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治療が終了した後に-がんリスクを低下させること

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治療が終了した後に-がんリスクを低下させること

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 翻訳更新:2013年10月8日

 

がんリスクを低下させるために

 間違いないと保証できるわけではありませんが、検診を受けたり、生活スタイルを一部変更したりすることが、健康を維持し、がん発症のリスクを低減できることにつながる場合があります。健康を維持するうえで必要とされることをあなた本人が実践したいとの旨を主治医に申し出たり、あるいは、健康を維持するうえであなた自らが現在実践していることについて主治医に伝えたりしましょう。

 

あなたの健康を最大限維持するうえで、できることがあります:

  •  方箋調剤や予防薬を服用すること
  •  必要とされる予防接種を受けること
  •  定期的な歯科検診および治療を受けること
  •  視力および聴力検査を定期的に受けること
  •  インフルエンザをはじめ、各予防接種に関して医療専門家に相談すること
  •  担当の医療チームの助言に従って運動すること

 

現時点で分かっているがんをもたらすとされるリスク要因を避ける

以下に列記するがんをもたらすとされるリスク要因を避けることが推奨されます:

  •   ベンゼン、アスベスト、ニッケル、カドミウム等の特定の化学物質および有害物質への曝露
  •   ラドンガスにさらされやすい環境。高濃度のラドンが呼吸器系に取り込まれると、肺がんを発症するリスクが高まります。短期および長期にわたるラドン濃度を測定する検査を受けることで、自宅が高濃度のラドンに曝されているかどうかを知ることができます。
  •  特定のホルモン治療
  • 紙巻きタバコや無煙タバコを含むタバコ製品の使用ならびに副流煙にさらされること
  • アルコール飲料の過剰な摂取、特に喫煙者によるアルコールの摂取
  •  感染を避けるための手段を講じること無く行う性行為を通じたHIVやHPV等のウイルスへの感染のリスク
  •  胸部、食道、腹部、結腸、直腸、肝臓、膵臓、肺、膀胱および腎臓の各部位におけるがんの発症リスクを高めるおそれのあるアルコール飲料の過剰な摂取

 

適正な体重を維持するために活動的な生活スタイルおよび健康的な食生活を心がけましょう

専門家の報告によると、週に3度運動するだけでも、健康状態の改善に効果があるとしています。運動によって、ストレスが軽減され、活力を生み、適正体重の維持につながるとされています。身体的活動としては、ゆっくりとしたストレッチから、ウォーキング、ランニング、サイクリング等までさまざまなものが含まれます。生活スタイルを何ら変更しなくとも、適正体重を維持することで、がんの発症リスクを約10%軽減することができるのです。過体重もしくは肥満の状態を因子とするがんの症例は、男性においては全体の14%、女性については20%を占めると推定されています。

過体重の状態は、糖尿病、心臓病、脳卒中および特定のタイプのがん等の疾病のリスクを高めるおそれがあります。上記に加えて、赤身肉等の特定の食品の摂取とがんを含む特定の疾病との間に一定の関係性がみられるとする研究も一部あります。全般的な助言として、脂肪分の摂取を控えて、果物、野菜、ナッツ類、豆類ならびに胚芽および皮を取り除いていない穀物を含む食事を取って下さい。あなたにとって最適な食事がどのようなものかについて、担当の医療チームあるいは栄養士にご相談ください。

  

糖尿病は、がんの発症リスクに影響を及ぼすのですか?

糖尿病患者であっても、同疾患を適切にコントロールしている方は、がんの発症リスクを大幅に軽減することができます。一方で、糖尿病を適切に管理できていない場合、同疾患によってがんが引きおこされる可能性があることが分かっています。糖尿病を適切にコントロールできていない場合、膵臓がんのリスクが50%も高まるとされています。膵臓がん以外にも糖尿病によって結腸がんのリスクは43%高まり、また、直腸癌の相対的リスクは11%高まるとされています。これまでの研究により、糖尿病を適切にコントロールできていない場合、乳房、肝臓、腎臓および子宮の各部位におけるがんのリスクが高まる可能性があることが示唆されています。

糖尿病に罹患している方は、同疾患を適切に管理することでがんの発症リスクを軽減させましょう。あなたに合った最適な糖尿病管理プログラムについては、主治医にご相談ください。

 

紫外線を浴びることで、がんの発症リスクはどのように影響するのですか?

太陽からの紫外線(UV)を浴びることは、皮膚がんのなかでも最も一般的にみられる3タイプのがん、すなわち基底細胞がん、扁平上皮がんおよび黒色腫を引き起こすおそれのある危険因子とされています。UV照射については、太陽への曝露の他、舗装道や積雪などの表面からの照り返し、太陽灯や日焼け用ベッドを使用することも大量の放射線を浴びることで、皮膚がんのリスクが高まるおそれがあります。UV照射によって、皮膚や目に損傷を受け、老化を早めたり、あるいはがんを引き起こしたりするおそれがあります。色白の方は特に、長期間または高頻度に紫外線を浴びることで皮膚がんを発症するリスクが高いといえます。

紫外線によるがん発症リスクを軽減するためには、日光阻止因子係数(SPF)が最低でも15以上で、UV-AとUV-Bの両方とも遮断する日焼け止め剤を使用することをおすすめします。UVによる損傷は、午前中の半ば以降から午後の遅い時間帯の間に最も多くみられます。屋外にいる時は、紫外線から身を守るため、衣服や帽子を着用して下さい。加えて、UV-AとUV-Bの紫外線を99~100%カットするサングラスを着用することで、目を保護してください。

 

X線およびCT検査

 X線やコンピュータ連続断層撮影走査法(CT検査)などの検診による放射線から、何らかの損傷を被るおそれは一般的に低いとされています。ほとんどの場合、このような検診を受けることでもたらされる利益は通常、被るおそれのあるリスクを上回っているのです。しかしながら、このような検診を繰り返し受けることで、がんが引き起こされる可能性が高まる場合も考えられます。

最近の推定では、医療用X線検査による放射線照射を直接的な原因とするがんの発症例は、全体の2%ほどであるとしています。X線検査による高線量の放射線被曝、およびX線検査を繰り返し受けることで、全般的ながんのリスクが高まることが一般的に知られています。

CT検査とは、X線を使用して体の内部の断面図を見ることのできる画像検査です。CT検査によるがんの発症は、新たに発症したがん全体のうち少なくとも2%であると推定されています。ほとんどの場合、臨床上非常に重要な情報を得る目的でCT検査が行われますが、その一方で、一部の必要性がないCT検査も依然として行われているのが現状です。医療上必要性が認められる場合に限りCT検査による検診を行うよう、主治医に確認しておく必要があります。

 

 

がん検診および検査について

がん検診とは、がんの有無を調べたり、あるいは症状の現れていない者を対象に、がんを発症しうる条件がみられるかどうかを調べたりするものです。さまざまなタイプのがんを対象とする検診および検査において、がん化する可能性のある前がん性腫瘍や身体の他の部位に転移する前にがんを検出することによって、生命が救われることがこれまでに実証されてきました。米国国立癌研究所(NCI)によると、一部のがんについては、無症状であったとしても、見つかることがあるとされています。

がん検診によって、医療従事者にとっては、一部のがんについて、治療の有効性がより高いとされる早期の段階において疾患を特定し、さらに必要な治療を行うことが可能となります。残念ながら、すべてのタイプのがんに対してこのようながん検診があるわけではなく、さらにこうしたがん検診についても一部のものは、特異的な遺伝子リスクを有する患者に限定されています。あなたにとって最適と思われるがん検診については、専門医にご相談ください。いずれの検診につきましても、その潜在的な利点やリスクに関する説明を医療従事者に対して求めるように留意してください。

がん検診に関する助言についてまとめた良質の情報が、アメリカがん協会(ACS)によってオンライン上に掲載されています。さらに米国国立癌研究所(NCI)もがん検診に関わるアドバイスや助言を提供しています。

家族の病歴について把握しましょう

  •  医療チームに相談したいことをすべて書き出しましょう。メモを作成し、来院までの間に生じた質問等については記録しておきましょう。
  • ビタミン剤や市販薬も含めて、投薬リストを作成しましょう。来院時には、作成した投薬リストに加え、現在服用中の薬剤一式を入れた投薬瓶を持参しましょう。これにより、医療チームは、あなたが服用した、もしくは現在服用しているすべての薬剤を把握することができます。
  • 診察の間はメモをとりましょう。
  • 医療上の全記録を整理したうえで、来院時に持参しましょう。
  • 重要な書類についてはコピーを余分に作成し、担当の医療チームの各スタッフに渡すことのできるようにしておきましょう。このような重要な書類をファックスやメールで事前に送付しておいてもよいでしょう。医療チームが事前にこのような重要な書類に目を通すことで、あなたとのコミュニケーションがより円滑になると思われます。
  • 説明書、医薬品の副作用情報および重要な連絡先(電話番号)についてはノートに記録し、すべてが一箇所にあるようにしておきましょう。

 

悪性黒色腫(メラノーマ)、乳がん、卵巣がん、前立腺がんおよび結腸がんをはじめとする一部のがんについては、家族毎に発症頻度に違いがみられる傾向にあります。あなたの家族にがん既往歴がある場合、主治医によって遺伝子診断の受診を勧められる場合があります。このような検査は遺伝子の異常を分析することを目的としています。遺伝子に異常が見つかったからといって、将来がんを発症するというわけではありませんが、がんを発症する可能性が平均よりも高いことを示唆している場合もあります。したがって、主治医はがんの発症のリスクを軽減させるために、検診の受診頻度を増やすなど、取るべき方法について助言を行う場合もあります。

 

自分の遺伝的背景が分からない場合、あなたの家族の病歴を知る親類や友人に尋ねてみることをおすすめします。通常、このような情報を文書のかたちで残している人はおらず、入手できる情報といえば口伝えによるものという場合が一般的でしょう。このようにして得られた情報をあなた自身がきちんと整理し始めることもできるはずです。あなたがまとめた情報は、あなた以外の家族の方にとっても役立つことでしょう。

 

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■  ‘ジャパン・フォー・リブストロング’(Japan for LiveSTRONG)のサイト

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谷口淳 訳
高濱隆幸 (腫瘍内科 近畿大学医学部)監修
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