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治療が終了した後にー倦怠感

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治療が終了した後にー倦怠感

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 翻訳更新:2013年9月23日

倦怠感

 

がんサバイバーにおいては、時にひどい疲れを感じたり、または日常生活を続ける元気さえでないことがあるかもしれません。倦怠感は、サバイバーが積極的治療中に最もよく経験する症状の一つです。倦怠感の原因と症状に気づく方法がわかれば、うまく対処できるようになるでしょう。

 

サバイバーは、がんに対して受けた治療や、がん闘病中に抱く様々な感情が原因で慢性疲労を経験することがあります。また、倦怠感が、再発や他の病気の徴候ということもあります。倦怠感には次のようなタイプがあります。

  • 短時間、疲れを感じる急性疲労。
  • 常に疲れを感じる慢性疲労。疲れが出たり、治まったりするが、完全に消え去ることはないという疲労感も含めます。

 

 

倦怠感を軽減する方法

  • 活動と休養の心地よいバランスを保つ。
  • 医療チームとの連携を密にして、慢性疼痛や感染症など、倦怠感を起こしている可能性のある身体状態を特定し、処置する。
  • あなたの人生と健康的なライフスタイル(食事、運動、禁煙など)のバランスをとる。
  • 睡眠習慣に注意する。睡眠日記をつけて、医療提供者と情報を共有できるようにする。
  • 薬が変わったせいで倦怠感が起きているのではないかどうか、医療提供者に相談する。

倦怠感を感じる場合、それを無視したり、不平を言わないよう自分に言い聞かせたりしないでください。倦怠感の症状対策について医療チームに相談してください。

 

倦怠感の症状:

  • 夜間に熟睡した後でさえ感じる疲労感
  • 一日中眠い感じ
  • 突然のひどい疲労感
  • 立ち上がれないほどの脱力感
  • 日常活動になかなか取りかかれない
  • していたことを中断して休まなければいけない
  • 長時間は活動を続けられない
  • 集中できない
  • 神経過敏

 

 

 

倦怠感の原因となるがん治療法

大抵の場合、積極的治療終了後6か月以内で活力レベルは元に戻ります。しかし、研究の結果、がんサバイバーの約30パーセントは倦怠感がもっと長く、場合によっては数年間も続くことがあると分かりました。倦怠感を引き起こす可能性がより高いがん治療法として以下のものが挙げられます。

  • 化学療法
  • 生物学的療法(インターフェロンなど)
  • 高用量化学療法と、それに続く骨髄移植または幹細胞移植
  • 疲労感を起こす可能性のある特定の薬物療法
  • ホルモンに影響する化学療法、放射線治療、手術による治療

 

倦怠感は治療期間中に経験するだけのものと考える人が多いようですが、積極的治療が終了して数か月後、数年後に倦怠感を経験するサバイバーもいます。

ずっと気分がよかったのに、突然、再びひどく疲れるようになった場合、新たな重度の倦怠感に陥っているのかもしれません。これは、感染症の徴候、あるいはがん治療の晩期障害である可能性があります。あなたの医療提供者に連絡して、その倦怠感について相談してみましょう。

 

倦怠感の身体的要因

倦怠感のはっきりした原因が分からない場合もありますが、あなたと医療チームが協力し合って倦怠感に対処する方法はまだあるはずです。倦怠感の身体的要因として、次のようなものがあります:

  • 赤血球数の低下(貧血)
  • 呼吸困難
  • 心臓が血液を送り出す働きの変化
  • 手術や治療による筋肉や骨の変化
  • 体内のホルモン値の変化
  • 免疫機能の変化、免疫系が攻撃を受けた際の身体反応の変化
  • 腎臓機能の変化により、老廃物の排除がうまくいかない
  • 睡眠障害
  • 身体の動きが困難になる、足の痛みやしびれなどの症状
  • 薬物療法の副作用
  • 慢性疼痛
  • 無活動
  • 栄養不良、脱水

 

 倦怠感の心的要因

倦怠感は、抑うつ状態(長引く悲しい気持ち)とも関連があります。それらはともに、がん闘病中に起こることがあり、医療チームに相談すべき重要な問題です。しかし、サバイバーが疲れているからと言って、必ずしも気力が低下しているとは限りません。まわりの人々から、「あなたは疲れているのではなく、ただ落ち込んでいるだけですよ」というようなことを言われるかもしれません。抑うつは倦怠感の一因であるかもしれませんが、身体的要因と心的要因のあらゆる可能性について医療チームに相談することが大切です。倦怠感の心的要因には次のようなものがあります:

  • 心配
  • 不満
  • 退屈
  • 抑うつ

倦怠感は治療できる状態ですから、あなたの医療チームと協力して、その症状にうまく対応できるはずです。医学界では、倦怠感の理解と治療法の発見に取り組んでいます。

 

 

●●● 前立腺がんサバイバーの話 -ハロルド・B- ●●●

私は、1997年12月、がんサバイバーになりました。

治療後、私はいわゆる「治癒」と見なされました。残念ながら1年後、私のPSA値は限界を越えました。急速に上昇したのです。入院し、骨スキャン検査を受けた結果、陽性でした。骨格構造の数か所に転移していました。それが今の私の状態です。進行性前立腺がんに対して複合的なホルモン療法を開始しましたが、これは一次治療が効を奏さなかった場合に行うものです。がんが進行したら治療法はありません。

 

手術の際にインポテンスの問題に直面し、これはしばらく続きます。私が受けたような神経保存手術を受けた場合、術後の回復の早さは、手術前の元の能力によって違います。もう一つの身体的問題は失禁です。手術で括約筋が損傷を受けることが多く、さらに、排尿を制御する別の神経も損傷を受けることがあるからです。私は9か月後、パッドなどを使わなくなりました。ところが、その後、また失禁するようになり、元に戻ってしまいました。ホルモン治療を受けると性欲がなくなるため、欲求もなくなります。私は再び失禁が起きて以来、尿を我慢することができなくなりました。普通はできることですが、私はずっとできない状態です。

 

 

インポテンスについて話すことを気恥ずかしいとは思いません。私よりも相手の方がまごつくことが多いです。私がかねてから勧めていることですが、男性は奥さんを連れて来ると良いと思います。一緒に見聞きすれば、助け合えます。私のかかりつけの医師はヴァイアグラなどの薬剤の使用を勧めましたが、どうなのでしょう。私はあまりたくさん薬を飲みたくありませんので、飲む必要がないものなら、飲みません。

 

失禁に関しては、いつもたくさんのパッドを手元に用意しておくだけです。今はそれほど悪くありません。柑橘系ジュースは体内で濃縮されて尿になると困ったことになるため、必ず大量の水を飲み、常に腎臓を空っぽにしておくようにしなければなりません。また、果物は控えなければなりません。現在、1日にコップ約15杯の水を飲むため、どこへ行ってもトイレの場所は必ず確認するようにしています。トイレが空いていそうな場所をすべて知っておけば、祈るような気持ちで行列に並んで待たなくてすむでしょう。少し気を付けている、それだけのことです。

 

注意すべきホルモン療法の別の副作用がいくつかあります。何がどのホルモンと関わっているのか私には分かりませんが、副作用の一つとして、貧血から来る倦怠感があります。車の運転には注意が必要です。一度、赤信号で止まり、信号が変わるのを待つ間に眠ってしまったことがありました。そういうことには特に注意しなければなりません。老いた体が勝手に機能を停止し、眠ってしまうからです。とにかく自分の身体で覚えなければなりません。一度覚えてしまえば、それにうまく対応し続けることです。

もう一つの副作用は、便秘か下痢です。そして、女性の更年期障害と同様のほてりです。私はただ汗が出るだけで慣れました。飲み薬もありますが、私は余分に薬を飲みたくありません。仲間の中には、私より肌の色がずっと白く、顔が赤くなって本当に困っている人もいます。

 

それ以外に直面する問題は、頭の切れが悪くなることです。私はしゃべっていても、ふと言葉を失い、あたりを見回して言葉を思い出そうとしても出てこないことがあります。筋肉量も低下します。乳房肥大が起きますので、Tシャツを着るようにしています。また、陰毛以外の体毛が抜けます。私は口髭がかなり薄くなりました。カルシウムが徐々に浸出するため、骨粗しょう症になることがあります。私はとても大粒のカルシウム錠を飲んでいます。

 

ある朝、散歩していると、ちょうど股関節あたりに痛みを感じました。主治医は原因が分からず、私に理学療法を受けるように言いました。4週間目あたりで心配になりました。というのも、理学療法期間が残り少なくなっても痛みが消えないからです。

私の義理の兄(弟)が葬儀場で働いており、そこにはパンフレットがたくさん並べられた棚があります。その中に抑うつに関するものがありました。それを読んでみると、抑うつ症状の一つとして原因のない痛みがあり、その痛みは消えないか、消えたり再発したりして、説明できない痛みであると書いてありました。それで分かりました。ホルモン治療の副作用の一つに抑うつがあり、あなたが抑うつ状態になっていたとしても、いつ抑うつ状態になっているのか、自分では分からないということです。

私は、「Us Too(私たちも)」というサポートグループに入っています。月に1回集まり、お互いの経験を共有します。妻たちも同伴し、個人的な問題などについても包み隠さずにあれこれ話し合います。とても役に立ちますので、他の人にもお勧めします。

男性は自分の病気のことを話さないものです。私たち男性は感情を表に出すのが苦手ですから。初めの頃、それで私は困りました。病気について話すべきかどうか、誰に話すべきかと。アフリカ系アメリカ人だけではなく、たいていの男性は病気のことを話したがりません。しかし、アフリカ系アメリカ人は特に話さなくてはならないと思います。というのも、私たちは他の人種よりこの病気で亡くなる人が多いからです。

私の身に起こったことの中で、私が心の準備もしていなかったことは、がんが死と同義語と思われていて、人々がその話題を避けようとすることです。私が人にがんについて話すと、私と近かった人たちでさえ、必ず後ずさりして、間に距離ができてしまうのが分かりました。初めはそれを受け入れるのが難しかったです。そうしたことも問題の一つであり、抑うつ、心配、ストレスはさらに増します。だから、人はがんについて話さないのです。

私のストレス対処法は、自分で幸せになろうとすることです。事は起こる時には起こります。できるところまで自分で対応し、それから残った問題に取り組みます。私は20年間、軍隊にいましたので、軍隊での問題対処法が私のやり方でした。今、こうして状況が変わっても自分でできることはすべて自分でしてきました。今の私にできることは、自分で幸せになることだけです。もちろん、そうすることで体調も良好に保てます。ひどい抑うつ状態になることもありません。やりたいことをやって常に忙しくしています。その他に役立つことで、私が実践していることは、人にがんについて話すようにして、自分一人で抱え込まないようにすることです。

 

希望はあります。そして、希望がある限り、生きがいのある人生になります。だから、病気に関してだけではなく、自分の人生に関しても、前向きな影響を及ぼすようにしなければなりません。

ストレス対処法の第一は、自分の心の在り方、つまり、自分が誰であるか、自分以外の事柄とどのように関わっているのかについて、自分自身に正直になることです。なぜなら、自分ががんであろうがなかろうが、世界はいつも存在し、動き、回り、木々は花を咲かせ、動物たちは去来し、自分もこうしたすべての中の一部であることが分かります。あなたの周りにあるあらゆるものについて、あなたは何を信じますか。それが定まれば、あとは簡単です。ストレスレベルは下がります。

 

自分ではどうしようもないこともあります。それを乗り越えて、自分も全体の中の一部であることに気づけば、自分が誰で、どういう人間で、どんなことをして他の人やものたちを幸せにできるのか、ありのままの自分を受け入れられるようになります。そうすれば、あとは楽です。

私の名前はHarold Bowling、70歳、前立腺がんサバイバー歴6年です。

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■  ‘ジャパン・フォー・リブストロング’(Japan for LiveSTRONG)のサイト

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山田登志子 訳

北村裕太 (内科研修医 東京医科歯科大学医学部付属病院)監修

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