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免疫療法によりメラノーマ患者で腫瘍縮小効果が持続/ダナファーバー癌研究所

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免疫療法によりメラノーマ患者で腫瘍縮小効果が持続/ダナファーバー癌研究所

2014年3月3日

ダナファーバー癌研究所、ジョンズホプキンス大学、エール大学などが実施した新しい研究によると、免疫システムに癌を攻撃させる薬剤によって多くの進行メラノーマ患者で腫瘍縮小効果を持続させて疾患進行を抑制(一部の患者では2年間以上)できた。

本研究報告は、本日3月3日Journal of Clinical Oncology誌よりオンラインで発表された。本研究では、nivolumab[ニボルマブ]の第1相臨床試験で同薬剤を投与したメラノーマ患者の転帰について、これまでで最も長い観察結果を報告している。同結果では、ニボルマブの効果が早い段階から発揮されただけでなく、投与を中止した数名の患者でさえ効果を持続できていることが示されている。

本臨床試験では、他の治療では効果のみられない進行メラノーマ患者107人を対象とし、最長96週間、静脈注射にてニボルマブを隔週投与した。生存率は、1年後では62%、2年後では43%であった。

ダナファーバー癌研究所のメラノーマ治療センター長であり統括著者のF. Stephen Hodi医師は、「この結果は転移性メラノーマ患者にとって衝撃的でした。本試験は、この治療のアプローチが生み出す長期治療効果を最初に示したことになります」と述べた。

ニボルマブは腫瘍を攻撃する免疫システムに対する抑制を解除する次世代の薬剤の1つである。この薬剤は、免疫システムの1つであるT細胞に発現し、腫瘍細胞への攻撃を抑制する機能を持つタンパク質であるPD-1を阻害する。PD-1を阻害することによって、ニボルマブは免疫システムによる腫瘍への攻撃を可能にする。

本治療の副作用は、この薬剤の過去の研究で出現したものと一致していた。最も高頻度にみられた副作用は、倦怠感、発疹、下痢であり、その大半は治療開始後6カ月以内に発現した。試験責任医師の報告によると、長期の薬剤曝露により副作用が増悪することはなかった。

本試験の最も注目すべき所見の1つは、多くの患者において、治療終了後も腫瘍が同じ大きさを維持していたかまたは腫瘍縮小が持続していたことである。ダナファーバー癌研究所免疫腫瘍学センター長でもあるHodi医師は、「これは、薬剤によるPD-1の阻害が免疫システムと腫瘍の均衡をリセットし、腫瘍の進行を阻止したことを示唆する」述べた。

もう1つの興味深い発見は、本試験に参加した患者の全生存期間が、無増悪期間よりも大幅に長くなったことである。すなわち、治療後に新たな小さいメラノーマが成長している患者でさえ、腫瘍の進行が抑制される場合が多くみられた。Hodi医師によると、このことは通常のメラノーマにみられる事象とは大きく異なる。通常、新たな腫瘍の出現が本格的な腫瘍再発の前触れとなることが多い。

ニボルマブがこれら患者で有効であったことにより、他の免疫療法の薬剤との併用が有望であることが示唆される。すでに併用療法を評価する臨床試験が実施中である。

本研究の筆頭著者はSidney Kimmel Comprehensive Cancer Center at Johns Hopkins のSuzanne Topalian医師である。共著者はWilliam Sharfman, MD, Julie Brahmer, MD, Evan Lipson, MD, Janis Taube, MD, and Drew Pardoll, MD, PhD, of Johns Hopkins; Mario Sznol, MD, and Harriet Kluger, MD, of Yale University School of Medicine; David McDermott, MD, of Beth Israel Deaconess Medical Center; Donald Lawrence, MD, of Massachusetts General Hospital; Richard Carvajal, MD, of Memorial Sloan-Kettering Cancer Center;Michael Atkins, MD, of Georgetown-Lombardi Comprehensive Cancer Center, Washington, D.C.; John Powderly, MD, of Carolina BioOncology Institute; Philip Leming, MD, of Christ Hospital Cancer Center, Cincinnati, Oh.; Igor Puzanov, MD, and Jeffrey Sosman, MD, of Vanderbilt University Medical Center; David Smith, MD, of the University of Michigan; and Jon Wigginton, MD, Georgia Kollia, PhD, and Ashok Gupta, PhD, of Bristol-Myers Squibb。

本研究はBristol-Myers Squibb社から研究助成を受けた。
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木水 友子/仲里 芳子 訳
田中謙太郎(呼吸器・腫瘍内科、免疫/テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)監修
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原文

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