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乳癌患者におけるホルモン療法・放射線治療同時併用:その論理的根拠は?

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乳癌患者におけるホルモン療法・放射線治療同時併用:その論理的根拠は?

Concurrent hormone and radiation therapy in patients with breast cancer: what is the rationale?
Lancet Oncol. 2009 Jan;10(1):53-60.Chargari C, Toillon RA, Macdermed D, Castadot P, Magne N. Department of Radiotherapy, Institut Gustave Roussy, (フランス)

ホルモン受容体陽性乳癌患者においては、しばしば内分泌療法と術後放射線治療が併用される場合がある。しかしながら、ホルモン療法と放射線治療の複合した影響について扱った実験研究や臨床研究はほとんど存在しない。前臨床モデルではタモキシフェンを加えることで腫瘍細胞動態に変化がみられることが示されており、抗エストロゲン療法と放射線治療の同時併用で腫瘍細胞死が減少することを示したものもある。インビトロ研究のデータから、腫瘍細胞における抗エストロゲン療法と放射線治療の同時併用による拮抗作用の概念が裏付けられているが、生体内研究では電離放射線とホルモン療法に対する腫瘍反応性において微小環境の変化に寄与しうる相乗効果の存在が示唆されている。レトロスペクティブ研究から、タモキシフェン投与と放射線療法の同時併用の臨床応用では局所制御率が下がることはないが毒性が増大する可能性が示唆されている。アロマターゼ阻害剤と放射線治療の同時併用療法の予備研究の結果からは、内分泌療法と放射線治療の併用は細胞毒性を強め、腫瘍の反応を改善する可能性があることが示唆されている。17β-エストラジオールとP53/P21(WAF1/CIP1)/Rb経路との間の複雑な相互作用と、内分泌療法と放射線治療との相互作用の完全な理解につながるような、エストロゲンにより活性化される生理学的機序を明らかにするためにさらなる研究が必要である。

PMID: 19111245

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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