ポリオウイルス・ワクチン、再発性膠芽腫に対し初めて有望な結果を示す/デューク大学医療センター | 海外がん医療情報リファレンス

ポリオウイルス・ワクチン、再発性膠芽腫に対し初めて有望な結果を示す/デューク大学医療センター

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ポリオウイルス・ワクチン、再発性膠芽腫に対し初めて有望な結果を示す/デューク大学医療センター

デューク医療ニュース・コミュニケーションズ

2013年5月21日
ノースカロライナ州ダラム―デューク癌研究所研究員の報告によれば、改良型ポリオワクチンを用いて膠芽腫脳腫瘍細胞を攻撃する療法は、適切な投与量を確定する初期試験ではあるが、有望な結果を示している。

デューク癌研究所で開発され、第1相研究が進められている本療法は、ポリオウイルスを磁石のように引き寄せる受容体が癌細胞には多数存在するため、ポリオウイルス感染により癌細胞が死滅するという発見に基づいている。

研究中の本療法はPVSRIPOと呼ばれ、正常細胞には無害であるが、癌細胞に対して致死作用のある改良型ウイルスを用いる。患者の腫瘍にウイルスを直接注入する本療法には、体の免疫防御機能を誘発して、ウイルスに感染した腫瘍細胞への攻撃を開始するという効果もある。

シカゴで開催した2013年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表された初期データ(ASCO抄録#2094)では、最も頻度が高く、侵襲性の強い脳腫瘍である多形性膠芽腫の従来療法後に腫瘍が再発した患者7人を対象とした研究結果が報告されている。

研究に参加した患者のうち3人は薬剤に対して良好に反応し、1人は治療後12カ月、もう1人は11カ月の間再発無く経過し、1人は報告の時点まで5カ月再発を認めなかった。従来の治療法では、膠芽腫患者の約半数は8週間以内に再発する。

研究に参加した患者のうち2人は良好な結果が得られなかった。1人は2カ月後に腫瘍が再発し、もう1人は4カ月後に病状が悪化した。残りの患者2人はそれぞれ3カ月前、2カ月前に治療を受け、現在、無病状態が続いている。

試験責任医師であるAnnick Desjardins医師(デューク大学医学部准教授、FRCPC)は、「今回の初期結果は興味深い」と話す。「膠芽腫に対する現在の治療法には限界がある。というのも、血液脳関門を通過することができず、腫瘍だけを特定して攻撃していないことが多いからである。今回の治療法は、こうした問題を克服できそうである。研究を推し進め、さらに成果を挙げたいと思う」。

Desjardins医師以外の研究著者は以下のとおり。

J. H. Sampson、 K.B. Peters、 T. Ranjan, G. Vlahovic、 S. Threatt、 J.E. Herndon II, A. Friedman、 H.S. Friedman、 D.D. Bigner、 M. Gromeier

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山田登志子 訳
西川亮 (脳・脊髄腫瘍/埼玉医科大学国際医療センター) 監修
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原文

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