長期間の飛行経験を有する航空機パイロットにおける染色体転座の頻度の増加 | 海外がん医療情報リファレンス

長期間の飛行経験を有する航空機パイロットにおける染色体転座の頻度の増加

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長期間の飛行経験を有する航空機パイロットにおける染色体転座の頻度の増加

Increased frequency of chromosome translocations in airline pilots with long-term flying experience.
Occup Environ Med. 2009 Jan;66(1):56-62.
Yong LC, Sigurdson AJ, Ward EM, Waters MA, Whelan EA, Petersen MR, Bhatti P, Ramsey MJ, Ron E, Tucker JD.
Industrywide Studies Branch, Division of Surveillance, Hazard Evaluations and Field Studies, National Institute for Occupational Safety and Health, 4676 Columbia Parkway, R-15(米国 オハイオ州シンシナティ) LAY7@CDC.GOV

背景:染色体転座は外部電離放射線の累積被曝の生体指標として確立している。航空機パイロットは宇宙線の曝露を受けるが、航空機搭乗員における飛行経験に関連した転座に関する研究はほとんどなされていいない。

方法:83名の航空機パイロットと50名の比較対照者(年齢の中央値はそれぞれ47才、46才)の末梢血リンパ球での転座の頻度を測定した。転座は、FISH法(fluorescence in situ hybridisation:蛍光in situハイブリダイゼーション)全染色体彩色により被験者あたり平均1039細胞等量(cell equivalents:CE)でスコア化し、100CEあたりとして示した。年齢、X線診断、そして軍隊での飛行で調整して、転座頻度、曝露状況、そして飛行年数との間の関係を評価するために負の二項回帰モデルを用いた。

結果:パイロット群と対照群の調整後の平均転座頻度には有意差は認めなかった(それぞれ0.37[SE 0.04]vs 0.38[SE 0.06] 転座/100 CE)。しかしながらパイロット群での調整後の転座頻度は、1.06(95% CI 1.01〜1.11)から1.81(95% CI 1.16〜2.82)の比率でそれぞれ飛行年数1年から10年まで漸増しつつ、飛行年数と有意に相関していた(p = 0.01)。飛行年数が最高四分位のパイロットと最低四分位のパイロットとの調整頻度比は2.59であった(95% CI 1.26〜5.33)。

結論:われわれのデータから、長期間の飛行経験を有するパイロットは生物学的に有意な線量の電離放射線の曝露を受けると考えられる。宇宙線曝露と発癌リスクとの間の関係を明らかにするために、広範な放射線曝露レベルでより大きなパイロット集団でのより長期の追跡による疫学的研究が必要である。

PMID: 19074211

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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