化学療法と胸部放射線治療後に完全奏効となった限局型小細胞肺癌患者の予防的全脳照射(PCI)での標準線量と高線量との比較(PCI 99-01, EORTC 22003-08004, RTOG 0212, IFCT 99-01):ランダム化臨床試験 | 海外がん医療情報リファレンス

化学療法と胸部放射線治療後に完全奏効となった限局型小細胞肺癌患者の予防的全脳照射(PCI)での標準線量と高線量との比較(PCI 99-01, EORTC 22003-08004, RTOG 0212, IFCT 99-01):ランダム化臨床試験

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化学療法と胸部放射線治療後に完全奏効となった限局型小細胞肺癌患者の予防的全脳照射(PCI)での標準線量と高線量との比較(PCI 99-01, EORTC 22003-08004, RTOG 0212, IFCT 99-01):ランダム化臨床試験

Standard-dose versus higher-dose prophylactic cranial irradiation (PCI) in patients with limited-stage small-cell lung cancer in complete remission after chemotherapy and thoracic radiotherapy (PCI 99-01, EORTC 22003-08004, RTOG 0212, and IFCT 99-01): a randomised clinical trial.
Lancet Oncol. 2009 May;10(5):467-74.
Le Pechoux C, Dunant A, Senan S, Wolfson A, Quoix E, Faivre-Finn C, Ciuleanu T, Arriagada R, Jones R, Wanders R, Lerouge D, Laplanche A; Prophylactic Cranial Irradiation (PCI) Collaborative Group.
Institut Gustave-Roussy 放射線科(フランス)

背景:限局型小細胞肺癌(SCLC)に対する予防的全脳照射(PCI)の最適な線量は明らかとなってはいない。メタ解析では脳転移の頻度はより高線量のPCIで下げるとされている。このランダム化臨床試験では脳転移の発生率における標準線量のPCIと高線量のPCIの影響を比較した。

方法:1999年9月から2005年12月にかけて化学療法と胸部放射線治療後に完全奏効となった22カ国157施設の限局型小細胞肺癌患者720例を標準線量(n=360, 25Gy/2.5Gy/10回連日)のPCIと、より高線量(n=360, 36Gy)で通常分割(2Gy/18回連日)もしくは加速過分割照射(1.5Gy/1日2回最低6時間の照射間隔をあけて24分割を16日間)のPCIのいずれかに無作為に割り付けた。治療スケジュールはすべて週末を除外した。治療施設、年齢(60才)、導入化学療法開始時から割り付け日までの期間(180日)で層別無作為化した。試験適格患者はInstitut Gustave Roussyデータセンター(PCI99-01とIFCT)で最小化を用い、EORTCデータセンター(EORTC ROGとLG)とRTOG(CALGB, ECOG, RTOG, SWOG)ではともにブロック層別化を用いて無作為に割り付けられた。主要評価項目は2年での脳転移の発生率である。解析は包括解析により行った。本研究はClinicalTrials.gov number NCT00005062に登録されている。

結果:標準線量群の5例と高線量群の4例がPCIを受けなかったとはいえ、無作為化された全例を有効性解析に含めた。追跡期間の中央値39カ月(0〜89カ月)ののちに145例で脳転移が発生し、そのうち82例は標準線量群、63例が高線量群であった。2年脳転移発生率は標準線量PCI群29%(95% CI 24〜35)、高線量群23%(18〜29)で、両群間に有意差はなかった(ハザード比[HR] 0.80 [95% CI 0.57〜1.11], p=0.18)。標準線量群の226例、高線量群の252例が死亡し、2年全生存率は標準線量群で42%(95% CI 37〜48)、高線量群で37%(32〜42)であった(HR 1.20 [1.00〜1.44]; p=0.05)。高線量群で全生存率が低かったのは、病気の進行による死亡が標準線量群で189例であったのに対し、高線量群では218例と癌関連死が増加したためと考えられる。重篤な有害事象は標準線量群で5例に発生したのに対し、高線量群では一例も認めなかった。
最も多かった急性毒性事象は倦怠感(標準線量群106例 [30%] vs 高線量群121例 [34%])、頭痛(標準線量群85例 [24%] vs 高線量群99例 [28%])、そして嘔気・嘔吐(標準線量群80例 [23%] vs 高線量群101例 [28%])であった。

解釈:高線量PCI後の脳転移の総発生頻度は有意な減少を得られず、死亡率が有意に増加した。限局型小細胞肺癌の標準治療としてPCIは25Gyにとどめるべきである。

PMID: 19386548

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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