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治療が終了した後にー末梢神経障害

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治療が終了した後にー末梢神経障害

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 翻訳更新:2013年10月1日

 

神経障害

 

神経障害が原因で刺すような痛みやしびれを、特に手や足に感じることがあります。アメリカ人の1~2%はこの病気にかかっており、1本の神経、あるいは複数の神経が損傷を受けることにより発症します。様々なタイプがありますが、がんでもっとも多いのは末梢神経障害です。

 

医療チームに神経障害について次のことを質問しましょう。

  • 神経障害の症状や治療にはどのようなものがありますか?
  • どのような治療が私には適していますか?
  • どのようにすれば神経障害の症状にうまく対応できますか?理学療法や作業療法を受けることができますか?
  • 神経障害を受け入れて生活している長期サバイバーのグループはありますか?

 

末梢神経障害はがんの長い道のりで、いつ発症するかわかりません。ときには治療が終わった後に発症することもあります。症状の原因を知り、医療チームにあなたの症状を説明できるようになることが神経障害の治療に役立ちます。患者と医療専門家の両方ともが、症状を無視してしまっていることも頻繁にあります。もしも神経障害の症状があるようなら、できるだけ早く医療チームに相談することが重要です。

 

神経障害の症状

末梢神経障害は手や足の位置を知る神経、暑さや冷たさを感じる神経、あるいは痛覚を感じる神経に影響をおよぼします。体のある部分、一般には手や足にチクチクする痛みやしびれを感じることがあります。こうした感覚は軽度から耐えられない痛みまで幅広く、ほとんどの場合、夜間にもっとも強くなります。

 

一般的な徴候や症状には次のようなものがあります:

  • しびれ感またはチクチクする様な痛み(特に手や足)
  • 疼痛や筋肉の痙攣(特に手、足やふくらはぎの筋肉)
  • 接触や温度に対する過敏性
  • 反射の喪失
  • 足や手の脱力感
  • ぎこちない動き
  • 平衡感の喪失(特に暗闇など見えない状況において)
  • めまい(特にベッドから起き上がったり、椅子から立ちあがるとき)
  • 性機能障害

 

神経障害を相手にすることは容易ではありません。もしも症状に気付いたなら、すぐに医療チームに相談しましょう。

 

神経障害のリスクを高める要因

 

神経障害はがんや受けた治療により起こることがあります。神経障害のリスクの高いがんのタイプには、肺、乳房、卵巣、骨髄腫、リンパ腫とホジキン病、精巣などがあります。

 

一生のうちで、神経障害を発症する可能性が高くなる要因には次のものがあります:

  • 高齢
  • 神経障害の家族歴(たとえば家族性糖尿病)
  • 栄養不良状態
  • アルコールの過剰摂取
  • 糖尿病や甲状腺機能異常などの既往症
  • 化学療法剤などある種の薬物でもリスクは高くなります。

 

神経障害のリスクが高くなる薬剤には次のものがあります:

  • 白金化合物
  • タキサン系
  • ビンカ・アルカロイド
  • サリドマイド
  • ベルケイド
  • シトシン・アラビノサイド
  • ミソニダゾール
  • インターフェロン

こうしたリスクの全てについて、医療チームに相談しましょう。

 

 

神経障害の治療

末梢神経は治癒力が非常に優れています。たとえ数ヵ月かかるとしても、回復する能力があります。しかし場合によっては、神経障害の症状が軽くなるとしても、完全にはなくならないことがあります。たとえば、放射線による神経損傷は順調に回復しないことがしばしばです。化学療法による神経障害もまた治癒が困難であり、回復には18カ月から5年、あるいはさらに長期間を要することもあります。白金製剤誘発性の神経障害では回復期に症状の悪化をみることがあります。

 

 

神経障害の治療はその原因により異なります。たとえば:

  • 神経障害が栄養失調に関連するのであれば、サプリメントが有効です。
  • 神経障害が、例えば糖尿病や甲状腺機能障害などの疾患に関連するのであれば、疾患を治療することにより神経障害の症状が改善することがあります。
  • 化学療法と関連する神経障害では、治療は対症療法が中心となり、症状の緩和や機能の改善を目的として計画されます。
  • 治療中に症状が発症しても化学療法を続けるような場合、神経障害が悪化することがあります。
  • 臨床試験により一部の薬物治療の有効性が示されており、末梢神経の治癒や化学療法に関連する神経障害の発症や重症化の予防に役立てることができます。

 

 

 回復には次のことが役に立ちます:

  • チアミンやタンパク質、抗酸化物質を豊富に含む食品などの良好な栄養。
  • 糖尿病や甲状腺機能低下症などの疾患の管理や改善。
  • 適切な鎮痛剤。
  • 理学療法や作業療法。

 

神経障害による日常生活への影響

神経障害による疼痛は日常活動や生活の質に大きな影響をおよぼします。神経障害の症状は軽度から重度まで様々であり、症状もサバイバーによって異なります。しかし、適切な治療を行うことにより神経障害による影響を抑えることが可能です。

 

 神経障害があると次のような症状が現れます:

  • 介助なしで長時間立っていたり、歩いたりすることが困難になる。
  • バランスを保つのが困難であったり、転倒する危険が大きくなる。
  • ボタンを掛けたり、紐やネクタイを結ぶような動きが難しくなる。
  • 熱や低温に過敏になる
  • しびれを感じたり、痛みの感覚がなくなる。
  • 疼痛

 

温度に敏感である場合には極端な温度を避けて、必要に応じて保護衣料を使用しましょう。しびれ感があったり痛みを感じなくなったときには、皮膚に傷やひび割れがあっても気付かないことがあるので、手や足の皮膚に細心の注意を払うことが大切です。

 

 

神経障害支援グループを見つけましょう。

  • 医療チームにアドバイスを求めましょう。がん治療プログラムによっては、がんサバイバーとその家族向けに、院内のサポートグループを紹介しているものもあります。
  • 近くのがんセンターや大学病院にサポートグループについて問い合わせてみましょう。
  • 非営利のがん支援組織に連絡して、近所のサポートグループやがんセンターのリストを入手しましょう。
  • LIVESTRONGがんナビゲーションサービスに連絡を取りましょう。電話番号(855)220-7777

 

痛みのある場合には、靴を履いたり、夜間にひざ掛けを使うような日常的な活動が難しくなりますが、痛みを緩和する治療法のあることを覚えておいてください。どんな治療法があるのか、できるだけ早く医療チームに尋ねましょう。

 

神経障害により車のフットペダルの感触に影響が現れる場合は、車を手動式に改造するまで運転してはいけません。アクセルからブレーキペダルに足を動かす反応時間が長くなると事故を起こすことがあります。運転する能力を失うと、自立心がなくなったように感じるかもしれませんが、あなたの安全や他の人々の安全が脅かされることを考えてみましょう。

 

医療チームにアドバイスを求め、日常作業を安全で楽に行うための特別の器具について尋ねてみましょう。アドバイスには常夜灯、家の中での転倒を防ぐための手すりや安全対策などがあるでしょう。理学療法士や作業療法士は、身体能力を保つのに役立つ体操をサバイバーに教えてくれます。

 

人によっては、神経障害が身体的、精神的ストレスの原因になることがあります。うつ病の症状に気を付けて、すぐに医療チームに援助を求めましょう。力を合わせることにより、末梢神経障害に対処できるようになります。

 

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■  ‘ジャパン・フォー・リブストロング’のサイト(Japan for LiveSTRONG)

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小縣正幸 訳

林正樹 (血液・腫瘍内科 社会医療法人敬愛会中頭病院)監修

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