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癌サバイバーの運動習慣は、自信を伴えばさらに向上することが研究で示される

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癌サバイバーの運動習慣は、自信を伴えばさらに向上することが研究で示される

家庭で行われた介入研究により、自己達成感が増加するほど癌サバイバーの運動習慣はより長期にうまくいくことが示される
M.D.アンダーソンがんセンター
2013年3月8日

子宮内膜癌サバイバーは、日々の自己達成感が高いほど、身体活動をより高めやすく、かつ、その継続時間が長くなる傾向が強い、とHealth Psychology誌(アメリカ心理学会からの出版物の1つ)電子版に掲載された研究で示された。

「いつも座りがちだと、子宮内膜癌などの癌リスクが増加します」とKaren Basen-Engquist博士(M.D.アンダーソンがんセンター行動科学部門教授兼本研究の責任者)は述べた。「癌サバイバーが運動すると、その身体機能や心理的健常性が改善されるだけでなく、他の種類の癌や他の慢性疾患のリスクも減少します」。

米国国立癌研究所の資金提供を受けた本研究で、研究者らは子宮内膜癌サバイバー100人から情報を集め、自己達成感(課題を達成し、目標に達することができたかの自己評価)と運動の継続期間を評価した。また、研究対象者の心肺持久力を定期的に評価した。研究者らは、6カ月間にわたり、自己達成感と身体活動の関係を調査した。

自己達成感を2種類の方法で評価した。研究参加者は携帯情報端末を携行し、自己達成感、すなわち推奨された身体活動の達成度合いにおける自己評価を毎朝記録した。さらに、携帯情報端末を使用して、運動を行なった期間も記録した。一方で、2カ月毎にアンケートの質問事項に答えてもらうことで、自己達成感を評価した。

自己達成感が1点増加すると身体活動量が6分増加した。

各研究参加者は、米国スポーツ医学会のガイドラインに基づいて推奨された、個別化された運動を行なった。また、書類と歩数計が配布され、運動量の増加を支援する電話相談も利用することができた。

本研究の重要な知見の一つに、日々の自己達成感評価による運動期間への影響があった。毎朝記録する自己達成感が高いほど、日中のより良い活発な運動に有意に相関していた。研究参加者における自己達成感の1点増加は、所定の身体活動量6分増加と相関していた。

運動は癌を生き抜く上での重要な側面であること、かつ、子宮内膜癌患者が過体重もしくは肥満であまり体を動かさないことが多い、ということを考慮した上で、どのような運動も、もしくは運動量の増加も、癌患者や癌サバイバーに利益をもたらす可能性があることを、Basen-Engquist氏は提言する。

「自己達成感と身体活動が研究施設以外の場所でどのように作用し合うのかを明らかにすることで、私たちの所見は研究に比類なく貢献しました」と、Basen-Engquist氏は述べた。「次の段階は、電子メールやスマートフォンなどを用いて、癌サバイバーに対しリアルタイムでメッセージを伝え、自己達成感を増加させ、より多くの運動を行なうようにできるかどうかを確認することです」。

Basen-Engquist氏は、M.D.アンダーソンがんセンターの新規センターである、癌予防・癌サバイバーシップに関する活動性の影響を研究するセンター長である。M.D.アンダーソンがんセンターと癌予防とリスクアセスメントのためのダンカン・ファミリー・インスティテュートの資金提供を受けた同センターは、癌における肥満、食事、および運動の役割を取り扱っている。その一方で、米国における肥満の蔓延の解決法を開発している。

Basen-Engquist氏の共著者は、Cindy L. Carmack博士、Stacie Scruggs氏、Carol Harrison氏、George Baum氏(M.D.アンダーソンがんセンター行動科学部門)、Yisheng Li博士(同センター生物統計学部門)、Jubilee Brown医師(同センター婦人科腫瘍学・生殖医療部門)、Anuja Jhingran医師(同センター放射線腫瘍学部門)、Diane C. Bodurka医師(同センター婦人科腫瘍学部門)、Daniel C. Hughes博士(テキサス大学サンアントニオ校保健科学センター)、ならびにHeidi Y. Perkins博士(ライス大学)である。

本研究は、米国国立衛生研究所の一施設である米国国立癌研究所の研究費R01CA109919、R25TCA057730、R25ECA056452、およびP30 CA016672(PROSPR共同研究)からの資金提供を受けた。

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渡邊 岳 訳
喜多川 亮  (産婦人科/NTT東日本関東病院) 監修
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原文


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