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がんと栄養

がんと栄養 (患者向け)

原文掲載日: 8/15/2013

キーポイント

  • バランスよく十分な栄養を摂ることはがん患者にとって大切です。
  • がん治療中には、健康的な食習慣が大切です。
  • がんは体が食物を利用する方法を変えることがあります。
  • がんやがん治療は栄養摂取に影響を及ぼすかもしれません。
  • 食欲不振と悪液質(衰弱や栄養失調によるさまざまな症状)はしばしばがん患者が栄養障害になる原因です。
  • がんやがん治療によって起こる体重減少に対処するのは、重要なことです。

 

十分な栄養摂取はがん患者にとって大切です

栄養摂取とは本来、成長のために食物を体内に取り込んで利用し、体を健康に保ち、体の組織を入れ替える過程です。よい栄養摂取は健康であるためには大切なことです。適切な種類の食物をがんの治療前、治療中、治療後に食べることによって患者は気分よく、より生き生きと過ごすことができるのです。健康によい食事とは、体が必要とする重要な栄養素(ビタミン、ミネラル、タンパク質、炭水化物、脂肪、水)を含む飲食物を十分食べ、飲むことです。

体が健康のために必要な栄養素を得なかったり吸収できなかったりすると、栄養障害または栄養不良と呼ばれる状態になります。

このサマリーは、成人のがんの方の栄養摂取についてです。

 

がん治療中には、健康な食習慣が大切です

栄養療法は患者が体重と体力を維持し、体の組織を正常に保ち、感染に抵抗するために必要な栄養素を摂取することをサポートするために行われます。がん患者にとってのよい食習慣とは、通常の健康な食事のための指針とはかなり違う傾向があります。

よい栄養と健康な食習慣を持つことで患者はがんやがん治療から受ける影響に対処しやすくなります。患者が栄養がよく行き届いた状態であり、食事から十分なカロリーとタンパク質を摂取している場合、がん治療がより効果がある場合もあります。栄養状態のよい患者は予後(回復の見込み)や生活の質が向上する可能性があるのです。

 

がんは体が食物を利用する方法を変えることがあります

腫瘍の中には体がある種の栄養素を使う方法を変える化学物質を作るものがあります。タンパク質、炭水化物、脂肪といった栄養素が、とりわけ胃や腸にできた腫瘍によって影響を受ける可能性があります。患者は十分食べているように見えるかもしれませんが、患者の体の方は食べた物から得られるすべての栄養素を吸収することができていないかもしれないのです。

 

がんやがん治療は栄養摂取に影響を及ぼすかもしれません

多くの患者はがんそのものやがん治療による影響で満足に食べることが困難になってしまいます。栄養摂取に影響を与えるがん治療には以下のものがあります:

  • 手術
  • 化学療法
  • 放射線療法
  • 免疫療法
  • 幹細胞移植

 

頭部、頸部、食道、胃、腸ががん治療で影響を受けると、健康を維持するのに十分な栄養素を摂取するのはとても大変です。

食べることに影響を与えるがんの症状やがん治療の副作用には以下のものがあります。 :

  • 食欲不振(食欲がなくなること)
  • 口内炎
  • 口渇
  • 嚥下困難
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 疼痛
  • うつ状態
  • 不安

 

がんやがん治療は味覚、嗅覚、食欲、そして十分な量の食物を食べる、あるいは食物からの栄養素を吸収する能力に影響を与える可能性があります。これは患者が栄養障害(重要な栄養素が欠乏することにより起こる状態)になる原因となります。栄養障害になると患者は衰弱し、疲労し、感染症と戦うことができなくなったり、がんの治療を最後まで続けられなくなってしまいます。がんが増殖、または転移した場合には栄養障害は悪化するかもしれません。ほんの少量のタンパク質とカロリーしか摂取しないことはがん患者に非常によく起こる問題です。十分なタンパク質とカロリーを摂ることはがんを治し、感染に抵抗し、エネルギーを補給するためにとても大切なことなのです。

 

食欲不振と悪液質はがん患者が栄養障害になるよくある原因です

食欲不振(食欲や食べたいという気持ちが失われること)はがんのかたによくみられる症状です。食欲不振はがんの早い時期に起こるかもしれないし、がんが増殖、転移した場合はそれから起こることもあります。患者のなかにはがんと診断されたときにはすでに食欲不振に陥っているかたもいます。ほとんど全員の進行がんの患者に食欲不振がみられます。食欲不振はがん患者は栄養不良になる最もよくある原因なのです。

悪液質とは食欲不振や体重減少、筋肉量の減少、全身の脱力感を特徴とする状態で、肺、膵臓、上部消化管に腫瘍がある患者によくみられます。悪液質は治すのが難しいため、がん治療中は早い時期から警戒し、治療することが大切です。

がん患者には食欲不振と悪液質が同時に起こるかもしれません。体重減少の原因はカロリー摂取の減少か、カロリーの消費増大か、あるいは両方の場合もあるのです。

 

がんやがん治療による体重減少に対処することは大事です

食べることに影響を及ぼし、体重減少の原因となるがんの症状や副作用は早く対処することが重要です。栄養療法と薬物療法はどちらもがん患者が適切な体重を維持するのに役立ちます。薬物療法は以下の目的で使われます。:

  • 食欲を増進させる
  • 食べた物の消化を助ける
  • 胃腸の筋肉を収縮させる(食べた物を送り出す)
  • 吐き気や嘔吐を予防、治療する
  • 下痢を予防、治療する
  • 便秘を予防、治療する
  • 口腔に関する症状(口渇、感染、痛み、口内炎など)を予防、治療する
  • 疼痛を予防、治療する

 

詳しい情報は「がんケアにおける栄養療法」と「症状の治療」の項をご覧ください。(訳注:英語での記事になります)

 

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楳田典子 訳
朝井鈴佳(獣医学・免疫学) 監修
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