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画像スキャンによる悪性度の高いリンパ腫の再発検出は困難/メイヨー・クリニック

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画像スキャンによる悪性度の高いリンパ腫の再発検出は困難/メイヨー・クリニック

2013年5月15日
米ミネソタ州ロチェスター ―― びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の再発検知に画像スキャンがあまり役立っていないことがメイヨー・クリニックによる研究で明らかになった。研究者らによると、びまん性侵攻型リンパ腫患者の圧倒的大多数が、スキャンが再発を検知する前に症状を呈すか、もしくは、身体検査や血液検査で異常値を示すという。この研究結果は、5月31日から6月4日までシカゴで開催されるASCO(米国臨床腫瘍学会)の年次総会で発表される。

「経過観察にスキャンを含めるのはこの疾患に対する現在の標準治療で、今回の結果は予想外です」、と当該研究の主執筆者でメイヨー・クリニックの血液学者Carrie Thompson医師は述べている。「我々は、スキャンで再発が検知されたのは、徴候や症状が全く発現しなかったごく一部の患者さんに限られる、という知見を得ました。侵攻性リンパ腫患者の経過観察を最適化するために何をすべきか、その解明に近づきつつあることを示唆する研究結果だと思います。」

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫のうち最も多く見られるタイプで、米国で年間約20,000人が新たに診断される。侵攻性ながら早期に治療すれば治癒が可能だ。症例の20~30%に再発が見られるが、再発検知のための最も有効な方法は明確になっていない。今回の研究で、Thompson医師らは寛解患者の再発病変がどのように検知されたか調査した。

同追跡調査は、アントラサイクリンを基本とする免疫化学療法による治療歴があり、メイヨー・クリニック/アイオワ大学の分子疫学部門・特定優良研究プログラム(SPORE)に登録されている患者537人を対象に実施された。このうち109人が再発を発症し、その62%が、リンパ節腫脹、発熱、寝汗、疼痛、体重減少などの症状が再発現したため経過観察予定日よりも早く医師の診察を受けた。再発時点で、68%の患者が症状を、42%が身体所見の異常、55%が血液検査値の異常を示していた。兆候が発現する前にスキャンにより再発病変が検知された患者は8人のみであった。

Thompson医師は医者や患者を対象に調査を行い、彼らが寛解中のスキャン使用についてどのように感じ、また、信頼をおいているのか検証したいと考えている。同氏による過去の研究では、経過観察スキャンを待つ間、患者はかなり強い不安感に苛まれることを示唆する結果が出た。

「スキャンで安心感が得られることもありますが、次回のスキャンに思いを巡らせることで少なからず不安感が煽られてしまうことがあります」、とThompson医師は言う。「加えて、今回のデータから、スキャンで再発が見つかる患者は少数派であることが分かりました。我々は、各患者の病態、患者体験、不安を考慮した個別のケアを考えていかなければなりません。最適な経過観察方法を見つけるためには更なる研究が必要です。」

当該研究には、共同著者として、メイヨー・クリニックからMatthew Maurer氏、 William Macon医師、Thomas Habermann医師、Thomas Witzig医師、James Cerhan医師・医学博士が、また、同クリニック以外からはレオン大学(University of León)のHerve Ghesquieres医師、ならびにアイオワ大学のBrian Link医師が名前を連ねている。
この研究は、NIH(アメリカ国立衛生研究所)特定優良研究プログラム(SPORE)の助成金(# P50 CA97274)、およびMayo Clinic Center for the Science of Health Care Deliveryからの資金提供を受けて実施された。

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村上智子 訳
林 正樹 (血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院) 監修
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原文

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