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頭頚部癌での根治的放射線治療後の嚥下障害の予測モデル

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頭頚部癌での根治的放射線治療後の嚥下障害の予測モデル

A predictive model for swallowing dysfunction after curative radiotherapy in head and neck cancer.
Radiother Oncol. 2009 Jan 21.
Langendijk JA, Doornaert P, Rietveld DH, Verdonck-de Leeuw IM, Rene Leemans C, Slotman BJ. 
Department of Radiation Oncology, VU University Medical Center, Amsterdam,; Department of Radiation Oncology, University Medical Center Groningen(オランダ)

はじめに:根治的(化学)放射線療法後の嚥下障害が口腔乾燥症にまして、健康関連QOL(HRQoL)に悪影響を強く及ぼすと我々は最近考えている。本研究の目的は根治的放射線治療もしくは化学放射線療法後の嚥下障害についての予測モデルを作成することである。
対象と方法:根治照射された頭頚部扁平上皮癌患者529例についてプロスペクティブ研究を行った。すべての症例で急性、晩期放射線有害事象(RTOG Acute and Late Morbidity Scoring System:RTOG急性・晩期有害事象評価システム)をプロスペクティブにスコア化した。モデル作成のために、主要評価項目として6カ月めのgrade 2以上の嚥下障害(SWALL6months)について単変量と多変量でロジスティック回帰分析を行った。このモデルが急性の嚥下障害と晩期嚥下障害(12, 18, 24カ月)を予測できるかどうかを検討することでモデルの正当性を確認した。

結果:単変量および多変量ロジスティック回帰分析により、T3 T4、両側頚部照射、放射線治療開始前と比較しての体重減少、中咽頭癌と上咽頭癌、加速照射と同時化学放射線療法が6カ月めのgrade 2以上の嚥下障害の独立した予後因子として明らかとなった。多変量モデルから導かれた回帰係数の合計により、総嚥下障害リスクスコア(Total Dysphagia Risk Score:TDRS)が計算可能であった。ロジスティック回帰モデルでは、TDRSは6カ月めのgrade 2以上の嚥下障害と有意な相関が認められた(p<0.001)。次いで我々はTDRSにもとづいて3つのリスク群を定義した。6カ月めのgrade 2以上の嚥下障害の発生率5%, 24%, 46%をそれぞれ低リスク症例、中リスク症例、高リスク症例とした。観察された割合は予測値の95%信頼区間に収まるものであった。TDRSリスク群は急性嚥下障害(すべての時点でP<0.001)と12, 18, 24カ月での晩期嚥下障害(すべての時点でP<0.001)とも有意な相関を認めた。

結論:TDRSは頭頚部扁平上皮癌に対する根治的(化学)放射線治療後の嚥下障害を予測するための簡便で有効な評価基準である。この分類システムにより、治療期間中の予防的な嚥下訓練や嚥下に関連した解剖学的構造を避けることを目的とした新しいIMRT技術といった、根治的(化学)放射線療法後の嚥下障害を防止することを目的とした戦略の恩恵を受ける症例を特定することが可能となる。
抄録訳者コメント:本研究は6MVX線での3DCRTによる結果であり、IMRTの症例は含まれていません(したがってIMRTでは合致しない可能性あり)。照射スケジュールは分割線量2Gy/週5日の通常照射(2002年以前)、一回2Gyで週6日の加速照射(2002年以降)となっています。本文中のグラフを参照していただきたいのですが、予測モデルと95%信頼区間の幅でよく合致しており、実際の臨床である程度の予測として補助的に使えるかもしれません。

総嚥下障害リスクスコア(Total Dysphagia Risk Score:TDRS)

TDRS=T病期リスク+頚部照射リスク+体重減少リスク+原発巣リスク+治療方法リスク

リスク点数:
T病期リスク(T3=4点; T4=4点)
頚部照射リスク(両側頚部照射=9点)
体重減少リスク(1 10%=5点; >10%=7点)
原発巣リスク(中咽頭=7点; 上咽頭=9点)
治療方法リスク(加速照射=6点; 同時化学放射線療法=5点)

PMID:19167120

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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