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医師が癌患者と治療費に関する話合いを持つ必要性/デューク大学医療センター

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医師が癌患者と治療費に関する話合いを持つ必要性/デューク大学医療センター

2013年5月16日

ノースカロライナ州ダーラム-ほとんどの癌患者は、自分の治療費に関して医師と相談したいと思っているが、相談したことにより治療の質が下がるのを恐れているので大抵は相談しない、とデューク癌研究所の研究員らは報告している。

他方、治療費の話題を切り出す患者の多くは、そうすることによって費用が下がると考えている。

デューク大学とノースカロライナ州の各地方の関連医療機関にて治療を受けた保険加入者である患者300名に調査を行なった結果、医師が費用面の問題を話題に入れておくだけでその不安を軽減する役割を担えることが示唆されている。

「 我々は、患者が治療決定の判断をする際に治療費が影響するのかどうかを知りたいのです。」 デューク大学の助教で本研究の筆頭著者であり、6月3日にシカゴで開催される米国臨床腫瘍学会の2013年年次総会 (ASCO Abstract #6506)にてプレゼンテーションを行う予定のYousuf Zafar医師は話している。「多くの患者が自己負担分の支払いに苦しんでいることは分かっていますが、治療の意思決定に治療費がどう影響しているのかはほとんど把握していません。」

デューク大の調査に参加した患者の57%が治療費に関して医師に相談したいと思っているが、実際に相談したのはわずか19%であるとZafar氏は言っている。

経済的困窮度がもっとも高い患者-家計の分野で一般的に用いられる基準をもとに判断-においては61%が医師と治療費について相談したいと言うが、実際にそうしたのは25%だけである。

「まさに断絶があるのです。」Zafar氏は語る。「本当に相談を必要とする人でも、治療の意思決定の過程の一部として費用の話題を持ち出さないのです。」

それはなぜか?話題に出すのが恥ずかしいという回答もあったが、これは医師が助けてくれたり、気にしてくれたりする内容だとは思わなかったと回答する人もいた。

しかし、多くの患者-28%-が費用に関わりなく可能な限りの最良の治療を受けたいと話している。Zafar氏は、治療費の心配を話題に出すと、最適ではない治療を受けることになるのではという患者の不安が別の研究で明らかにされている、と語っている。

「患者が医師に費用について実際に相談すると、多くの患者は話し合いから何か得るものがあり、出費が減少したと感じていることをわれわれは発見した」とZafar氏は言う。「このことは、患者が治療費を話題に出すことに対する不安は真実ではなく、われわれはこれらの問題に関して対話を促進するためにもっと行動する必要があると示唆しています。」

医師は助けが欲しい患者を見極める手段を持つ必要があり、それによって患者を適切な支援へと導いていくことが可能になるのだとZafar氏は言っている。

「患者は治療の意思決定を助けてくれる腫瘍専門医を頼っている。共有された意思決定の核となる信念は、患者の価値観と意向を考慮することです。」とZafar氏は話している。「治療の過程の一部として患者の費用を検討に入れていないのなら、問うてみる必要があります。本当にわれわれは患者の意向すべてをくみとっているのか?と。」

「今日の進化しつつある健康保険の情勢では、患者の癌治療に関わる費用が今まで以上に重要度を増している」、とZafar氏は語る。「これらのデータは、費用の話合いにおいて興味が二方向に分かれることを示しており特に興味深いです。医療提供者として、われわれのチームは、患者と費用に関する話合いを持つことは重要であると確信しており、患者は費用に関して話し合いたいと考えていることがわかったことで、われわれは自信をもってこれらの話合いを日常の業務としていけるでしょう。」

Zafar氏以外の本研究の著者は、Amy P. Abernethy、James A. Tulsky、Peter A. Ubel、 Deborah Schrag、 Christel Rushing、 Fumiko Chino、 Jonathan Nicolla、 Ivy Altomare、 Greg Samsa、Jeffrey M. Peppercornの各氏である。

この研究はthe Duke Cancer Institute Cancer Control Pilot Studies Award、the Duke Clinical Research Institute Comparative Effectiveness Research KM1 Award、 an American Cancer Society Mentored Research Scholar Grantから資金提供を受けた。

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滝川俊和 訳
橋本仁 (獣医学)監修
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原文

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