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進行癌患者の終末期ケア/Choosing Wisely

  • 2013年12月6日

    支持療法を選択するのはいつか

    癌に罹患してさまざまな治療を受けても効果がなかった時、治療をやめる時期が来たと悟るのはとてもつらいことです。最善の治療を行ったにもかかわらず、それでも癌の進行が抑えられない場合もあります。事実を受け入れるのはつらいですが、その時、抗癌治療をやめ、痛みから解放され、穏やかに過ごせるようなケアを受けることが一番よい選択である場合もあります。

    ここでは抗癌治療をやめて終末期ケアに専念する時期をどのように知るのかを説明しています。これを参考に、さまざまな選択肢を主治医と話し合い、最善のケアを選んでください。

    癌は初めて治療をしたときに最もよく反応する

    初めて癌治療を受ける時には、治療で癌細胞がなくなり、再発することはないだろうという期待があります。しかし、もし治療を受けているにもかかわらず、腫瘍が増殖し続ける場合、さらに治療を受けてもよくなる見込みはあまりありません。

    これは特に、乳癌や大腸癌、肺癌、肉腫といった固形腫瘍についていえることです。医師はこれらの癌が時間とともにどのように増殖するのかまたは縮小するのか、またどのように治療に反応するのか大変よく知っています。医師は治療に治療を重ねても効果が少ないことや、効果がないこともあるということを経験から知っています。

    治療を継続しても効かなくなるのはいつか

    3種類の異なる治療を受けても癌が進行や転移を続けた場合、たいていは、治療を継続することでよくなったり余命が伸びる可能性が高くなったりすることはないでしょう。逆に、治療を続けることで重篤な副作用が現れ、むしろ余命が短くなり、残された時間の生活の質を落としてしまう可能性があります。

    それでも、たとえ治療でよくなるという可能性はほとんどないとしても、ほぼ半数に近い進行癌患者が化学療法を受け続けます。その結果、不必要に苦しい経験をすることになるのです。

    治療をいつやめるかをどのように知るか?

    患者にとっても医師にとっても癌治療をやめることについてや支持療法に専念することについて話をするのは容易ではないでしょう。患者自ら話を切り出す必要があるかもしれません。医師は、患者がどの程度自分の癌について知りたがっているのかを常にわかっているわけではないからです。しかし、患者が質問すれば、医師ははっきりと答えてくれるはずです。

    自分の癌がどのくらい進行しているのか理解する必要があります。主治医に癌の進行度やどれくらい転移しているのか尋ねて下さい。また、自分の予後や余命について知ることが大切です。誰も余命があとどれくらいなのか正確に言うことはできませんが、主治医はそれが何カ月なのかそれとも何年なのかを教えてくれるはずです。

    さらに、癌治療を継続することで、余命が伸びる可能性があるのか知る必要があります。主治医にお願いしてどのような治療についても、リスクと利点を説明してもらいましょう。そうしないと、治療を継続することが最善ではないのに癌と闘い続けなければならないと思ってしまうことでしょう。

    既存の治療法が効かなくても、治療を継続したいという場合もあり、その時は臨床試験に参加できます。臨床試験というのは新しい試験的な治療法です。主治医に臨床試験に参加するのに適格であるかどうか尋ねてみましょう。またはwww.clinicaltrials.gov.をご覧ください。

    治療を継続しないと決めたならば、その時が支持療法について話し合う時になります。

    支持療法により生活の質を向上させる

    終末期近くのケアを支持療法またはホスピスケアといいます。これは終末期の身体的、精神的、さらには精神的な要求に対するケアです。これは癌そのものを治療するのではなく、痛みやそのほかの症状から解放するのに役立ちます。またこの治療法を用いれば残された時間を家族とできる限り一緒に過ごすことができます。

    ホスピスケアは自宅でも、ホスピスケア施設や病院でも受けることができます。このケアにはたとえば次のような多くのサービスがあります。

    ◾医師と看護師によるケア
    ◾痛みの処置
    ◾理学療法、言語療法
    ◾悲しみに対する家族や友人へのカウンセリング
    ◾ソーシャルワーカーによるサービス
    ◾介護をする人たちの一時的休息のためのレスパイトケア

    ホスピスケアを受けるのに適した時期はいつか

    もはやいずれの治療も効かなくなった時、米国臨床腫瘍学会(ASCO)はホスピスケアに移行することを勧めています。それは次にのべるような時です。

    ◾主治医が余命6カ月と判断した時
    ◾他の有効性が実証されている治療法がない時
    ◾自分で自分のことができず、ほとんどの時間を座ったままか、寝て過ごすようになった時

    コンシューマー・リポートによる助言
    主治医に尋ねるべき質問
    どれくらい自分の癌について知りたいのか、そして終末期ケアについて話し合う心構えができるのはいつか主治医に知らせましょう。

    次のことを主治医に尋ねてください。

    ▪さらに治療を続けた場合、どれくらい生きることになるのでしょうか。もしこれ以上治療を受けなかったらどうなるのでしょうか。

    ▪治療を続けることの目的は何ですか。治療により癌の進行が抑えられたり、遅らせたりできますか。それとも症状をコントロールするのに有効なのでしょうか。

    ▪症状や副作用に対処する最善の方法は何ですか。

    ▪生活の質をよりよくするために自分自身でできることがありますか。

    ▪ホスピスケアについて知っている誰かに会うべきですか。

    ホスピスケアについて詳しく知りたい場合、次のことを参考にしてください。

    ▪主治医にホスピスの紹介をしてもらって下さい。または以下をご覧ください。
    http://www.cancer.net/coping/end-life-care/hospice-care

    ▪ホスピスについて相談したからといって、必ずしも入る必要はありません。ホスピスケアを受けることを決めたとしてもいつでもやめることができます。

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    2012年コンシューマー・リポート。本サイトは米国臨床腫瘍学会の協力を得て作成しました。記事の出典や記事中の用語およびその使い方についてはConsumerHealthChoices.org/about-us/をご覧ください。2012年9月

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    楳田典子 訳
    東 光久(血液癌・腫瘍内科領域担当/天理よろづ相談所病院・総合内科) 監修
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