腫瘍径の小さいHER2陽性乳癌に対するパクリタキセル+ハーセプチン併用療法で再発リスク低下/ダナファーバー癌研究所 | 海外がん医療情報リファレンス

腫瘍径の小さいHER2陽性乳癌に対するパクリタキセル+ハーセプチン併用療法で再発リスク低下/ダナファーバー癌研究所

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腫瘍径の小さいHER2陽性乳癌に対するパクリタキセル+ハーセプチン併用療法で再発リスク低下/ダナファーバー癌研究所

2013年12月11日

腫瘍径の比較的小さいHER2陽性乳癌患者に対し、手術または放射線療法後に強度の低い化学療法と標的療法を併用した場合、治療後数年間の再発リスクが非常に低いことが新たな研究から分かった。本結果は、サンアントニオ乳癌シンポジウム2013にて、ダナファーバー癌研究所および他の研究施設の研究者らが報告する。

本研究結果が得られたことで、上記の特徴を有する患者グループの再発予防に対して、初めて一連の標準治療ガイドラインが定められる。リンパ節付近にまで拡がっていないHER2陽性乳癌への化学療法+標的療法に関するこれまでの研究では、比較的腫瘍径の小さい(直径3cm未満)患者の数は限られていた(乳癌では、細胞表面に過剰なヒト上皮成長因子受容体が認められる場合にHER2陽性とみなす。その場合、細胞は増殖・分裂シグナルに対して過剰に反応してしまう)。

「腫瘍径の小さい、HER2陽性リンパ節転移陰性(リンパ節に拡がっている徴候が認められない)乳癌は、再発リスクが十分高いと考えられており、医師の多くはそのリスクを下げるために、化学療法とハーセプチン(標的療法)の併用を推奨しています」と、本研究の上級著者で、ダナファーバー癌研究所のSusan F. Smith Center for Women’s Cancers内Women’s Cancers部門長を務めるEric Winer医師は言う。「しかし、本併用療法は、腫瘍径が小さい患者大人数を対象に試験した結果として採用されたわけではなく、こうした患者の再発を予防するための標準的アプローチはほとんど定められていませんでした」。

再発予防のための従来の薬剤レジメン(アドリアマイシン、タキソテール、カルボプラチン等+ハーセプチン)の副作用は毒性が強すぎる場合もあるため、今回研究者らはそれほど強力ではないパクリタキセル+ハーセプチンの併用化学療法を選択した。本研究には、HER2陽性、リンパ節転移陰性、腫瘍径3cm未満の乳癌患者406人が登録された。患者らは12週間の併用化学療法を受けた後、9カ月にわたってハーセプチン単独投与を受けた。

観察期間中央値3.6年で、乳癌再発またはそのほかの健康問題を起こしたのはわずかに2、3人であり、全体の2%以下であった。

「この研究結果から読み取れるのは、今回のような特徴を持つ多くの乳癌患者にとって、このレジメンが再発予防のための標準戦略の一つとして考慮されるべきだということです」と、Winer氏は述べている。

本試験の筆頭著者は、以下の通り:Sara Tolaney, MD, of Dana-Farber. Co-authors include William Barry, PhD, Beth Overmoyer, MD, Ann Partridge, MD, Hao Guo, Ian Krop, MD, PhD, and Harold Burstein, MD, PhD, of Dana-Farber; Chau Dang MD, and Clifford Hudis, MD, of Memorial Sloan-Kettering Cancer Center; Denise Yardley, MD, of the Sarah Cannon Cancer Center, Nashville, Tenn.; Beverly Moy, MD, of Massachusetts General Hospital; P. Kelly Marcom, MD, of Duke University; Kathy Albain, MD, of Loyola University; Hope Rugo, MD, of the University of California San Francisco; Matthew Ellis, MD, PhD, of Washington University; Iuliana Shapira, MD, of Hofstra North Shore Long Island Jewish School of Medicine; Antonio Wolff, MD, of Johns Hopkins Kimmel Cancer Center; and Lisa A. Carey, MD, of the University of North Carolina。

本研究は、Genentech社による支援を受けた。

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濱田 希 訳
原 文堅 (乳腺科/四国がんセンター) 監修
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原文

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