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骨転移をともなうホルモン抵抗性前立腺癌患者におけるカルシウム代謝異常の予後的意義

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骨転移をともなうホルモン抵抗性前立腺癌患者におけるカルシウム代謝異常の予後的意義

Prognostic significance of disordered calcium metabolism in hormone-refractory prostate cancer patients with metastatic bone disease.
Prostate Cancer Prostatic Dis. 2009;12(1):94-9.
Tucci M, Mosca A, Lamanna G, Porpiglia F, Terzolo M, Vana F, Cracco C, Russo L, Gorzegno G, Tampellini M, Torta M, Reimondo G, Poggio M, Scarpa RM, Angeli A, Dogliotti L, Berruti A.
Dipartimento di Scienze Cliniche e Biologiche, Universita di Torino, Oncologia Medica, (イタリア トリノ)

骨転移を有する前立腺癌で発生する骨代謝障害によりカルシウム代謝の乱れが起こる場合がある。低カルシウム血症もしくは高カルシウム血症の予後に果たす役割を一連の骨転移を有するホルモン抵抗性前立腺癌患者で検討した。患者192例の血清カルシウムを測定した。

低カルシウム血症や高カルシウム血症の存在はベースラインの生化学的特性と臨床的特性についてのものとし、それら2種類のカルシウム障害が予後予測と有害な骨関連事象(SREs)に果たす役割を評価した。正常カルシウム値患者と比較して、低カルシウム血症の患者(n=51)は骨での腫瘍負荷(tumor load)が高く(P=0.005)、血漿クロモグラニンA(chromogranin A:CgA, P=0.01)、血清アルカリフォスファターゼ(P=0.01)、尿中N-テロペプチド(NTX, P=0.002)がより高値で、ヘモグロビン値(P=0.01)はより低値であったのに対し、高カルシウム血症の患者(n=16)は血漿CgA(P=0.001)、血清乳酸脱水素酵素(LDH)値(P=0.001)がより高値で、骨痛がより強く(P=0.003)、純然たる造骨性病変の頻度が低かった(P=0.001)。低カルシウム血症は予後不良と相関がなかったのに対し、高カルシウム血症は予後不良に有意に相関し(ハザード比(HR) 1.9, 95%信頼区間(CI)1.2-3.3)、 SREsとなるリスクがより高かった(HR, 2.5, 95%CI 1.2-5.2, P=0.01)。高カルシウム血症の予後に果たす役割は有効な予後因子で調整後の多変量解析でも変わらなかった(HR 2.72, 95%CI 1.1-6.8, P=0.03)。これらのデータから骨転移を有する前立腺癌患者の臨床的意思決定プロセスでは血清カルシウム値を考慮に入れるべきであることが示唆される。無症状の高カルシウム血症の患者は厳密な経過観察と、すみやかなビスフォスフォネート治療が有用である。今後プロスペクティブ臨床試験がこの結果を確認するために必要である。

PMID: 18332901

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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