加工肉の摂取が大腸癌リスクを上昇させる新たな遺伝子変異を発見/フレッドハッチンソン癌研究センター | 海外がん医療情報リファレンス

加工肉の摂取が大腸癌リスクを上昇させる新たな遺伝子変異を発見/フレッドハッチンソン癌研究センター

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

加工肉の摂取が大腸癌リスクを上昇させる新たな遺伝子変異を発見/フレッドハッチンソン癌研究センター

2014年4月17日

3人に1人が持っている遺伝子変異が、加工肉の消費による大腸癌リスクを著しく増大させる可能性があるという研究報告が本日付で発行の「PLOS Genetics」誌に掲載された。米国、カナダ、オーストラリア、欧州の18,000人以上を対象とした初の大規模ゲノムワイド解析と食事習慣の調査で、大腸癌のリスク要因がさらに明らかとなった。南カリフォルニア大学ケック医学部予防医学科助教授で本筆頭著者のJane Figueiredo氏によると、加工肉の消費と大腸がんのリスク増大が関連しているだけでなく、この遺伝子変異を持つ人は持たない人に比べて、そのリスクがさらに高まるという。フレッドハッチンソン癌研究センター公衆衛生学部門研究員で本論文の上席著者であるUlrike Peters氏は、「本試験の追認により、大腸癌に対してさらに生物学的な知見が得られるかもしれません」と言う。

米国国立衛生研究所助成機関である大腸癌遺伝疫学コンソーシアム(GECCO)および大腸癌ファミリーレジストリの助成を受けた本研究は、大腸癌患者群9,287人と対照群9,117人における10件の観察研究の最大規模メタ解析で、270万の遺伝子変異の中から、肉、食物繊維、果物、野菜の摂取と関連する因子を探した結果、 rs4143094という遺伝子変異体に加工肉の消費との相関があることを発見した。この遺伝子変異体は、これまでに数種の癌の発生と関連が指摘されている転写因子GATA3と同じ10番染色体領域に存在しており、rs4143094によりコード化された転写因子が免疫系に関与していると考えられる。Figueiredo氏は、加工肉と相互作用があるとわかった遺伝子座に生物学上重大な役割があるという仮説を立て、さらなる遺伝子機能解析が必要だとした。

大腸癌は遺伝要因と食事などの生活習慣を原因とする多因性疾患であり、およそ30の大腸癌に遺伝的な感受性素因があることがゲノム解析から分かっている。特定の食べ物が遺伝子活動にどのように影響を及ぼすのかは明らかではないが、このメカニズムの解明が予防研究における重要領域となっている。本研究の第二著者で筆頭統計学者の Li Hsu博士によると、「遺伝子変異が食習慣によって個人における疾患のリスクに変化を起こす可能性は完全に研究されていないが、疾患発症のメカニズムにおける重要な知見となります」という。「大腸癌リスク要因の中でも、食事は個人での改善が可能です。今回、ゲノムプロファイルに基づいた大腸癌リスクが初めて明らかとなり、本研究で得られた知見が生物学のさらなる解明への一歩となり、今後の大腸がん標的予防治療計画策定へとつながることでしょう」とFigueiredo氏は述べた。

******
今泉眞希子 訳
前田梓(トロント大学医学部医学生物物理学科)監修
******
原文

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

arrow_upward