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乳房インプラントがまれなリンパ腫と関連する可能性がFDA再評価で示される

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乳房インプラントがまれなリンパ腫と関連する可能性がFDA再評価で示される

FOR IMMEDIATE RELEASE:2011年1月26日
Media Inquiries: Erica Jefferson, 301-796-4988
Consumer Inquiries: 888-INFO-FDA

乳房インプラントがまれなリンパ腫と関連する可能性がFDAの再評価で示される
−医療従事者に確定症例を報告するよう要請−

米国食品医薬品局(FDA)は、生理食塩水およびシリコンジェル入りの乳房インプラントと、極めてまれな種類の癌である未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)との関連の可能性について発表した。FDAが再評価を行ったデータにより、乳房インプラントを挿入した患者は、インプラントに隣接する瘢痕被膜に極めて低いが有意なALCLリスクを負うことが示唆された。[pagebreak]FDAは医療従事者に対し、乳房インプラントを挿入した女性におけるALCLの確定症例を報告するよう要請している。

乳房インプラントを挿入する患者にそれによりもたらされるリスクを確実に伝えるために、FDAは今後数カ月間、乳房インプラント製造業者と協力して患者と医療従事者向けの製品表示資料の更新を行う。

「より多くのデータが必要で、医療従事者に対しALCLの確定症例をすべてFDAへ報告するよう要求している。われわれは、アメリカ形成外科学会(ASPS)や同分野の他の専門家たちと協力して、乳房インプラントを挿入した患者の登録簿を作成している。それによって乳房インプラントを挿入した女性におけるALCLの発症をよりよく理解できるだろう」と、FDA医療機器・放射線保健センター(Center for Devices and Radiological Health)の主任科学者で科学部門の副局長でもあるWilliam Maisel医師/公衆衛生学修士は述べた。

米国国立癌研究所(NCI)によると、ALCLはリンパ節や皮膚など身体各部に発症する。毎年米国では、約50万人に1人の女性がALCLと診断されている。乳房組織に局在するALCLは、全米の乳房インプラントを挿入していない女性1億人のうち、わずか約3人に認められる。

FDAは総計で、世界中の乳房インプラントを挿入した女性において、約60件のALCL症例を把握している。しかし、すべての症例が科学文献に掲載されたとは限らず、重複して報告された症例もあるためこの数値を確定するのは難しい。世界中で、推定500万人から1,000万人の女性が乳房インプラントを挿入している。

今回のFDAの通告は、1997年1月から2010年5月に発表された科学文献のレビューと、他の国際的規制局、科学者、乳房インプラント製造業者からの知見に基づいている。文献のレビューによって、生理食塩水とシリコンジェルの乳房インプラントを挿入した女性における34件の特有なALCL症例が確定された。

FDAが評価した症例のほとんどは、初回のインプラント手術部位が完治した後の不具合−例えば疼痛、腫瘤、腫脹、あるいは非対称などインプラントに関連した症状−に対する治療を患者が受けた際に診断されている。こうした症状は、液体の貯留(インプラント周辺の漿液腫)、インプラント周囲の乳房の硬化(被膜拘縮)、または乳房インプラント周囲の腫瘤によるものである。乳房インプラント周辺の液体と被膜の検査によってALCLと診断された。

FDAは医療従事者と女性に対して、乳房インプラントには細心の注意を払い、次のことを実施するよう勧めている。

・医療従事者は、乳房インプラントを挿入した女性におけるすべてのALCLの確定症例を、FDAの安全性情報・有害事象報告プログラムであるMedWatchに報告する必要がある。オンラインまたは電話(800-332-1088)で報告すること。
・医療従事者は、患者がインプラント周辺に遅発性で持続性の液体貯留(漿液腫)を呈する場合はALCLの可能性を考慮すべきである。インプラント漿液腫の場合は、採取したばかりの漿液を病理学検査に出し、ALCLでないことを確認する。
・乳房インプラントを挿入した女性は、定期的な治療や経過観察を変える必要はない。ALCLは極めてまれで、乳房インプラントを挿入した何百万もの女性のなかで、ごく少数にしか発症していない。ALCLに特定されたことではないが、医療関係者は標準的な医療勧告に従うべきである。
・女性はインプラントをモニターし、何らかの変化に気付いた場合は医師に連絡する。
・乳房インプラント手術を検討中の女性は、その危険性と有益性について医療関係者と話し合うべきである。

FDAによる文献のレビューは、当局のホームページ上に掲示された「乳房インプラントを挿入した女性における未分化大細胞型リンパ腫(ALCL):FDAの予備的知見と分析」という表題の文書で発表された。

FDAはまた、2011年春にシリコンジェル入りの乳房インプラントに関する評価の最新情報を提供する予定である。これには、米国で販売済みのシリコンジェル入り乳房インプラントについて継続中の承認後研究の暫定的知見、FDAに提出された有害事象報告やこのようなインプラント製品に関する科学文献のレビューなどが記載される。

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マクドナルド 晋子 訳
大渕 俊朗(呼吸器・乳腺内分泌・小児外科/福岡大学医学部)監修
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原文


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