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FDAが進行性皮膚癌治療薬2剤およびコンパニオン診断薬を承認/FDAニュース

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FDAが進行性皮膚癌治療薬2剤およびコンパニオン診断薬を承認/FDAニュース

FOR IMMEDIATE RELEASE:2013年5月29日
Media Inquiries: Stephanie Yao, 301-796-0394
Consumer Inquiries: 888-INFO-FDA

FDAが進行性皮膚癌治療薬2剤およびコンパニオン診断薬を承認

米国食品医薬品局(FDA)は、本日、Tafinlar(ダブラフェニブ[dabrafenib])およびMekinist(トラメチニブ[trametinib])の2剤を、最も危険性が高い皮膚癌である進行性(転移性)または切除不能(手術により除去できない)なメラノーマ(悪性黒色腫)を有する患者の新たな治療薬として承認した。

メラノーマは、皮膚疾患による死因の第一位である。米国国立癌研究所(NCI)は2013年に米国民76,690人が新たにメラノーマと診断され、同疾患により9,480人が亡くなると推定している。

BRAF阻害薬であるTafinlarは、BRAF V600E遺伝子変異陽性のメラノーマ患者の治療薬として、MEK阻害薬であるMekinistは、BRAF V600EまたはV600K遺伝子変異陽性の患者の治療薬として承認された。皮膚由来のメラノーマの約半数にBRAF遺伝子変異がみられる。TafinlarおよびMekinistはそれぞれ単剤として承認され、2剤併用は認められていない。

FDAは、TafinlarおよびMekinistの2剤と、患者のメラノーマ細胞におけるBRAF V600EもしくはV600K遺伝子変異の有無を判定するコンパニオン診断であるTHxID BRAF検査と呼ばれる遺伝子検査を承認した。

「同疾患の生物学的な経路について解明が進んだことで、過去2年間にFDAが承認した転移性メラノーマの治療薬としては3番目および4番目となるTafinlarおよびMekinistの2剤の開発が今回実現する運びとなりました」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。

Zelboraf (ベムラフェニブ[vemurafenib])およびYervoy (イピリムマブ[ipilimumab])は、転移性または切除不能メラノーマの治療薬として2011年に承認されている。

「今回、TafinlarおよびMekinistの治療薬2剤と、BRAF遺伝子の変異の有無を判定する第二のコンパニオン診断薬が同時に承認されたことは、分子レベルの癌活性子を検出し、これを標的とする製品の開発に向けた、製薬および診断の各関係者らによる尽力の賜物といえるものです」と、FDA医療機器・放射線保健センターの体外診断機器・放射線保健室長であるAlberto Gutierrez博士は述べた。

THxID BRAF検査に対するFDAの承認は、TafinlarおよびMekinistの承認の裏づけとなる臨床試験のデータに基づいている。患者のメラノーマ組織から試料を採取して、遺伝子変異の有無を調べた。

BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移性または切除不能メラノーマ患者250人を登録し、Tafinlar投与群と化学療法治療薬であるダカルバジン投与群のいずれかに無作為に割り付けた。Tafinlar投与群に腫瘍の進行に遅延がみられ、ダカルバジン投与群に比べて無増悪生存期間が2.4カ月延長した。

Tafinlar投与群の患者にみられた最も重篤な副作用は、皮膚癌(皮膚扁平上皮癌)の発症のおそれ、低血圧症(低血圧)を伴う発熱、重度の硬直(悪寒旋律)、脱水症、腎不全、糖尿病治療の変更もしくは糖尿病治療薬が必要になるレベルの血糖値上昇であった。

Tafinlar投与群の患者にみられた最も頻度の高い副作用は、皮膚の肥厚(角質増殖)、頭痛、発熱、関節痛、良性皮膚腫瘍、脱毛、手足症候群であった。

BRAF V600EまたはV600K遺伝子に変異がみられる転移性もしくは切除不能メラノーマ患者322人を登録し、Mekinist投与群と化学療法群のいずれかに無作為に割り付けた。Mekinist投与群において腫瘍の進行に遅延がみられ、化学療法群に比べて無増悪生存期間が3.3カ月延長した。Tafinlarあるいは他のBRAF阻害薬による治療歴のある患者については、Mekinistによる効果はみられなかった。

Mekinist投与群の患者にみられた重篤な副作用として、心不全、肺の炎症、皮膚感染症および視力喪失が報告されている。頻度の高い副作用は皮疹、下痢、組織の腫張(末梢浮腫)、にきび様の吹き出物であった。

妊娠可能年齢の女性に対しては、TafinlarおよびMekinistを服用することで、胎児毒性の可能性があることを警告する必要がある。また男性および女性患者に対し、TafinlarおよびMekinist治療に不妊の可能性があることを警告する必要がある。

TafinlarおよびMekinistは、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パークに拠点を置くグラクソ・スミスクライン社が販売している。THxID BRAF診断キットは、フランス・グルノーブルに拠点を置くバイオメリュー社が製造している。Yervoyは、ニューヨークに拠点を置くブリストル・マイヤーズ スクイブ社が販売しており、Zelborafは、南サンフランシスコの、ロシュグループに属するジェネンテック社が販売している。

詳しい情報については以下を参照のこと:

FDA: Office of Hematology and Oncology Products (血液腫瘍製品室)〔原文〕

FDA: Office of In Vitro Diagnostics and Radiological Health (体外診断機器・放射線保健室)〔原文〕

FDA: Approved Drugs: Questions and Answers (承認薬:質問と回答)〔原文〕

FDA: Drug Innovation(薬剤における革新)〔原文〕

NCI: Melanoma (メラノーマ)〔原文〕

CDC: Skin Cancer (皮膚癌)〔原文〕

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谷口 淳 訳
辻村信一(獣医学/農学博士/メディカルライター)監修
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原文

 

 

 

 

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