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新たな2剤併用療法が卵巣癌に効果/ダナファーバー癌研究所

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新たな2剤併用療法が卵巣癌に効果/ダナファーバー癌研究所

2013年7月2日

タグ:乳癌、卵巣癌、婦人科癌

ダナファーバー癌研究所の科学者らが実施したこの種の治療で初の臨床試験によると、新たな二種類の抗癌剤の組み合わせが有望な効果を示し、毒性も管理可能であった。

ダナファーバーのJoyce Liu医師兼公衆衛生学修士およびUrsula Matulonis医師率いる研究者らは、進行卵巣癌およびトリプルネガティブ乳癌を対象にPARP阻害剤と血管新生阻害剤の併用療法を実施した結果、卵巣癌患者で61%の臨床的有用率が達成されたと述べた。少数の進行乳癌患者では、併用療法の効果はこれより低かった。

この報告はEuropean Journal of Cancerの電子版に掲載された。

「この研究は、PARP阻害剤と血管新生阻害剤の併用では毒性が管理可能であり、卵巣癌患者に明らかな臨床効果があることを示しています」とダナファーバーおよびブリガム・アンド・ウィメンズがんセンターのSusan F. Smith Center for Women’s Cancersで婦人科腫瘍専門医を務めるLiu医師は述べた。

「臨床的有用率」とは、完全奏効(画像上癌が認められなくなる)、部分奏効(腫瘍が30%以上縮小)または疾患の6ヵ月以上の安定のいずれかがみられた進行癌患者の割合を指す。

卵巣癌患者のうち1人に完全奏効、7人に部分奏効が認められ、奏効率は44%であった。さらに、3人が24週間以上の安定を示した。乳癌患者では2人が24週間以上の安定を示したものの、臨床効果を達成するには至らなかった。

「試験は2010年4月に始まりました。一部の患者で非常に良い結果が得られ、数人が2年間の試験参加後も治療を継続しています」とLiu医師は述べた。試験は薬剤のさまざまな用量の毒性プロファイルを評価し、臨床効果の徴候を確認することを目的としてデザインされたが、全生存期間は評価されなかった。

患者は疲労、高血圧および下痢などの顕著な毒性を発症した。Liu医師によれば、これらの症状は投薬や必要に応じた減量によってコントロールできた。「副作用は、2剤のいずれかを単独投与した場合に発現が予想される極めて代表的なものでした」とLiu医師は付け加えた。

第1相試験は乳癌患者20人および腫瘍がエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびHER2/neu受容体を発現していないトリプルネガティブ乳癌患者8人を対象とした。患者はPARP阻害剤のオラパリブ(olaparib)と血管新生阻害剤のセジラニブ(cediranib)の2剤を錠剤で毎日服用した。PARP阻害剤は癌細胞内の修復タンパク質の活性を阻害し、癌細胞の自己破壊を引き起こす。Cediranibは、腫瘍に新たな血管を形成させて急速な増殖を促すタンパク質、VEGFを阻害する。すなわち、血管新生阻害剤は新たな血管形成を防ぐよう設計されている。

PARP阻害剤にもいくつかの抗血管新生作用があり、癌に対するこれら2種類の薬剤の相乗効果が示唆される。本試験は、この考えを乳癌および卵巣癌に特化して確認するようデザインされた最初の試験である。本試験は二つのパートから成り、次の段階は、再発卵巣癌の治療においてこの2剤併用療法がolaparibによる単剤療法よりも優れているかどうかを検討する第2相試験である。

「この併用療法がPARP阻害剤による単剤療法よりも優れているかどうかを問う必要があります。私たちは、現在実施中の第2相試験でこれを確認できると期待しています」とLiu医師は述べた。

本研究の他の著者は、ダナファーバー、マサチューセッツ総合病院、ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター、シカゴ大学および米国国立衛生研究所(NIH)に所属している。

本研究はNIHの助成金3 UO1 CA062490-16S2による支援を受けた。

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原 恵美子 訳
勝俣範之(腫瘍内科、乳癌・婦人科癌/日本医大武蔵小杉病院) 監修
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原文

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