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単剤もしくは併用でのベバシズマブ、スニチニブ、ソラフェニブの単球からヒト樹状細胞への分化における影響

  • 2009年5月17日

Influence of bevacizumab, sunitinib and sorafenib as single agents or in combination on the inhibitory effects of VEGF on human dendritic cell differentiation from monocytes.
Br J Cancer. 2009 Apr 7;100(7):1111-9.
Alfaro C, Suarez N, Gonzalez A, Solano S, Erro L, Dubrot J, Palazon A, Hervas-Stubbs S, Gurpide A, Lopez-Picazo JM, Grande-Pulido E, Melero I, Perez-Gracia JL. Gene Therapy and Hepatology Division, CIMA, Universidad de Navarra (スペイン)

血管内皮増殖因子(VEGF)は樹状細胞の分化と成熟を阻害し、この脈管形成促進因子(proangiogenic factor)が免疫抑制の役割を果たす可能性が示唆されている。ベバシズマブ、スニチニブ、そしてソラフェニブはVEGFを介した血管新生を標的としており、さまざまな癌に効果があるが、その免疫機構への影響はほとんど解明されていない。

この研究から、低酸素下で培養した腎癌細胞株のVEGFと上清がヒト単球の樹状細胞への分化を変化させることが分かった。さらにその結果発生する樹状細胞を同種反応性の混合したTリンパ球反応により評価したところ、その活性には障害がみられた。スニチニブを除くベバシズマブとソラフェニブはVEGFの抑制作用に拮抗したが、腫瘍上清を介した抑制作用には拮抗しなかった。VEGFの影響下で成熟した樹状細胞から発現するヒト白血球抗原-DR(HLA-DR)とCD86は減少しており、この作用はベバシズマブとスニチニブにより拮抗された。最後に、腫瘍細胞上清は成熟樹状細胞により生成されるインターロイキン-12(IL-12)を減少させ、その阻害作用は単剤であっても併用であってもいずれの試験薬剤にも拮抗を受けなかった。腫瘍細胞上清の悪影響はVEGFから分離された熱安定性分子により主に仲介された。これらの結果は、単球から樹状細胞への分化阻害が多因子の影響を受けることを示しており、免疫学的調節因子を介する血管新生阻害薬併用療法の開発を支持するものである。

PMID: 19277038

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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