BRAF変異と腫瘍細胞への銅の取り込み抑制/デューク大学医療センター | 海外がん医療情報リファレンス

BRAF変異と腫瘍細胞への銅の取り込み抑制/デューク大学医療センター

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BRAF変異と腫瘍細胞への銅の取り込み抑制/デューク大学医療センター

10円玉は悪者?!:がんの銅への渇望を標的にする

デューク医療ニュース・コミュニケーションズ

米国ノースカロライナ州ダーラム - あるまれな遺伝子疾患で用いる銅吸収阻害剤が、ある種のがんの治療で追加的に使用出来る可能性が、デューク大学の研究者らによって報告された。

研究者らは、BRAF遺伝子変異のあるがんでは腫瘍の成長を促すには銅が必要であることを発見した。こうした腫瘍にはメラノーマがあるが、メラノーマは皮膚癌のもっとも危険なタイプであり、米国立癌研究所によると米国では毎年約1万人がメラノーマで死亡している。

「メラノーマのようなBRAF陽性がんはほぼ銅を必要とします」とデューク大学医学部薬理学・癌生物学教授であり、2014年4月9日付のネイチャー誌に掲載された研究の上席著者でもあるChristopher M. Counter博士は述べた。

BRAF遺伝子は細胞の分裂と分化の制御に関与する。変異があると、BRAFはコントロール不能なまでに細胞増殖を引き起こす。Counter博士と共同研究者らは動物モデルと細胞を用いて、BRAF変異のある腫瘍への銅の取り込みを実験的に阻害すると、腫瘍の成長が抑制されることを発見した。

博士らは、銅が主に脳や肝臓の組織に蓄積して障害を起こす遺伝性疾患である、ウィルソン病の治療に使われる薬剤を用いても、同様の結果を得ることに成功した。

「ウィルソン病の治療において銅の濃度を下げるために使用される経口剤を、BRAFが引き起こすメラノーマのようながんや、おそらくは甲状腺がんや肺がんなど他のがんの治療にも使うことができるかもしれない」と本研究の第一著者であるDonita C. Brady博士は述べた。

既にデューク大学では、メラノーマ患者を対象として銅を減少させる薬剤を検証する臨床試験が承認されているが、患者登録はまだ始まっていない。

http://1.usa.gov/1qefSJm

「この研究は、実験室から臨床現場へ基礎研究をいかに展開するかを示すよい例です」とCounter博士は述べた。

Counter博士とBrandy博士以外の著者は以下の通りである。Matthew S. Crowe, Michelle L. Turski, G. Aaron Hobbs, Xiaojie Yao, Apirat Chaikuad, Stefan Knapp, Kunhong Xiao, Sharon L. CampbellおよびDennis J. Thiele。

本研究は米国立衛生研究所(CA178145、HL075443、DK074192、CA094184、CA172104)、Lymphoma Foundation、およびLinda Woolfenden(個人)から資金援助を受けた。他のすべての資金提供者のリストは論文に記載されている。

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小縣正幸 訳
北丸 綾子(分子生物学/理学博士)監修
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原文

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