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治療が終了した後に― オストミー

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治療が終了した後に― オストミー

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 翻訳更新:2013年9月12日

オストミー

がんサバイバーの中には、がん治療を受けた後に、オストミーがある状態で暮らす必要がある人もいます。オストミーは、体内の器官から体外に至る外科的開口部です。オストミーにより、排泄物を体外のストーマ袋に排出したり、栄養物を体内に取り入れたりすることができます。オストミーがある日常生活の管理の仕方を知ることで、あなたは自信を持って人生を送ることができます。

手術法の進歩により、オストミーを必要とするがんサバイバーは比較的少数になりました。しかし、オストミーが必要ながんサバイバーにとって、オストミーは救命手術になりえます。オストミーは一時的なものになるか、あるいは永久的なものになる可能性があります。一時的なオストミーにより、ストーマの下方にある腸や膀胱のある領域の治癒に役立ちます。がんの位置により、結腸末端(直腸)、全結腸、または全膀胱の切除が必要になる場合、永久的なオストミーが必要になることがあります。

がんサバイバーに対するオストミーの大部分は、がん切除を目的とする外科治療での最初の段階で実施されます。しかし、オストミーの中には、外科治療から数カ月後や数年後に実施されるものもあります。がんが腸や膀胱を侵す場合、コロストミー、ウロストミー、またはまれな状況では、その両方が必要になる可能性があります(以下を参照)。

 

がんサバイバーにおける、一般的なオストミーの種類:

    • コロストミー(結腸人工肛門): 大腸や結腸から腹部に至る外科的開口部で、そこから排泄物が体外へ排泄されます。
    • イレオストミー(回腸人工肛門):回腸(小腸の一部)から腹部に至る開口部で、そこから小腸の内容物が体外へ排泄されます。
    •   ウロストミー(尿路変向):泌尿器系における開口部で、そこから尿が体外へ排泄されます。
    • ジェジュノストミー(空腸造瘻術):空腸(小腸の一部)内に至る開口部で、経管栄養が実施できます。
    • ガストロストミー(胃瘻造設術):胃から体外に至る開口部で、経管栄養が実施できます。
    • 気管切開:気管から始まる開口部で、気道を保護するために実施されます。
    • 内部オストミー: 体表面に引き出すのではなく、2つの内部器官をつなぐ外科的開口部です。

 

 

がんサバイバーにおける、まれなオストミーの種類:

 オストミーを必要とする可能性がある癌

 乳児を含むあらゆる年代の人々に対して、オストミー手術を実施することができます。少数の患者で、オストミー手術が同時に2件必要なことがあります。1件目は腸内に至るもので、2件目は泌尿器系に至るものです。がんが膀胱や直腸に転移・浸潤する場合、オストミーが必要になる可能性があります。オストミーは、膀胱や直腸に隣接するがん(子宮頸がんや前立腺がんなど)の場合に実施される可能性が高くなります。オストミー手術が実施される可能性があるがんは、以下の通りです。

  •  卵巣がん:卵巣がんは腹腔内に播種し、小腸や大腸を塞ぐことがあるため、イレオストミーやコロストミーが必要になる可能性があります。
  • 小腸がんや卵巣がん:がんが小腸に拡がった場合、イレオストミーを実施することがあります。
  • 直腸がん:直腸を切除する場合、コロストミーを実施します。
  • 子宮頸がん:子宮頸部と子宮体部は膀胱と直腸の間に位置するため、ウロストミーやコロストミーを実施することがあります。
  • 膀胱がんや尿道がん:膀胱や尿道を切除する場合、ウロストミーを実施します。
  • 小腸がん:がんが小腸を侵す場合、イレオストミーを実施することがあります。
  • 結腸がん:結腸がんの位置によっては、コロストミーが必要になる可能性があります。
  • 前立腺がん:前立腺は直腸の真上に位置するため、前立腺に対する手術や放射線治療にはコロストミーが必要になる可能性があります。
  • 子宮がん:子宮は膀胱より下に、かつ、直腸の上に位置するため、子宮に対する手術や放射線治療にはコロストミーやウロストミーが必要になる可能性があります。
  • リンパ節のがん:腸に転移した場合、実施することがあります。

放射線治療や外科治療による副作用により、オストミーが必要になる可能性もあります。オストミーを要する可能性がある、治療の副作用例は以下の通りです。

  • 前立腺や子宮頸部に対する放射線治療により、腸や膀胱の変化が引き起こされて排泄が問題が発生する可能性があります。
  • 重度の膀胱や腸の炎症
  • 子宮体部、腸、または前立腺に対する放射線治療後の慢性出血
  • 外科治療後の腸閉塞

 

 

オストミーと共に生活を営む

支援を求める

  • 他の人がどのようにオストミーとともに生活しているかを学んでください。あなたの不安と感情を、担当の医療チームや信頼する人たちと共有してください。
  • お住まいの地域にいる支援グループを探してください。担当の医療チームのメンバーに尋ねてください。LIVESTRONG がん・ナビゲーション・サービスに連絡してください(ウェブサイト:LIVESTRONG.org、 電話番号:(855) 220-7777)。
  • お住まいの地域にいる皮膚・排泄ケア認定看護師を探してください。アドバイスについて担当の医療チームに尋ねてください。
  • あなたのオストミーの手入れの方法を学んでください。身体的な理由でオストミーの手入れができない場合を除いて、一人で手入れできることを目標にしてください。

ストーマのある人も通常の生活を営むことができます。

  • 仕事:通常の仕事に復帰することができます。プロスポーツ選手、教師、および弁護士などの様々な分野の人が、オストミーを受けています。
  • レクリエーション:ストーマがある人も、オストミー手術を受ける前に楽しんでいた活動(運動、サイクリング、水泳、ハイキングなど)を続けることができます。
  • 食事:ストーマがある人は自分にとって最適な食べ物や、逆に不快感や他の問題の原因になる食べ物についてすぐに学びます。

 

 

いくつかの活動を行う上では、別のやり方を考える必要があります。医療チームと協力して、以下の分野で生活を調整してください。

  • 薬:オストミーがある場合は、かかりつけの薬局に知らせてください。ある種の薬は、コロストミーやウロストミーに問題を引き起こす可能性があります。錠剤とカプセル剤は、吸収される前に溶解している必要があります。
  • コロストミーについて:ガス(おなら)や悪臭の原因になる食べ物は、オストミー手術を受ける前と同じです。主な原因は豆類、タマネギ、キャベツ、および香辛料の入った料理です。気になる場合は、これらの食べ物を避けてください。薬剤誘発性便秘は問題になる可能性があります。鎮静剤と鎮痛剤は、便秘と関連します。
  • イレオストミーについて:一部の食べ物が腹痛やオストミーからの排泄困難を引き起こす場合は、よく噛むか、あるいは食べることを避ける必要があります。これらの食べ物には、トウモロコシ、ポップコーン、および木の実が含まれます。下痢の原因になる食べ物を知っておくことは重要です。下痢により水分が過度に喪失し、脱水に至る可能性があります。イレオストミー手術を受けた後の薬について、薬剤師に尋ねてください。抗生物質と制酸剤は、下痢を引き起こす可能性があります。徐放性の12時間製剤は有効に作用しない可能性があります。液剤はより速く吸収されるため、より有効であるかもしれません。
  • ウロストミーについて:一部の薬は、尿路結石の原因になる可能性があります。利尿剤を服用している場合、より頻繁にストーマ袋の中身を出す必要があることを知ってください。ウロストミーがある多くのがんサバイバーは、消臭を目的としてビタミンCを摂取します。
  • 衣服:オストミー手術前と同じような衣服を着ることができます。ストーマ袋の上はゆったりとした服を着た方が着心地がよいでしょう。しかし、オストミーがあるがんサバイバーの多くは特に問題も無く、水着などの、身体にぴったりした衣服を着ています。最善のルールは、着心地がよい衣服を着ることです。
  • 入浴:ストーマは、口や肛門に見られる組織に似ています。ストーマは、水で傷がつくことはありません。入浴、シャワー、および水泳することに問題はありません。ストーマ周辺の皮膚は清潔にし、乾かして下さい。ストーマ袋の下にある皮膚が赤くなったり特別なケアが必要になったりした場合は、医療チームに連絡してください。
  • 性行為: ストーマにより、恥ずかしさを感じる場合があります。がんサバイバーの中には、パートナーから拒絶されることを恐れる人もいます。しかし、ほとんどのパートナーはあなたが帰って来て安心し、そしてこれらの変化について気にしていないことが多いのです。あなたの不安について、パートナーと率直に話すようにして下さい。オストミー手術後は、抱き合ったり、キスしたりお互いに触れ合うことから段階を経て徐々に親密さを取り戻したいと思うかもしれません。あなたが自信を取り戻し、ストーマにも慣れてくると、オストミー手術前のような性行為を楽しむことができるでしょう。性行為はパートナーとの親密さであり、がん治療やオストミー手術によって、このあなた自身にとって大切な部分が絶たれる必要はないのです。あなたやパートナーが性行為について不安を感じている場合は、担当の医療チームに相談してください。

 

がん治療の間にオストミーを設ける

オストミーがあるがんサバイバーの中には、オストミー手術とは別のがん治療が必要な人もいます。考慮する問題点は以下の通りです。

  •  化学療法:がんサバイバーは、化学療法を受けた後に気分が悪くなったか、倦怠感を感じた場合に、オストミーを手入れする支援が必要だと感じる場合があります。一部の薬の副作用は、オストミーに影響を与える可能性があります。経過観察の診察時に、担当医にあなたのオストミーを診察してもらってください。診察のために取り外せるよう、予備のストーマ袋を持参してください。コロストミーがある場合、下痢をしている時は腸洗浄をしないでください。
  •  放射線治療:放射線治療は、多くのがんサバイバーにとって、不可欠ながん治療の1つです。ストーマが放射線治療の照射野内にある場合、治療のたびにストーマ袋を取り外す必要があるかもしれません。病院にあなたのストーマに合うストーマ袋がないかもしれないので、受診時には毎回予備のストーマ袋を持参してください。放射線治療は、ストーマ周辺の皮膚に変化を引き起こす可能性があります。ストーマや皮膚に生じたどのような変化でも担当の放射線治療チームに知らせてください。放射線治療を受けている間に下痢が生じ、かつ、あなたにコロストミーかイレオストミーがある場合は、すぐに担当の看護師に知らせてください。病院や診療所にストーマ用具を持参してください。あなたにオストミーがあることと、オストミーのケアの方法を担当の医療チームに知らせてください。

 

このような身体の変化が、そのイメージに影響を与える可能性があります。オストミーがあっても、人間としての価値は変わらないことを忘れないでください。自分からストーマがあると言わなければ、誰も気付かないでしょう。 あなたは普通の充実した人生を送ることができます。医療チームはあなたの質問に答え、かつ、あなたが順応する手助けをしてくれるでしょう。

 

原文ページへ

■  ‘ジャパン・フォー・リブストロング’のサイト(Japan for LiveSTRONG)

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渡邊岳 訳

榎本裕(泌尿器科 東京大学医学部付属病院)監修

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