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転移性乳癌に、HER2標的薬2剤併用療法が有効/NCI臨床試験結果

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転移性乳癌に、HER2標的薬2剤併用療法が有効/NCI臨床試験結果

2013年4月30日

HER2タンパクを標的とするトラスツズマブ(ハーセプチン)とペルツズマブ(Perjeta)の2剤と化学療法との併用が、HER2陽性転移性乳癌の女性にとって新たな治療の選択肢になることが大規模臨床試験の結果によって明らかになりました。

第3相クレオパトラ臨床試験の初期結果で、初期治療としての化学療法薬ドセタキセルとHER2標的薬2剤の併用療法により、ドセタキセルとトラスツズマブのみによる治療と比較して、無増悪生存期間が6カ月改善したことが示されました。

それらの結果は、サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で2011年12月7日に発表され、the New England Journal of Medicine誌に同日掲載されました。

複数の臨床試験において、HER2を標的とした2つの異なる薬剤による治療は有望であったこと、および、「二重のHER2阻害療法は、まもなく日常診療で行われるようになるでしょう」と、試験の主任研究員でマサチューセッツ総合病院またハーバード大学医学部のJosé Baselga医学博士は、SABCSの記者会見で語りました。

2つの薬剤は癌細胞の表面にあるHER2タンパクを標的としますが、それぞれ別の機序で阻害します。

基礎研究では、2剤はHER2陽性腫瘍に対して相乗効果があることが示唆されており、そしてそれはHER2シグナリングに「依存している」とBaselga博士は説明しました。

800人以上の女性がランダム化試験に登録され、 その半数は3剤すべての投与を受け、後の半数は転移性HER2陽性乳癌を持つ女性のための標準的な一次治療であるトラスツズマブとドセタキセルにプラセボを加えて投与されました。

無増悪生存期間の中央値は、3剤群で18.5カ月、2剤+プラセボ群で12.4カ月でした。

トラスツズマブ、ドセタキセル、プラセボを投与された女性よりも、3剤併用治療を受けた女性に、腫瘍のかなりの縮小が認められました。

トラスツズマブは、一部の女性において重篤な心臓の副作用に関係していますが、本臨床試験においては、そのような副作用の増加は、両方のHER2標的薬を投与された女性に見られませんでした。

初期分析では、プラセボ、トラスツズマブ、ドセタキセルで治療を受けた女性に比べて、ペルツズマブ、トラスツズマブ、ドセタキセルで治療を受けた女性において、より良好な全生存率の傾向が示されましたが、本研究は、生存データが決定的になるほど長期間に渡っては行われていませんでした。

2013年4月18日、本研究の研究者らは、1年の経過観察後、全生存期間の中間解析を報告しました。

ペルツズマブ、トラスツズマブ、およびドセタキセルで治療を受けた女性群が2つの薬剤+プラセボの女性群よりも長く生存していたことが明らかになりました。

プラセボ含有群の女性の全生存期間の中央値が37.6カ月であった一方、経過観察の30カ月時点で、ペルツズマブで治療を受けた女性の半数以上がまだ生存していました。

分析時の死亡リスクは、プラセボ群の女性に対して、ペルツズマブ群の女性の方が34%低いものでした。

調査結果は、The Lancet Oncology誌に掲載されました。

米国食品医薬品局(FDA)は、2012年6月8日、HER2陽性転移性乳癌女性の治療にトラスツズマブとドセタキセルとの併用下での使用目的でペルツズマブを承認しました。

この承認は、先の無増悪生存期間の結果に基づいています。

原文

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伊藤実花 翻訳
野長瀬祥兼(腫瘍内科/近畿大学付属病院)監修
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