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より低侵襲な生検術により化学療法後のリンパ節残存乳癌を検出/メイヨークリニック

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より低侵襲な生検術により化学療法後のリンパ節残存乳癌を検出/メイヨークリニック

2013年10月7日

ミネソタ州ロチェスター ― 乳癌がリンパ節に転移したほとんどの患者では、化学療法後に癌残存の有無を確認するために腋窩リンパ節の大部分を切除する。メイヨークリニックの乳腺外科医であるJudy Boughey医師がAmerican College of Surgeons Oncology Groupを通じて主導した研究では、術前化学療法を受けたリンパ節転移のある乳癌患者の91%で、センチネルリンパ節生検として知られるより低侵襲な手法により、リンパ節に癌が残っているかどうかを確認することに成功した。センチネルリンパ節生検では、癌細胞を含む可能性が最も高いとみられる少数のリンパ節のみを摘出する。本知見はJournal of American Medical Association誌電子版にて発表される。

(マルチメディア情報(報道関係者向け): Boughey医師の動画およびインタビューはMayo Clinic News Networkにて視聴できます。)

「術前化学療法でリンパ節の癌が消失する患者がいることから、私たちは化学療法後にリンパ節に癌が残存しているかどうかの確認にセンチネルリンパ節生検が有効であるかどうかを評価することに関心をもちました」とBoughey医師は言う。「切除するリンパ節の数を抑えることで、しびれや腕の腫脹などの手術合併症のリスクが低下します」。

研究者らは初回治療として化学療法を受けたリンパ節転移陽性乳癌女性756人を対象に研究を実施した。試験参加者のうち637人が、センチネルリンパ節生検と腋窩リンパ節郭清の両方を受けた。患者の91%で、センチネルリンパ節生検により癌残存の有無が正確に確認され、うち255人がリンパ節転移陰性、382人が継続してリンパ節転移陽性であった。

また、患者の40%でリンパ節の癌が完全に根絶されたことが判明した。本試験における偽陰性率は12.6%で、センチネルリンパ節を同定するトレーサーを併用(青色色素および放射性コロイド)した場合の偽陰性率は、有意に低かった。さらに、3つ以上のリンパ節を切除した場合の偽陰性率は10%未満であった。Boughey医師は、術前化学療法を受けた患者の場合は特に、確実に正確な病期分類を行うために生検術の技術的要素が重要であると述べている。

Boughey医師は、患者の選択を適切に行えば、化学療法によってリンパ節の癌根絶に成功した患者における腋窩リンパ節の切除範囲を縮小することができるであろうと予測している。

本研究は、Alliance for Clinical Trials in Oncologyの一部門であるAmerican College of Surgeons Oncology Groupを通じ、米国国立癌研究所による資金提供を受けて実施された。

本研究のその他の著者は以下のとおりである。

Vera Suman, Ph.D., Mayo Clinic, Rochester; Elizabeth Mittendorf, M.D., MD Anderson Cancer Center; Gretchen Ahrendt, M.D., Magee-Women’s Surgical Associates; Lee Wilke, M.D., University of Wisconsin, Madison; Bret Taback, M.D., Columbia University Medical Center; M. Leitch, M.D., University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas; Henry Kuerer, M.D., M.D. Anderson Cancer Center; Monet Bowling, M.D., Indiana University; Teresa Flippo-Morton, M.D., Carolina’s Medical Center, Charlotte; David Byrd, M.D., University of Washington Medical Center, Seattle; David Ollila, M.D., University of North Carolina-Chapel Hill; Thomas Julian, M.D., Allegheny General Hospital, Pittsburgh; Sarah McLaughlin, M.D., Mayo Clinic, Jacksonville; Linda McCall, Duke University Medical Center; W. Symmans, M.D., MD Anderson Cancer Center; Huong Le-Petross, M.D., MD Anderson Cancer Center; Bruce Haffty, M.D., The Cancer Institute of New Jersey; Thomas Buchholz, M.D., MD Anderson Cancer Center, Heidi Nelson, M.D., Mayo Clinic, Rochester; and Kelly Hunt, M.D., MD Anderson Cancer Center.

Alliance for Clinical Trials in Oncology(癌臨床試験同盟)は、米国国立癌研究所が支援する国立臨床試験ネットワークであり、米国内およびカナダの病院、医療センター、地域診療所の癌専門家およそ1万人のネットワークで構成されている。この同盟は、新規の有望な癌療法の臨床試験の計画と実施に貢献し、癌の最適治療と予防における戦略の発展、および癌と癌治療の副作用を軽減する方法の探索に、科学の粋を結集させている。本同盟の詳細な情報については、http://www.allianceforclinicaltrialsinoncology.org/main/を参照ください。

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吉田 文 訳
原野謙一(乳腺科・婦人科癌・腫瘍内科/日本医科大学武蔵小杉病院) 監修
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原文

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