マンモグラフィ検診の新たなガイドラインへの呼びかけ/カリフォルニア大学サンフランシスコ校 | 海外がん医療情報リファレンス

マンモグラフィ検診の新たなガイドラインへの呼びかけ/カリフォルニア大学サンフランシスコ校

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マンモグラフィ検診の新たなガイドラインへの呼びかけ/カリフォルニア大学サンフランシスコ校

50~74歳の女性に対する隔年のマンモグラフィ検診を推奨する新たなガイドラインを採用した場合、逐年で行われている現在の検診と同様の効果がみられるのと同時に、米国の年間医療費が43億ドル削減されることがカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)主導の研究で示された。

同研究では、マンモグラフィを用いる3種類の検診戦略と米国における現在の検診実施状況を基にしたモデルとの比較を行った。

同研究の記事はAnnals of Internal Medicine誌2月4日号に掲載されている。

研究を行った著者らは、米国予防医療作業部会(U.S. Preventive Services Task Force、USPSTF)が2009年に作成したガイドラインを採用するよう呼びかけている。このガイドラインによると、50~74歳の女性への隔年の検診に加えて、40~49歳の女性に対しても他の危険因子の程度によっては検診を行い、75歳以上であれば他の疾患の有無によっては検診を行うというものである。

研究は、UCSFの外科・放射線医学教授で、乳癌分野の主導者として世界的に知られるLaura J. Esserman医師が主導した。

「USPSTFのガイドラインは、これまでに得られた最良の科学的研究結果に基づいています」 と、UCSF Helen Diller Family総合がんセンターCarol Franc Buck Breast Care Center責任者であるEsserman氏は述べる。

「われわれが現在必要としているものは、乳癌リスクを評価し、よりリスクに基づく検診を実施するための改善策です。現在の乳癌検診システムを用いれば、これらを実施するのが可能であることをわれわれはすでに明らかにしています。転帰に変化や改善をもたらすよう、それらを従来と異なる方法で使用する方法を習得しなければなりません」

著者らの推計によると、2010年に乳癌検診を受けた米国人女性は約70パーセント、費用は78億ドルであった。検診の頻度は、毎年、隔年または不定期であった。

研究者らは、乳癌検診の現状と3種類の模擬モデルを比較した。アメリカ癌協会(ACS)とその他多くの政策決定機構の推奨である40~84歳を対象とし、検診を毎年行うプログラムを85パーセントの対象者に実施した場合、年間で推計101億ドルの費用がかかる。

次に多くの欧州諸国で用いられているガイドラインに一致する50~70歳を対象として隔年の検診を行うプログラムを検診対象者のうち85パーセントに実施した場合の年間費用は推計26億ドル。そして、USPSTFの推奨に一致する検診方法では、検診率が85パーセントの場合、著者らの推計では年間35億ドルとなった。

「過去10年間、研究に研究を重ねてまさに明白になった事実とは、少数の明らかにリスクの高いグループ以外は、マンモグラフィによる隔年の検診は毎年の検診と同程度の効果があるということです」とEsserman氏は述べた。

「同時に、毎年の検診により偽陽性結果が増える可能性が高いため、女性の健康や生活の質に悪影響が及ぼされます。女性の健康という観点から見ると、USPSTFが推奨する検診方法は理にかなっています。

「われわれはさらに1歩前進し、乳癌予防のための助言などだけではなく、誰がどの種類の乳癌のリスクを持っているのかを知ることができ、いずれは検診開始年齢と検診実施間隔に応じたさらに進歩したテーラーメイド検診を提供できます」とEsserman氏は述べた。

筆頭著者であるCristina O’Donoghue医師(現在はイリノイ大学シカゴ校在籍、本研究時はUCSFにも在籍)は、効果の低いマンモグラフィ検診を行わないことにより削減される数十億ドルがあれば、女性の健康増進に用いることができると指摘している。

「われわれができることは、検診に参加する女性の数を増やし、乳癌リスクの評価基準やリスクの高い女性への照会サービスを改善し、乳癌の家族歴を持つ女性に対してさらに優れた遺伝カウンセリングを提供する事が可能です。また特に、マンモグラフィ画像診断の専門家が読影・診断するより高画質のマンモグラフィ画像に重点をおくことで、検診の質の向上が促進できます」とO’Donoghue氏は述べた。

「これらは医療財源をより賢く用いることにより得られると考えられる利益のほんの一部です」

本研究の共著者は、UCSFのMartin Eklund氏 、ダートマス大学のElissa Ozanne氏である。本研究は、カリフォルニア大学およびSafeway Foundationより支援を受けた。

 

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重森玲子訳
斎藤 博(検診研究部/国立がん研究センター) 監修
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原文

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