子宮内膜癌の治療における術後外部放射線治療(MRC, ASTEC, NCIC CTG EN.5 ランダム化試験):試験結果の統合、システマティックレビュー、そしてメタ分析 | 海外がん医療情報リファレンス

子宮内膜癌の治療における術後外部放射線治療(MRC, ASTEC, NCIC CTG EN.5 ランダム化試験):試験結果の統合、システマティックレビュー、そしてメタ分析

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子宮内膜癌の治療における術後外部放射線治療(MRC, ASTEC, NCIC CTG EN.5 ランダム化試験):試験結果の統合、システマティックレビュー、そしてメタ分析

Adjuvant external beam radiotherapy in the treatment of endometrial cancer (MRC ASTEC and NCIC CTG EN.5 randomised trials): pooled trial results, systematic review, and meta-analysis.
Lancet. 2008 Dec 12. [Epub ahead of print]

背景:病理組織像が低リスクの初期子宮内膜癌は外科手術のみで治療が可能である。外部放射線治療はおもに再発リスクについて中間リスクの女性を対象とした小規模の多くの臨床試験により見当がなされてきた。これらの試験では、術後放射線治療は局所再発リスクの減少は認められたものの、無再発生存率や全生存率を改善するというエビデンスは得られていない。再発や子宮内膜癌による死亡のリスクが中間リスク、もしくは高リスクの病理組織像の初期子宮内膜癌女性における術後外部放射線治療を検討したASTECとEN.5臨床試験の結果を検討し報告する。
方法:1996年7月から2005年3月にかけて7カ国(英国、カナダ、ポーランド、ノルウェー、ニュージーランド、オーストラリア、米国)112施設の中間リスクもしくは高リスクの初期癌女性905例(789 ASTEC, 116 EN.5)が術後観察群(453)と術後外部放射線治療群(452)に無作為に割りつけられた。標的線量は40-46Gy20-25分割で一日一回、週5日の骨盤照射と規定された。第一義的転帰は全生存率で、すべて包括解析により解析を行った。これらの試験はISRCTN 16571884(ASTEC)とNCT 00002807(EN.5)に登録された。

結果:追跡期間の中央値58カ月で、135例(術後観察群68例、術後外部放射線治療群67例)が死亡した。術後照射群が経過観察群より全生存率が良好であるというエビデンスは示されなかった(ハザード比 1.05; 95% CI 0.75-1.48; p=0.77)。5年全生存率は両群とも84%であった。ASTECとEN.5のデータを合わせたメタ解析では全生存率に関しては術後照射による成績向上が認められないことが確認され(ハザード比 1.04; 95% CI 0.84-1.29)、5年時点での外部放射線治療の3%以上の絶対的な利点は確実に除外された。小線源治療がなされたASTEC/EN.5での53%の女性における、観察群での5年局所再発率は6.1%であった。

解釈:生存率の改善目的で中間リスクもしくは高リスク子宮内膜癌女性の通常治療の一環として術後外部放射線治療を施行することは推奨されない。局所再発防止目的での外部放射線治療の絶対的な恩恵は小さく、毒性もある。

PMID: 19070891

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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