癌患者における未熟な骨髄細胞と樹状細胞への抗VEGF治療の影響 | 海外がん医療情報リファレンス

癌患者における未熟な骨髄細胞と樹状細胞への抗VEGF治療の影響

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

癌患者における未熟な骨髄細胞と樹状細胞への抗VEGF治療の影響

The effect of anti-VEGF therapy on immature myeloid cell and dendritic cells in cancer patients.
Cancer Immunol Immunother. 2008 Aug;57(8):1115-24.Osada T, Chong G, Tansik R, Hong T, Spector N, Kumar R, Hurwitz HI, Dev I, Nixon AB, Lyerly HK, Clay T, Morse MA.デューク大学医学センター(米国 ノースカロライナ州)

抗癌免疫反応のもっとも有効な活性化因子である樹状細胞の機能障害は抗腫瘍免疫欠如の過程のひとつであるが、樹状細胞の機能障害の原因は完全には理解されていない。われわれは樹状細胞分化障害と、肺癌、乳癌、結腸直腸癌患者41例の末梢血の血管新生関連分子D-dimer、血管内皮増殖因子(VEGF)、ウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子(PAI-1)との関係を調べた。

次いで、in vivoでの樹状細胞成熟と機能への抗VEGF抗体(ベバシズマブ)投与の影響を調べた。健常被験者に比べ、癌患者は免疫調節性の樹状細胞(DC2)への偏りがあり、一晩の体外培養後の樹状細胞成熟が欠如し、樹状細胞の未熟骨髄前駆細胞が有意に増加していた(末梢血単核球でそれぞれ 0.50 +/- 0.31% vs. 0.32 +/- 0.16%, P = 0.011)。正の相関がDC2とPAI-1(R = 0.50)、未熟骨髄細胞とVEGF(R = 0.52)に認められた。癌患者へのベバシズマブ投与は未熟前駆細胞の蓄積減少と相関し(0.39 +/- 0.30% vs. 0.27 +/- 0.24%, P = 0.012)、末梢血における樹状細胞の軽度の増加をもたらした(0.47 +/- 0.23% vs. 0.53 +/- 0.30%)。さらに抗VEGF抗体は樹状細胞の同種刺激能とT細胞のリコール抗原に対する増殖を増強した。これらのデータから樹状細胞の分化はVEGF濃度と負の相関があり、特に進行性悪性腫瘍患者における抗癌免疫障害を説明するものであると考えられる。

PMID: 18193223

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

arrow_upward