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前立腺癌の男性は、健康によい植物性脂肪を/カリフォルニア大学サンフランシスコ校

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前立腺癌の男性は、健康によい植物性脂肪を/カリフォルニア大学サンフランシスコ校

UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)の研究によると、オリーブ油とナッツの摂取で生存率が上がる可能性

2013年6月10日Elizabeth Fernandez

前立腺癌と診断された男性は、食事を少し変えるだけで生存率が有意に改善することが、UCSFによる新しい研究で明らかになった。

本研究によると、当疾患の男性において、オリーブ油やキャノーラ油、ナッツ、種子、アボカドのような、健康によい植物性脂肪を動物性脂肪や炭水化物の代用とすることで、致命的な前立腺癌に進行するリスクや、他の原因で死亡するリスクが著しく低下する。

非転移性前立腺癌の男性約4600人が参加した本研究は、当疾患の男性のための食事のガイドライン開発に役立つであろう。

前立腺癌は、世界中の何百万人という男性に影響を与えている一方、診断後の患者らの食事と疾患の進行との関係はあまり知られていない。

本研究は、オンライン上で6月10日のJAMA Internal Medicine誌に発表された。

「健康的な油やナッツの消費は、血漿中の抗酸化物質を増加させる一方インスリンや炎症を減少させます。それによっておそらく前立腺癌の進行が阻止されるのでしょう」とUCSF疫学および生物統計学科の博士研究員であり筆頭著者であるErin L. Richman,(ScD)氏は述べた。

「心臓血管系への不飽和脂肪の有益な効果と、飽和およびトランス脂肪の有害な影響はよく知られています」とRichman氏は述べた。

「今回の私たちの研究によって、不飽和脂肪を摂取することは、前立腺癌を患う男性においても有益であることが示されました。」

多様な原料からの脂肪摂取量分析

米国では、現在約250万人の男性が前立腺癌であり、今年さらに25万人が前立腺癌と診断されることが予想される。

米国では6人の男性に1人が当疾患と診断されることになる。

近年、前立腺癌の男性にとって、食事がその疾患の予後や全体的な健康状態を決定する上で、重要な役割を果たすことがエビデンスによって示唆されてきた。

進行性前立腺癌に関する研究は、脂肪の摂取量が疾患の進行に関連しうることを示唆してきた。しかしながら、今回の研究は、診断後の脂肪消費と致命的な前立腺癌や全生存のリスクとの関連性を検討した初めての研究である。

この新しい研究では、動物や植物からの脂肪と同様に飽和、不飽和、多価不飽和およびトランス脂肪の摂取量を分析した。

データは、男性医療従事者の疫学研究(the Health Professionals Follow-up Study)-これは、1986年に始まり、ハーバード大学公衆衛生学部が主催し、米国国立癌研究所が資金提供している―によって得られたものである。

脂肪摂取量の調査には、1986年から2010年の間に非転移性前立腺癌と診断されていた4577人の男性が参加した。

研究期間中に、1064人の男性が主に循環器疾患(31%)、前立腺癌(21%)およびその他の癌(約21%)によって死亡した。

筆者らは以下のような特筆すべき利点を明らかにした。

1日の総カロリーの10%を健康的な植物性脂肪と炭水化物に置き換えた男性らは、致命的な前立腺癌を発症するリスクが29%低下し、その他すべての原因による死亡のリスクが26%低下した。

健康に良い脂肪の潜在的な利点についての今後の研究課題

オイルベースのドレッシングをテーブルスプーン1日1杯追加することによって、致命的な前立腺癌のリスクは29%、死亡のリスクは13%低下することを著者らは発見した。

そしてナッツを1日1オンス追加することによって、致命的な前立腺癌のリスクは18%、死亡のリスクは11%低下した。

本研究では、年齢、治療の種類、体格指数、喫煙、運動や他の食事因子、前立腺癌の診断および他の健康状態の時の高血圧、コレステロールのような因子は調整されている。

研究者らは、前立腺癌の患者らの間で健康的な脂肪の潜在的な利点についてさらなる研究が必要であると述べている。

「全体的に、あらゆる要因による死亡のリスクを軽減するために、炭水化物のカロリーを不飽和油やナッツに置き換えた、心臓にやさしい食事をするよう前立腺癌の男性らにカウンセリングすることを、私たちの調査結果は支持している」とRichman氏は述べた。

総括著者は、UCSFの疫学および生物統計学科と泌尿器科教授であるJune M. Chan,(ScD)である。

共著者は、UCSF泌尿器科非常勤准教授であるStacey A. Kenfield,(ScD)らである。

本研究は、ハーバード大学公衆衛生学部、ハーバード大学医学部およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院の共同研究者らで行われた。

本研究は、米国国立衛生研究所(助成金CA141298、CA112355、CA055075、CA133891、CA098566)、米国国防総省(助成W81XWH-11-1から0529)および前立腺癌財団によって支援された。

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伊藤 実花 訳
朝井鈴佳(獣医学・免疫学) 監修
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原文

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