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ベバシズマブでの治療を受けた患者における消化管穿孔リスク:メタ解析

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ベバシズマブでの治療を受けた患者における消化管穿孔リスク:メタ解析

Risk of gastrointestinal perforation in patients with cancer treated with bevacizumab: a meta-analysis.
Lancet Oncol. 2009 May 22. [Epub ahead of print]
Hapani S, Chu D, Wu S.
ストーニーブルック大学医療センター、内科部門、血液学・腫瘍内科部(米国ストーニーブルック)

背景:消化管穿孔は現在の癌治療で広く用いられている血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤であるベバシズマブに関連した重篤な有害事象である。ベバシズマブと消化管穿孔との関連は、米国食品医薬品局(FDA)により消化管穿孔を起こした患者では投与を中止し以後投与しないことを勧告する黒枠警告で強調されている。しかしながらベバシズマブと消化管穿孔との有意な相関はまだランダム化試験で確立しているわけではない。われわれはベバシズマブによる治療に関連した消化管穿孔の全リスクを評価するために論文化されたランダム化比較試験の系統的レビューとメタ解析を行った。

方法:われわれは1966年1月から2008年7月にかけて出版された論文をPubMedとWeb of Scienceヌ$データベースで検索した。さらに関連した臨床試験を特定するために2000年1月から2008年7月にかけて米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された抄録を検索した。適格とした試験はベバシズマブを標準的な抗腫瘍治療と組み合わせて対照群と比較するプロスペクティブ・ランダム化比較試験である。発生率、相対リスク、そして95%信頼区間(CI)の集計は組み込まれた試験の不均質性にもとづき、固定効果モデルまたは変量効果モデルで計算した。

結果:17件のランダム化比較試験から、さまざまな固形腫瘍の患者12,294例がわれわれの解析に組み込まれた。消化管穿孔の発生頻度はベバシズマブ投与患者では0.9%(95% CI 0.7 1.2)で、死亡率は21.7%(11.5 37.0)であった。ベバシズマブでの治療を受けた患者は、対照群の患者と比較して消化管穿孔のリスクが有意に高く、相対リスクは2.14(95% CI 1.19 3.85; p=0.011)であった。リスクはベバシズマブの投与量と腫瘍の種類により異なった。ベバシズマブの投与量が5mg/kg/週, 2.5mg/kg/週の患者での相対リスクはそれぞれ2.67(95% CI 1.14 6.26), 1.61(0.76 3.38)であった。結腸直腸癌(相対リスク 3.10, 95% CI 1.26 7.63)、腎細胞癌(相対リスク 5.67, 0.66 48.42)でリスクが高いことが示された。

解釈:癌治療にベバシズマブを加えることで対照群と比較し消化管穿孔のリスクを有意に増加させた。そのリスクはベバシズマブの投与量と腫瘍の種類により異なる。消化管穿孔から回復した特定の患者におけるベバシズマブの使用を調べるための試験を行うことが推奨される。

PMID: 19482548

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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