ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの安全性についてのFAQ(よくある質問)/米国疾病対策予防センター(CDC) | 海外がん医療情報リファレンス

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの安全性についてのFAQ(よくある質問)/米国疾病対策予防センター(CDC)

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの安全性についてのFAQ(よくある質問)/米国疾病対策予防センター(CDC)

米国疾病対策予防センター(CDC)

2011年2月7日更新

・米国ではどのようなHPVワクチンが利用可能ですか。
・ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの副作用としてはどのようなものがありますか。
・HPVワクチンが承認されるまで、どのように安全性を確認しているのですか。
・米国でワクチンの安全性をモニタリングしているのはどこですか。
・「有害事象」とは何ですか。
・FDAおよびCDCはワクチン承認後の安全性についてどのようなモニタリングを行っていますか。
・VAERS(ワクチン有害事象報告システム)に報告されたHPV接種後の有害事象件数はどれくらいありますか。
・軽度〜中等度の有害事象として報告されたものにはどのようなものがありますか。
・重篤な有害事象として報告されたものにはどのようなものがありますか。
・重篤な有害事象がワクチン接種により起こったかの判断はどのようにしていますか。
・FDAおよびCDCは安全性のモニタリングに基づいてHPVワクチンの利用に関する勧告を変更したことはありますか。

*****

■ 米国ではどのようなHPVワクチンが利用可能ですか。
2種類のHPVワクチンがFDA承認およびCDCの推奨を受けています。サーバリックス[Cervarix](グラクソスミスクライン社)とガーダシル[Gardasil](メルク社)があります。

*****

■ ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの副作用としてはどのようなものがありますか。

もっとも多い副作用は接種部位(腕)の痛みと発赤です。およそ10人に1人に軽度の発熱、約30人に1人に接種部位のかゆみ、約60人に1人に中等度の発熱がみられます。これらの症状は長く続かず自然に消えます。

*****

■ HPVワクチンが承認されるまで、どのように安全性を確認しているのですか。

いずれのHPVワクチンも承認されるまでに臨床試験で安全性を確認しています。ガーダシルについては29,000人以上の男女が臨床試験に参加しました。サーバリックスについては世界中で実施された複数の臨床試験に300,000人以上の女性が参加しました。

*****

■ 米国でワクチンの安全性をモニタリングしているのはどこですか。
政府機関である米国医薬食品局(FDA)および米国疾病対策センター(CDC)の2機関が全米の医療機関の協力を得てワクチンの安全性をモニタリングしています。

*****

■ 「有害事象」とは何ですか。

有害事象とは、ワクチン接種や薬の投与の後に報告される健康上の問題をいいます。ワクチンや薬によって起こった可能性もありますし、そうでない可能性もあります。たとえばワクチン接種後に頭痛があったとします。この頭痛はワクチンによって起こったのかもしれませんし、他に原因があるのかもしれません。

*****

■ FDAおよびCDCはワクチン承認後の安全性についてどのようなモニタリングを行っていますか。

ワクチンが承認され米国内で使用開始となった後の安全性のモニタリング制度が3つあります。これらの制度で、ワクチンにより発生することが知られている副作用の把握ができるほか、臨床試験では確認されなかった稀な副作用が見つかることもあります。

●ワクチン有害事象報告システム([url=http://vaers.hhs.gov/index]VAERS[/url])では、ワクチン接種が原因の可能性がある副作用、すなわち有害事象の報告を通常郵便、ファックス、オンラインで受け付けています。医師、保護者、家族、ワクチン接種を受けた本人、製造者が報告できます。ワクチン接種後であればいつでも報告可能です。つまり、健康問題を生じたのが接種の何カ月後でも何年後であっても報告可能ということです。FDAおよびCDCの専門スタッフがすべての報告を精査します。VAERSにより、ワクチンが副作用の原因となっている可能性を示すような有害事象の傾向をつかむことができます。ワクチンが本当に副作用の原因であるかを解明するためにVAERSを利用することはできません。

●ワクチン安全性データリンク(VSD)プロジェクトはCDCと8医療機関で実施しているプロジェクトです。ワクチン接種後に生じることがある稀で重篤な副作用に関する知見の不足に対処する目的で行われています。VAERSに報告された有害事象の傾向に関する調査や、ワクチンが副作用の原因であるかの解明のためにVSDが用いられます。

●臨床予防接種安全性評価(CISA)ネットワークは、ワクチン接種により生じた可能性のある有害事象について研究している米国の6大学によるプロジェクトです。

*****

■ VAERSに報告されたHPV接種後の有害事象件数はどれくらいありますか。

ガーダシル:2010年9月30日の承認以降、米国内にはおよそ3200万回分が流通しています。この期間中にガーダシル接種後の有害事象が17,160件VAERSに報告されています。このうち92%が軽度または中等度の有害事象報告に分類され、8%が重篤な有害事象報告でした。

サーバリックス:上記に加え、米国内におけるサーバリックス接種後の有害事象が12件(重度はなし)VAERSに報告されています。

*****

■ 軽度〜中等度の有害事象として報告されたものにはどのようなものがありますか。

HPVワクチン接種後の有害事象として報告されるものの大半は特に問題がないと考えられるものです。報告されているのは、接種部位の痛み、頭痛、吐き気、発熱などです。失神の報告もあります。

注射後の失神はよく起こります(特に20歳未満)。失神の際に転倒すると頭部などに大怪我を負うことがあります。怪我予防のため、CDCおよびFDAではワクチン接種後15分間座るもしくは横になることを推奨しています。

*****

■ 重篤な有害事象として報告されたものにはどのようなものがありますか。

筋肉の脱力を生じる稀な疾患のギラン・バレー症候群(GBS)が報告されています。現在のところ、ガーダシルが国民全体のGBS発生率を上昇させたとする証拠はありません。

ガーダシル接種後に血栓を生じたとの報告がされています。血栓を生じた部位は心臓、肺、脚です。これらの大半は避妊薬(ピル)を服用しているなど血栓を生じるリスクが高い人の事例でした。

2010年9月30日以降、VAERSに報告された死亡例は65件あります。各々の事例について調査を行いましたが、ワクチンが原因による死亡であることを示唆するような共通の傾向は認められませんでした。死体解剖、死亡診断書、カルテ等がある事例では、ワクチン以外に死因があったことが説明可能でした。現在までに報告された死亡例の原因としては違法な薬物使用、糖尿病、ウイルス性疾患、心不全などがありました。

*****

■ 重篤な有害事象がワクチン接種により起こったかの判断はどのようにしていますか。

VAERSのスタッフは予防接種後に起こったさまざまなタイプの事象の報告を受け取っています。中にはワクチン接種後という時期に偶然に起こった事象もありますし、本当にワクチンが原因で起こったものもあります。VAERSの専門スタッフは各事例を精査し、症例間に一定傾向がないか調べています。こういった傾向があればワクチン安全性データリンクによる追加研究を要することもあります。

*****

■ FDAおよびCDCは安全性のモニタリングに基づいて、HPVワクチンの利用に関する勧告を変更したことはありますか。

完全にリスクのないワクチンや薬は存在しないことから、CDCおよびFDAではサーバリックスならびにガーダシルの安全性に関する情報をすべて調査しています。この調査に基づき、CDCおよびFDAではガーダシルの使用は安全で4つの型のHPV予防に効果があると判断しています。

CDCでは、子宮頸癌および生殖器疣(いぼ)の主因となる型のHPV予防として11歳および12歳女児に3回の予防接種を引き続き推奨しています。また、これまでに接種を受けたことがない13歳から26歳までの女性に対しても推奨しています。

さらに、ガーダシルは男性の生殖器疣も予防します。9歳から26歳までの男性は接種可能です。

FDAはガーダシル処方の情報について、失神からくる転倒にかかる情報を変更しています。CDCはこれらの情報が医師・看護師に浸透するよう対策を講じました。また、保護者への啓発資料にもこの情報を加えています。

Page last reviewed: October 26, 2010
Page last updated: February 7, 2011
Content source: Centers for Disease Control and Prevention
National Center for Emerging and Zoonotic Infectious Diseases (NCEZID)
Division of Healthcare Quality Promotion (DHQP)

******
橋本 仁(獣医学) 訳
井上進常(首都医校教員、小児科医)監修
******


原文


printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  4. 4コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  5. 5がんに対する標的光免疫療法の進展
  6. 6ニボルマブとISA101ワクチン併用療法が中咽頭がん...
  7. 7乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  8. 8がん領域におけるシームレス臨床試験数が近年増加
  9. 9ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  10. 10治療が終了した後に-認知機能の変化

お勧め出版物

一覧

arrow_upward