初期前立腺癌の画像検査/Choosing Wisely | 海外がん医療情報リファレンス

初期前立腺癌の画像検査/Choosing Wisely

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初期前立腺癌の画像検査/Choosing Wisely

必要なとき、不要なとき

前立腺癌を治療するためにできることは何でもしたいと考えるのはごく当然のことです。しかし、受けられる検査をすべて受けるというのは必ずしも名案ではありません。検査は不要かもしれず、検査のリスクがメリットを上回るかもしれないのです。

ここでは、初期の前立腺癌と診断された際に、癌の専門家が一部の画像検査を推奨しない理由について説明します。治療や検査の選択肢について主治医と話し合い、最善の選択をするためにこの情報をお役立てください。

前立腺癌は通常どのようにして見つかりますか

前立腺癌は男性の前立腺に発生する癌です。通常、癌の増殖は遅く、進行するまで無症状のこともよくあります。ほとんどの場合、医師による直腸診または血中PSA検査により初期の段階で診断されます。PSAは前立腺が産生するタンパク質で、PSA値が高い場合は前立腺癌が疑われます。

いずれかの検査で前立腺癌が疑われた場合、追加して検査を受けることになります。それらの検査結果から、本当に癌であるのか、癌ならばどの段階なのかを医師が判断します。

前立腺癌のステージ(病期分類)とは

前立腺癌はステージ1から4までに分かれます(ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)。このステージは癌がどこまで進行しているかを示すものです。

ステージⅠおよびⅡは初期前立腺癌とされます。癌は前立腺の外まで拡大していませんが、ステージⅡの癌ではステージⅠよりも時間の経過とともにさらに進行する可能性が高くなります。ステージⅢおよびⅣではすでに他の部位に拡大した状態です。

前立腺癌のステージ分類にはどんな検査をしますか
前立腺癌のステージを決めるもっとも簡単でリスクの少ない方法は前立腺の組織サンプルを採取して癌細胞の検査をすることです。生検と呼ばれています。

生検の結果、あなたが初期の前立腺癌であると判明した場合、通常それ以上の検査は必要ありません。癌が前立腺の外に拡大している可能性は低いです。

前立腺癌のステージ分類にすべての画像検査を受ける必要はありません。

画像検査では、体内の写真を撮影します。CT、PET、骨スキャンなどの画像検査ではどこまで癌が拡大しているかがわかります。画像検査で癌が転移していないことを確認すれば安心だとお考えになるかもしれません。しかし、初期の前立腺癌で他の臓器に転移していることは極めて稀です。主治医は、グリーソンスコアやPSA値から癌が転移している疑いがある場合のみ画像検査を行います。

画像検査はリスクを伴う

画像検査で最大のリスクは放射線への曝露です。放射線照射の影響は一生積み重なっていきます。放射線を使う検査を多く受ければ癌のリスクが高まります。

また、画像検査では「偽陽性」となる場合があります。これは、検査の結果、何かしらの異常があるように見えるけれども、後の検査で何の問題もないと判明する場合を指しています。偽陽性の結果、ストレスがかかったり、余計な検査や治療を受けることになりかねません。

高額な画像検査

画像検査は高くつきます。治療費に数千ドルもの上乗せとなります。必要がないのなら、お金をかけなくてもいいですね?

どんなときに画像検査を受けるべきか

グリーソンスコアが7以上でPSA値が10ng/mLを超えている場合、癌が転移している可能性があります。このような場合、主治医はCT、PET、骨スキャンなどの検査を指示し、前立腺癌以外の部位に癌が転移していないかを確認します。主治医がこれらの検査を薦めない場合は理由を尋ねてみましょう。

コンシューマー・リポートによる助言

主治医に尋ねるべき質問

新たに前立腺癌と診断されたら、癌のステージを決めるためにどのような検査をするか主治医に聞いてみましょう。治療法を決めていくのにそれらの検査がどのように使われるか、しっかりと理解しましょう。一部の医師は、癌が転移している可能性が非常に低い場合でも前立腺癌患者全員に画像検査を指示することがあります。

次のことを主治医に尋ねてください。

■グリーソンスコアとPSA値はどうだったか。

■その数字から、癌のステージはどうか。転移しているのか。

■なぜCT、PET、骨スキャンを受けるよう勧めるのか。癌が初期段階の場合、それらの検査でわかることは何か。

■治療法を決めていくのにそれらの検査をどのように使うのか。

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この記事は医療チームと相談する際にお役立ていただくためのものです。医療上の提言や治療に代わるものではありません。この記事はご自身の責任においてご活用ください。
2012年コンシューマー・リポート。本サイトは米国臨床腫瘍学会の協力を得て作成しました。記事の出典や記事中の用語およびその使い方についてはConsumerHealthChoices.org/about-us/をご覧ください。2012年9月

 

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橋本仁 訳
榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)監修
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原文

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免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

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