきであると総括した。

MDアンダーソンのCenter for Energy Balance in Cancer Prevention and Survivorship (癌予防とサバイバーシップのエネルギーバランス研究センター)の所長としてBasen-Engquist博士は、展開中の介入を通して身体活動、栄養、肥満、癌の位置付けを検証する研究の先頭に立ち、不健康な生活習慣の改善、癌リスクの低下、癌の転帰改善を目指している。このセンターはMDアンダーソンおよびDuncan Family Institute for Cancer Prevention and Risk Assessment(ダンカンファミリー癌予防・リスクアセスメント研究所)から資金提供を受けている。

Basen-Engquist博士の他の共著者は以下のとおりである。Cindy Carmack, Ph.D., Mathew Cox, M.D., Maria Swartz, M.D. and George Baum, M.D., of Behavioral Science; Jubilee Brown, M.D., of Gynecologic Oncology and Reproductive Medicine; Anuja Jhingran, M.D., of Radiation Oncology; Jae Song, M.D., of Biostatistics, and Karen Lu, M.D., of Gynecologic Oncology.
本研究は以下から助成金提供を受けた。National Cancer Institute of the National Institutes of Health (R01CA109919, R25TCA057730, R25ECA056452, and P30 CA016672; PROSPR Shared Resource), the Center for Energy Balance in Cancer Prevention and Survivorship, Duncan Family Institute for Cancer Prevention and Risk Assessment.

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緒方登志文 訳
原野謙一 (腫瘍内科/日本医科大学武蔵小杉病院 )監修
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原文


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