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有望な免疫療法の恩恵を受け易い肺癌患者が特定/ダナファーバー癌研究所

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有望な免疫療法の恩恵を受け易い肺癌患者が特定/ダナファーバー癌研究所

2014年の米国癌学会(AACR)年次総会でダナファーバー癌研究所の研究者らが、癌細胞を攻撃する免疫力を向上させる薬剤によって、どのような非小細胞肺癌(NSCLC)患者で、最も高い有益性が得られるかを予測できる有望な方法について報告する。

現在進行中の第1相臨床試験の結果から、薬剤MK-3475で治療した場合、タンパク質PD-L1の発現量の高い腫瘍細胞を有している患者の方が、他の患者と比較して有意に高い効果が得られることが示された。治療開始から6カ月後、PD-L1の発現量の高い腫瘍患者群の41%で疾患増悪が認められなかったのに対し、PD-L1発現量の低い腫瘍患者群で増悪がなかったのは17%であった。また結果集計時の生存率はPD-L1高発現腫瘍患者群で72%だったが、これと比較してPD-L1低発現腫瘍患者群では53%であった。

「一部の例外を除けば、非小細胞肺癌患者に有効な治療選択肢はほとんどありません。現状の治療を上回る何かが現実に必要になっています」とLeena Gandhi氏(医師、医学博士、ダナファーバー胸部腫瘍医、本臨床試験副主導者)は語る。「今回、PD-L1を高発現している腫瘍患者で認められた効果は持続性に優れていると考えられ、非常に大きな期待を持てます」。

「T細胞と呼ばれる免疫細胞には、元々癌細胞を破壊する能力があります」とGandhi氏は説明した。「しかし癌細胞の中には、T細胞の「ブレーキ」を活性化させることによって、T細胞の攻撃を防御できるものもあります。防御の一つに、癌細胞表面のPD-L1タンパク質を介してT細胞上のPD-1と結合する方法があります。MK-3475はPD-1を遮断することによってPD-L1との結合を妨げT細胞のブレーキを解除するのです」。

本試験に組み入れられた146人の患者データを用いて、Gandhi氏らは、MK-3475が腫瘍に対して奏効するかどうかを判定する場合、免疫組織化学的検査でPD-L1が50%を超える発現を充分、それ以下を少ないとするカットオフが最適だということを明らかにした。MK-3475が奏効したのは、治療前に腫瘍のPD-L1発現レベルの高かった患者41人中37%だったのに対し、治療前に腫瘍のPD-L1発現レベルが低かった患者では11%であった。

「これらのデータから、MK-3475治療により、どのような非小細胞肺癌患者で有益性が最も高くなるのかを判断する上で、腫瘍のPD-L1発現レベルが高いということは有効なバイオマーカーになると強く示唆されます」とGandhi氏は語った。

本研究は、Merck社から資金援助を受けた。Gandhi氏は利益相反がないことを宣言している。
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緒方登志文 訳
大渕俊郎(呼吸器外科/福岡大学医学部)監修
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原文

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