2011/04/19号◆FDA最新情報 | 海外がん医療情報リファレンス

2011/04/19号◆FDA最新情報

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2011/04/19号◆FDA最新情報

同号原文

NCI Cancer Bulletin2011年4月19日号(Volume 8 / Number 8)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

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◇◆◇ FDA最新情報 ◇◆◇

・FDAは甲状腺髄様癌治療に新薬を承認
・諮問委員会は稀な膵臓癌の治療に標的薬を推薦
・FDAは癌発症リスクに関して骨髄腫治療薬の安全性審査を開始

FDAは甲状腺髄様癌治療に新薬を承認

米国食品医薬品局(FDA)は4月6日、バンデタニブ〔vandetanib〕(ザクティマ〔Zactima〕)を切除不能または進行性の甲状腺髄様癌の成人患者に対する治療薬として承認した。これは、甲状腺髄様癌に対する初めての承認薬である。

バンデタニブの有効性は、バンデタニブまたはプラセボによる治療を行った末期甲状腺髄様癌患者311人に対する進行中のランダム化国際臨床試験で示された。プラセボ群の患者と比較して、バンデタニブ群の患者の無病進行期間は長期であった。

時には死に至ることのある不整脈等の重篤な副作用とバンデタニブの使用が関係していたため、バンデタニブはリスク評価・軽減戦略(REMS: Risk Evaluation and Mitigation Strategy)で承認されている。バンデタニブREMSプログラムを経て認定された医師・薬剤師のみが、バンデタニブの処方・投薬が可能となる。

バンデタニブはMTCの遺伝性変異であるRETなどの複数の細胞表面受容体に対する、低分子阻害剤である。これらの受容体を阻害することにより、癌細胞の増殖と転移を抑制する。

「バンデタニブの承認は、稀で難治性疾患の患者の治療承認に対するFDAの責任を強調した」とFDA抗腫瘍薬製品室ディレクターであるDr. Richard Pazdur氏は述べた。

諮問委員会は稀な膵臓癌の治療に標的薬を推薦

FDA抗腫瘍薬諮問委員会は4月12日の会合で、エベロリムス(アフィニトール〔Afinitor〕)とスニチニブ(スーテント)を進行性膵神経内分泌腫瘍の治療薬として推奨することを可決した。FDAは、必ずしも諮問委員会の提案に従う必要はないが、通常は同委員会の提案を受け入れる。

膵神経内分泌腫瘍はかなり珍しい腫瘍で、米国の年間発症者数は1,000人以下である。他の膵臓癌に比べて膵神経内分泌腫瘍は予後良好の傾向があるが、再発した場合の治療方法はない。

エベロリムスとスニチニブの両剤は、現在、進行性腎細胞癌の治療薬として承認されている。哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)シグナリング経路阻害剤であるエベロリムスは、免疫抑制を誘発し、細胞増殖と腫瘍血管増殖を弱める作用がある。ランダム化試験の結果により、エベロリムス群の患者はプラセボ群患者と比べて無増悪生存期間が2倍以上(11カ月対4.6カ月)であったことが明らかとなった。

細胞増殖と腫瘍血管形成を阻害する低分子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるスニチニブの裏づけデータは不明確であった。進行性膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした、スニチニブとプラセボを比較するランダム化臨床試験は中止となり、エベロリムスで示された有効性より少ないことが明らかとなった。

両剤とも腎不全等の重篤な副作用が生じることが知られている。スニチニブには心不全との関連性もある。

FDAは癌発症リスクに関して骨髄腫治療薬の安全性審査を開始

FDAは、レナリドミド(レブラミド〔Revlimid〕)を服用した多発性骨髄腫の患者と新たな癌発症リスク増加との関連の可能性を調査するため、複数の臨床試験結果の再検討を行っていると、去る4月8日に発表した。

サリドマイド誘導体であるレナリドミドは、癌細胞死を促進し、免疫細胞活性を刺激し、腫瘍関連血管の発達を阻止すると考えられている。レナリドミドは骨髄異形成症候群の治療薬として承認されており、デキサメタゾンと併用で多発性骨髄腫の治療に用いることができる。

FDAの承認指針に則って治療を受けている患者に対して、FDAはレナリドミドの使用の延期、変更、制限などの勧告を現時点では行っていない。しかし医療従事者や患者に対して、レナリドミド関連の有害事象や副作用をFDAの医薬品安全情報・副作用報告プログラム(MedWatch Safety Information and Adverse Event Reporting Program)に報告することを推奨している。

安全性の再審査が終了次第、FDAは新たな勧告を発表するとみられる。

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野川 恵子  訳

大渕 俊朗(呼吸器・乳腺分泌・小児外科/福岡大学医学部) 監修

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