高リスク白血病患者の3割が臨床試験中のquizartinibに反応/ジョンホプキンス大学 | 海外がん医療情報リファレンス

高リスク白血病患者の3割が臨床試験中のquizartinibに反応/ジョンホプキンス大学

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高リスク白血病患者の3割が臨床試験中のquizartinibに反応/ジョンホプキンス大学

リリース:2012/12/21

特異的な遺伝子変異を伴う急性骨髄性白血病(AML)患者の新規治療薬は、第2相臨床試験で驚くほど有望な成果を示している。本臨床試験参加者の33%超で、AMLは骨髄から完全に消失し、その結果、参加者の多数は根治の可能性がある骨髄移植を受けることができた、とジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターと他の世界各国の学術医療施設9施設の研究者は述べた。新規治療薬quizartinib(クイザルチニブ、AC220)に良好に反応した参加者の多数は、前治療に反応しなかった。

「化学療法により成人AML患者の67%~75%が寛解に達することができます。しかし、AMLが再発する可能性は50%もあります。しかも、通常は致命的なものになります。」とMark Levis医学博士(本臨床試験の責任医師で、ジョンズホプキンス大学腫瘍学部・医学部准教授)は述べる。「本臨床試験参加者の多数は、根治の可能性がある骨髄移植を続けて受けることができました。私たちはquizartinibの効果の良さに驚きました。」とLevis氏は付け加える。

本臨床試験の報告は、12月9日に、米国血液学会年次総会(アトランタ市)での記者会見で発表される予定であった。

AML患者137人が本臨床試験に参加したが、その大多数のAML細胞内にFLT3-ITD変異という遺伝子変異が存在した。FLT3遺伝子は、骨髄幹細胞にシグナル伝達を行い、分裂や活性化させる酵素FLT3を産生する。AML患者の約25%でFLT3遺伝子変異が認められ、その結果、酵素FLT3は恒常的に産生される。これにより、AML細胞は急速に増殖し、AMLは治療が困難になる。

「FLT3-ITD変異は私たちに、このAML患者には、寛解を得るだけでも、極めて侵襲的な化学療法が必要になり、後にAMLはすぐに再発するであろうことを伝えています。そのため、AMLが再発しないうちに、患者が寛解を得た直後に、骨髄移植を行うべきであることを学びました」とLevis氏は述べる。

経口FLT3阻害剤であるquizartinibは強力で、通常たった2日で作用を示し始めます。しかし、AML細胞が骨髄から完全に消失するためには最大で60日間服用する必要があります、とLevis氏は述べる。

キンメルがんセンターと他の医療施設9施設で、本臨床試験に参加したAML患者137人はquizartinibを服用した。その開始用量は、女性で90 mg/日、男性で135 mg/日であった。また、28日サイクルの間に継続的に服用した。本臨床試験に参加したAML患者は、再発した患者、第2次化学療法に反応しなかった患者、または、造血幹細胞移植後に再発した患者であった。

FLT3-ITD変異がある99人中44人(44%)で、ある種の完全寛解が得られた。一般的にはAMLが骨髄から消失したが、それでも輸血や血小板輸血が必要な寛解状態であった。FLT3-ITD変異がない38人中13人(34%)で、同様の反応が得られた。

Quizartinibの最も一般的な副作用は、悪心(38%)、貧血(29%)、QT延長(心電図で認められる異常;26%)、嘔吐(26%)、発熱性好中球減少症(白血球数減少を伴う発熱;25%)、下痢(20%)、および倦怠感(20%)であった。14人(10%)で重篤な副作用が見られ、服用が中止された。研究者らは、この試験の後、副作用を減少させるために、quizartinibの低用量投与試験を行っている、とLevis氏は述べる。

Quizartinib投与による長期生存率は現在もなお不明であるが、137人中47人(34%)はquizartinibに反応した後に骨髄移植を受けることができた、とLevis氏は述べる。一部の患者は、再発せずに治療から2年生存している。

Ambit Biosciences社(quizartinibの製造企業)はこの結果に基づき、より大規模の第3相臨床試験を計画している。なお、同臨床試験で、FLT3-ITD変異があるAML患者は、ランダム割付後に、quizartinib投与患者と従来の化学療法投与患者に割り付けられることになる。その一方で、Levis氏らはquizartinibの低用量投与試験を継続している。

本臨床試験に参加した医療施設を以下に示す。ペンシルベニア大学アブラムソンがんセンター、パリ大学Saint-Louis病院、ウルム大学病院(ドイツ)、ゲーテ大学フランクフルト(ドイツ)、ヴェルサイユ総合病院(フランス ル・シェネ)、ボローニャ大学医学部(イタリア)、ワシントン大学(シアトル市)、カーディフ大学医学部(英国)、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター(ヒューストン市)

Levis氏はAmbit Biosciences社(quizartinib(AC220)の製造企業)の相談役である。この関係は公表されている。また、ジョンズホプキンス大学医学部利益相反委員会の管理下にある。

ジョンズホプキンス大学キンメル総合がんセンター

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