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M-CSF阻害は病的な血管新生とリンパ管新生を選択的に標的とする

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M-CSF阻害は病的な血管新生とリンパ管新生を選択的に標的とする

M-CSF inhibition selectively targets pathological angiogenesis and lymphangiogenesis.
J Exp Med. 2009 Apr 27. [Epub ahead of print]
Kubota Y, Takubo K, Shimizu T, Ohno H, Kishi K, Shibuya M, Saya H, Suda T.
Department of Cell Differentiation, The Sakaguchi Laboratory, 2 Division of Gene Regulation, Institute for Advanced Medical Research, 慶応大学医学部 第3整形外科 (日本 東京)

癌やその他の血管新生疾患での抗血管新生治療は病的な血管新生とリンパ管新生に選択性があることが望まれる。単球系細胞の分化に必要なサイトカインであるマクロファージ・コロニー刺激因子(M-CSF)は腫瘍内の高密度の血管網形成を促進するため、M-CSF阻害剤として治療できる可能性をもつ。しかしながら、血管とリンパ管の発達におけるM-CSFの生理学的な役割は、M-CSF阻害の抗血管新生効果の基本となる正確なメカニズムとともにいまだ解明されていない。

さらにその他の血管新生疾患でのM-CSF阻害治療の可能性もまだ検討されていない。われわれはM-CSF欠乏が多くのLYVE-1(+)とLYVE1(-)マクロファージを減少させ、その結果血管とリンパ管の発達を障害することを示すために大理石骨病(op/op)マウスを用いた。虚血性網膜症ではM-CSFは病的血管新生に必要とされるが正常血管系の回復には必要ではない。マウス骨肉腫においては、M-CSF阻害は効果的に腫瘍血管新生とリンパ管新生を阻害し、細胞外基質を破壊した。VEGF阻害とは異なり、M-CSF阻害の中断は急速な血管再増殖を促進しなかった。M-CSFの継続した阻害は腫瘍外の健常血管系やリンパ系には影響を与えなかった。これらの結果からM-CSF標的治療は眼球血管新生疾患と癌の治療に理想的な戦略であると考えられる。

PMID: 19398755

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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