進行期慢性リンパ球性白血病(CLL)に2剤併用療法(ibrutinib+リツキシマブ)が有効/MDアンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

進行期慢性リンパ球性白血病(CLL)に2剤併用療法(ibrutinib+リツキシマブ)が有効/MDアンダーソンがんセンター

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進行期慢性リンパ球性白血病(CLL)に2剤併用療法(ibrutinib+リツキシマブ)が有効/MDアンダーソンがんセンター

Ibrutinibとリツキシマブの併用が、選択肢の少ない患者にダブルの効果
MDアンダーソンがんセンター
2012年12月8日

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターで実施された第2相臨床試験で、進行期慢性リンパ球性白血病(CLL)治療のためibrutinibイブルチニブ)とリツキシマブ (リツキサン)を併用する2面的アプローチが、軽度の副作用と同時に大きな反応性を示した。

研究者らは第54回米国血液学会年次総会(ASH)で、現時点での結果を報告した。

「進行期CLL患者は、より多くの分子標的療法が必要とされる」とMDアンダーソン白血病部門の准教授であるJan Burger医学博士は述べた。Burger氏はこの試験の主任研究者であった。

「多くのCLL患者、特に低悪性度あるいは非進行期CLLの患者は、化学療法や抗体療法の標準治療によって回復する」と彼は述べた。「しかし特定のサブセットである高リスク患者の場合、治療はうまくいかないことが多く、たとえ寛解に達したとしても、その期間は短い」。

米国国立癌研究所のSurveillance Epidemiology and End Resultsデータベースによれば、CLLは米国で最も一般的な成人白血病である。およそ16,000人の新たな患者が今年診断され、約4,600人がこの疾患で死亡すると見られる。診断年齢の中央値は72歳であり、女性よりも男性に多い。

併用化学療法はCLLの治癒率を改善させるが、副作用はしばしば重篤である。CLL死の相当数が、治療によって引き起こされる二次癌によるものだ。

早期の研究で可能性が明らかに

IbrutinibはB細胞シグナル伝達を阻止するチロシンキナーゼ阻害剤であり、ある種の骨髄腫やリンパ腫を含む成熟B細胞悪性腫瘍の新しい分子標的療法として有望視されている。Ibrutinibは特にCLLに有効であることが示されている。

この2年間に、MDアンダーソンやその他の施設で実施された第1/2相試験から、高リスクCLL患者が低リスク患者と同等にibrutinibに反応することが明らかになった。しかしながら、持続的なリンパ球の増加―それはCLL細胞が組織(リンパ腺)から血流に放出されて血中の白血病細胞が増加することだが―のために、その反応はしばしば低下してしまう。リツキシマブはよく使われる抗体薬だが、この投与によって血中のCLL細胞が捕獲されるため、ibrutinibの反応は促進され、改善される。

「少数ではあったが、高リスク患者がいかによくibrutinibに反応するのかを見て、われわれにとっては、この2つの薬剤の併用が、これらの患者にプラスの効果を及ぼすかどうかを見極める絶好の機会となった」、とBurger氏は語った。

併用は十分な忍容性を示す

40人の高リスクCLL患者が今年の前半、この試験に参加し、以下の治療を受けた。

・期間中、ibrutinib 420mgを毎日経口投与
・第1週から第4週までリツキシマブ(375 mg/m2)を毎週点滴
・その後5カ月間、リツキシマブを毎月点滴

中央値4カ月の追跡調査期間で、38人の患者が、疾患の進行なく、引き続きibrutinib治療を受けていた。一人が関連性のない感染性合併症で死亡し、また一人が口腔内潰瘍のために治療を中断した。

中間結果で85パーセントの奏効割合

20人の患者が、3カ月で早期の反応を評価された。17人が部分寛解し、85パーセントの全奏効割合であった。3人が持続的なリンパ球増加を伴う部分寛解であった。

興味深いことに、リンパ球の増加は早期にピークに達し、その持続期間はibrutinib単独投与よりも短かった。

治療は良好な耐容性を示し、13人の患者に好中球減少、倦怠感、肺炎、不眠症および骨痛など、グレード3/4の毒性が現れた。ほとんどの副作用が治療とは無関係で一過性であった。3サイクルの治療の後、多くの患者で、健康全般および生活の質が改善されたと報告した。

「試験の追跡調査期間は短いが、圧倒的多数の患者に効果が見られ、治療が継続できるということに、われわれはとても勇気づけられた」、とBurger氏は語った。

CLLに対するibrutinib開発の重要性

これらのデータが、過去の第1/2相臨床試験とともに、高リスクCLL患者に対する迅速でさらなるibrutinibの開発の必要性を訴えている、と研究者らは述べた。

Ibrutinibを開発しているPharmacyclics社は、第3相多施設共同臨床試験を進めており、それにMDアンダーソンは参加することになっている。加えて、MDアンダーソンの研究者らは、今回の研究上で高リスクCLL患者の追跡調査を実施することになっている。

MDアンダーソン白血病部門のその他の調査チームメンバーは以下の通りである。
Michael Keating, M.D.; William Wierda, M.D., Ph.D.; Julia Hoellenriegel, M.S.; Alessandra Ferrajoli, M.D.; Stefan Faderl, M.D.; Susan Lerner, M.S.; Gracy Zacharian; Hagop Kantarjian, M.D.; and Susan O’Brien, M.D. Also participating were Xuelin Huang, Ph.D., of the Department of Biostatistics at MD Anderson; and Danelle James, M.D. and Joseph Buggy, Ph.D., of Pharmacyclics, Inc, Sunnyvale, CA.

この試験はPharmacyclics社およびCLL Global Research Foundationによって支援された。

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井上 陽子 訳
東 光久(血液癌・腫瘍内科領域担当/天理よろづ相談所病院) 監修
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原文


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