ミラノ基準を超えた肝細胞癌患者での肝移植後の生存率予測:レトロスペクティブ予備解析 | 海外がん医療情報リファレンス

ミラノ基準を超えた肝細胞癌患者での肝移植後の生存率予測:レトロスペクティブ予備解析

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ミラノ基準を超えた肝細胞癌患者での肝移植後の生存率予測:レトロスペクティブ予備解析

Predicting survival after liver transplantation in patients with hepatocellular carcinoma beyond the Milan criteria: a retrospective, exploratory analysis.
Lancet Oncol. 2009 Jan;10(1):35-43.
Mazzaferro V, Llovet JM, Miceli R, Bhoori S, Schiavo M, Mariani L, Camerini T, Roayaie S, Schwartz ME, Grazi GL, Adam R, Neuhaus P, Salizzoni M, Bruix J, Forner A, De Carlis L, Cillo U, Burroughs AK, Troisi R, Rossi M, Gerunda GE, Lerut J, Belghiti J, Boin I, Gugenheim J, Rochling F, Van Hoek B, Majno P; Metroticket Investigator Study Group.
Collaborators (74)
National Cancer Institute(イタリア ミラノ)

背景:ミラノ基準に適合した肝細胞癌(腫瘍径5cm以下の単発病変か腫瘍径3cm以下の腫瘍3個以下で、大血管浸潤が認められない)に対して肝移植を受けた患者の予後は良好である。しかしながら、これらの基準を超えた癌患者に対する生存率は予測不能であり、肝移植の可能性は患者の治癒を最大限可能とすることと臓器の入手とのバランスとなっている。この試験の目的はミラノ基準を超える腫瘍を有する患者の生存率を調査すること、ミラノ基準の制限をより緩和できるかどうか評価すること、客観的な腫瘍特性にもとづいて予測モデルを導出すること、そしてミラノ基準を拡張できるかどうかを確認することである。

方法:さまざまな施設においてミラノ基準を超えているにも関わらず肝細胞癌に対して肝移植が施行された患者のデータを、各施設の専門家のインターネット上での調査を通して記録した。これらの患者の生存率について、最も大きい腫瘍の径、腫瘍の個数、病理で確認された微小血管浸潤の有無に対してレトロスペクティブに相関を調べた。異なる共変量を組み合わせることにより多変量楕円回帰Coxモデルで生存率を推定した。この研究の主要目的はTNM分類に用いられる主要因子による腫瘍特性にもとづいた全生存率についての予後モデルを導出することである。副次的目的は少なくとも70%の5年全生存率、すなわちミラノ基準を満たす患者で予測されるものと同等の成績を示すような、ミラノ基準を超えた肝細胞癌患者のサブグループを特定することである。

結果:2006年6月25日から2007年4月3日までの10カ月間に、肝細胞癌に対して移植が行われた1556例のデータが36施設からデータベースに登録された。移植後の病理検査で、1112例はミラノ基準を超えた肝細胞癌、444例はミラノ基準に適合した肝細胞癌であった。基準を超えた肝細胞癌患者群では最大腫瘍径の中央値は40mm(4〜200mm)で腫瘍の個数の中央値は4個(1〜20)であった。ミラノ基準外の移植患者1112例中454例(41%)に微小血管浸潤があり、5年全生存率は53.6%(95% CI 50.1〜57.0)であったのに対し、基準を満たした患者の5年全生存率は73.3%(68.2〜77.7)であった。腫瘍径と腫瘍数の増加に関するハザード比はそれぞれ1.34(1.25〜1.44)、1.51(1.21〜1.88)となった。その影響は腫瘍径に対して直線的であるのに対し、腫瘍数は3個以上で一定化する傾向を認めた。生存率における腫瘍径と腫瘍数の影響は再発によってもたらされる(b=0.08、SE=0.12、p=0.476)。微小血管浸潤の存在はすべてのシナリオにおいてハザード比を倍化した。Up-to-seven criteria(『7までの基準』:最も大きい腫瘍の径[cm]と腫瘍個数の和が7の肝細胞癌)以内に収まり、微小血管浸潤のない283例での5年全生存率は71.2%(64.3〜77.0)となった。

結論:ミラノ基準にもとづいた、肝移植の適応性についての現在の双対アプローチ(適応か否か)を、個々の腫瘍特性にあわせた正確な生存率の推定と、7まで基準の使用に置き換えた場合には、より多くの肝細胞癌患者が移植の適応となりうる。

PMID: 19058754

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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