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放射線治療後の腫瘍血流遮断は、腫瘍再増殖を強く阻害する

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放射線治療後の腫瘍血流遮断は、腫瘍再増殖を強く阻害する

Tumor blood flow interruption after radiotherapy strongly inhibits tumor regrowth.
Cancer Sci. 2008 Jul;99(7):1485-91.
Hori K, Furumoto S, Kubota K.
東北大学加齢医学研究所、腫瘍制御研究部門、腫瘍循環研究分野(仙台市青葉区星陵町4-1)k-hori@idac.tohoku.ac.jp

放射線照射後に腫瘍血流を遮断することの治療的意義を明らかにするために、吉田肉腫の変異株であるLY80で、血行動態パラメータ(血流、フルオレセインイソチオシアネート-デキストランの血管外漏出と排出、間質液圧)におけるX線照射によりもたらされた変化を調べた。雄のDonryuラットの腫瘍に麻酔下で放射線を局所照射した(10Gy)。照射後48時間で腫瘍血流は有意に増加し、照射後72〜96時間では2〜2.5倍に増加した。その後すべてのパラメータは、放射線照射に生き残った一部の細胞が再増殖することに寄与すると考えられる腫瘍の微小循環が常に改善していることを示した。ラットに腫瘍血流を遮断し、腫瘍血管を障害するコンブレタスタチン誘導体AC7700(AVE8062)を静脈内投与(10mg/kg)した。照射後は常にAC7700は腫瘍血流を完全途絶させていた。放射線治療の効果はAC7700を併用すると有意に増強した。すなわちAC7700は腫瘍血流が有意に増加する照射48時間後に投与すると、照射48時間前にAC7700を投与した場合と比較して著しく腫瘍再増殖は抑制された。また、照射後のAC7700は原発腫瘍の増殖を完全に阻害するだけでなく、担癌ラットの半数で領域リンパ節転移を阻害し、有意に生存率を改善した。これらの結果は、照射後の腫瘍血流増加を遮断することにより併用効果が増強されることを強く示唆するものである。この治療の組み合わせとタイミングは、この効果が付加的というよりははるかに大きなものであるため、いずれかの治療単独について感受性が低い腫瘍であっても、重要なメリットを有する。われわれのデータからはこのように、照射後の腫瘍微細循環の破壊が癌の再発抑止にきわめて効果的であることを示している。

PMID: 18452559

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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