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進行性前立腺癌において骨関連の副作用リスクがデノスマブにより低下

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進行性前立腺癌において骨関連の副作用リスクがデノスマブにより低下

Denosumab Reduces Risk of Bone Side Effects in Advanced Prostate Cancer
(Posted: 04/13/2011)
– 2011年2月25日付Lancet誌電子版によれば、生物薬剤であるデノスマブ(Xgeva)は去勢抵抗性前立腺癌男性の骨折や他の骨関連事象(SRE)のリスク低減に関してはゾレドロン酸よりも有効性が高い。(Cancer Bulletin 2011年3月8日号(日本語訳)より転載)

1,904人を対象とした第3相ランダム化臨床試験の結果によれば、去勢抵抗性前立腺癌の男性において骨折や他の骨関連事象(SRE)のリスクを低減することに対し、生物薬剤であるデノスマブ(Xgeva)はゾレドロン酸よりもさらに有効であるとの結果が出た。この試験結果を一つの根拠として、2010年、固形癌患者におけるSREのリスクを低減する目的のため、FDAはデノスマブを承認することとなった。(デノスマブは骨折リスクの高い閉経後女性に対し骨粗鬆症の治療にも承認されており、その適応症に対しProliaの商品名で販売されている。)デノスマブの製造会社であるAmgen社の資金援助で行われた臨床試験の結果は、2月15日付けLancet誌電子版で報告された。

この臨床試験の参加者らは、今までにビスフォスフォネートによる治療を受けたことがなかった。ビスフォスフォネートはゾレドロン酸を含む薬物群で、進行性前立腺癌の男性に対しSREを予防するための現在の標準治療となっている。SREとは、骨折、脊椎圧迫の発症、あるいは骨痛を緩和するための放射線療法または手術を施行することとして定義されている。デノスマブを投与された男性は、ゾレドロン酸を投与された男性と比較して最初のSREが確認されるまでの平均期間が18%長かった(20.7カ月対17.1カ月)と、試験を率いたDr.Karim Fizazi氏らは報告した。デノスマブによる治療は無増悪や全生存期間のどちらにおいても改善に関与していなかった。

副作用の発生率やタイプは、両治療群どちらも類似していた。顎の骨破壊や骨死(骨壊死)はデノスマブ投与群で多く認められたが、リスクの増大は統計学的に有意ではなかった。

ゾレドロン酸は静脈内に投与せねばならず、急性アレルギー反応や腎機能への障害など重篤な副作用の可能性があると、研究者らは述べた。「こういった制限はデノスマブにはない」と記している。

試験の結果は「転移性の去勢抵抗性前立腺癌男性の治療における画期的な出来事とはまだなっていない」と、ジョージワシントン大学のDr.Jeanny B.Aragon-Ching氏は関連論評で記している。しかし続けて同氏はこの結果により、癌治療におけるデノスマブの臨床での使用や影響について多くの問題提起がなされたと述べている。例えば、デノスマブはゾレドロン酸よりかなり高価であるため、Aragon-Ching氏は、最初のSRE発症までの時間が、ゾレドロン酸よりわずかに長くかかるというだけで「特に生存や予後の有益性がない場合に、ゾレドロン酸よりもデノスマブの選択が正しいとするのに臨床的な意味が十分あるかどうか」という疑問を提起した。

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山下 裕子 訳
後藤 悌(呼吸器内科/東京大学大学院)監修
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