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治療が終了した後にー慢性的な痛み

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治療が終了した後にー慢性的な痛み

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 翻訳更新:2013年9月29日

慢性的な痛み

がんサバイバーは治療の後も、慢性的な痛みを経験することがあります。慢性的(ないしは持続性)疼痛は軽いものから激痛まであり、生活の質に響くこともあります。さいわい、今は痛みの治療方法がたくさんあります。もし痛みがあれば、必ず医療チームに伝えましょう。痛い思いをせずに生きることは可能です。

 

慢性的な痛みの原因

慢性的な痛みの原因はさまざまで、必ずしもすべてのサバイバーが慢性疼痛を経験するわけではありません。がん治療に起因する慢性疼痛もあれば、がんが身体の別の部位に拡がったことに起因するものもあります。

  • 骨転移:乳がん、前立腺がん、肺がん、腎臓がん、大腸がんのサバイバーは、がんが骨に拡がった(転移した)ために痛みを感じることがあります。 骨転移は、進行がんにおける痛みの原因でもっとも頻度が高いものです。
  • 末梢神経障害:抗がん剤治療、手術、または放射線療法によって神経が傷つくことがあります。 症状は、がん治療を止めると消失するかも知れません。しかし、もし神経が恒久的に損傷すると、末梢神経障害が残ることがあります。タキソール、ビンクリスチン、タキソテール、オキサリプラチン、シスプラチンなどの抗がん剤は、末梢神経障害を誘発することがあります。自分が使用している薬で起こる可能性がある副作用について心配があれば、医療者にご相談下さい。
  • ステロイド剤:がん治療の一環として投与されるステロイドは、慢性的な骨の痛みを引き起こす場合があります。ステロイドのせいで骨が弱くなり、骨がもろくなったり(骨粗鬆)、痛みが生じたりします。がん治療中にステロイドの投与を受けた方は、医療チームに相談して、薬剤による慢性疼痛のリスクがあるかどうか確かめてください。
  • 放射線治療と手術放射線治療と手術は、さまざまな急性(突発発作による短期の激痛)または慢性の痛みをもたらす可能性があります。術後すぐの疼痛治療が不適切だと、回復の遅れや、慢性疼痛の問題を引き起こすかも知れないことが、研究によってわかりました

 

 

医療チームにご相談下さい

痛みの症状について主治医に話しましょう

  • 新たな、またはこれまでとは違う痛み
  • 痛みを感じる頻度と持続時間
  • 手足の痛み、しびれ、疼き、または灼熱感
  • 痛む部位
  • どのくらい痛いか(0-10の尺度で)
  • 痛みの部位と頻度
  • 痛みを軽減したり、悪化させたりするもの
  • 痛みのせいで眠れなかったり、食事がとれなかったり、日常生活に支障があるか

 

 

疼痛管理について自分で確認しましょう

  • 痛みを伝えると、医療チームは深刻に受け止めてくれますか?
  • 痛みの原因について、主治医は教えてくれましたか?
  • 痛みに対する治療の選択肢をすべて伝えてもらいましたか?
  • それぞれの治療の利益とリスクを理解しましたか?
  • 痛みの管理に関する意思決定に加わっていますか?
  • 持続中の痛みに関して、疼痛専門医を紹介してもらいましたか?

 

疼痛は、睡眠、食事、就労、友人や大切な人と過ごす時間のあり方に影響する可能性があります。痛みが自分の生活にどう影響しているか、医療者に伝えてください。医療チームはあなたの話を聞き、あなたの痛みの性質や頻度について尋ねるはずです。痛みの原因を特定するために検査が必要なこともあります。複数の方法を試みてはじめて、あなたの痛みを和らげるのに何がもっとも有効かがわかる場合もあります。

良質な疼痛ケアを受けてしかるべきなのです。自身の特定の症状について、医師が治療経験・技術を持っていることを確かめてください。たとえば理学療法士や麻酔専門医など、疼痛管理を専門とする医師・看護師もいます。もし、自分の主治医が痛みを効果的に管理することができないと思うなら、疼痛専門医を紹介するように依頼してください。

 

痛みの治療薬

薬について医療チームに確認しましょう

  • 薬の名称は何ですか?
  • どのくらい服用すればよいですか(用量と服用間隔)?
  • いつ服用すればよいですか?
  • 服用前に何か食べた方がよいですか?
  • この薬には何か副作用がありますか?
  • この薬は服用中の別の薬を阻害したり、相互作用があったりしますか?
  • 別の治療法はありますか?

 

 

がん疼痛の治療には、たいてい1種類かそれ以上の鎮痛薬を用います。何か特定の治療を受けることについて懸念があれば、主治医・薬剤師に相談してください。 薬の長期連用に伴う副作用、たとえばアレルギー、便秘、鎮静、記憶障害、その他の反応について尋ねて下さい。

  • 軽度の痛み: アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)などの薬で抑えることができるでしょう。イブプロフェンやナプロキセンなど、処方箋なしで購入できる薬もあります。
  • 中等度の痛み: 場合によって、ヒドロコドンやオキシコドンなどのオピオイド(麻薬性鎮痛薬とも言う)と、アセトアミノフェンやアスピリンを併用する必要があります。たとえばバイコジンやパーコセットは、そのような合剤です。
  • 重度の痛み: 通常、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、メタドンなどのオピオイド(麻薬性鎮痛薬とも言う)のみを含有する薬が必要です。これら麻薬性鎮痛薬は、経口または静脈注射(もしくは両方)で投与されます。
  • 骨の痛み: 骨の痛みが転移性がんに関連する場合、治療薬としてビスフォスフォネートという骨を強くする薬やステロイド製剤などが投与されます。(放射線治療と手術も、症状緩和に大変効果的な場合があります)
  • 抗うつ剤: たとえばアミトリプチンやデュロキセチンは、慢性的な痛みの管理に大いに役立つことがあります。
  • ガバペンチンとプレガバリン: もともとてんかんの治療薬として開発されましたが、神経損傷に起因する神経障害性疼痛など、慢性的疼痛症状に対しても処方されます。
  • 局所麻酔薬: 一部の症例には、たとえばリドカインのテープ剤などが有効な場合もあります。

 

補完的な疼痛緩和治療

補完(代替またはホリスティック医療とも言う)療法には、たとえばマッサージ、鍼治療、瞑想法、バイオフィードバック、催眠療法などが該当します。ある種の痛みには、電気毛布〔座布団〕、温または冷罨法〔ホットパック、コールド・パック〕、マッサージが心地よく感じられ、痛みを和らげることがあります。

患者が痛みやその他のつらい症状に対処する助けとなるよう、主治医がカウンセリングを勧めることがあります。ストレスは痛みを悪化させます。 ストレスはまた、疼痛管理薬の効果を減らすこともあります。

補完代替療法についてもっと知りたい場合は、米国国立がん研究所にご連絡ください。補完療法を追加することに関心があれば、医療チームにご相談ください。試してみたいと思うサプリメントやハーブ類について、医療チームに知らせてください。代替補完療法のなかには、主治医が処方したがん治療を阻害するものもあります。

 

その他の治療

バイオフィードバックは、痛みを軽減するために思考に働きかける手法です。呼吸法、リラクゼーション技法、ヨガ、太極拳、気功、視覚化、瞑想、イメージ誘導訓練も、効果があるかも知れません。友人とのおしゃべり、笑い、音楽鑑賞も、痛みを紛らわすことで役立つ場合もあります。

重度の痛みには、神経ブロックという手技が検討されることもあります。アルコールなどの薬剤を直接、神経内部かその周囲、または脊髄の周囲に注射します。この治療では、損傷した神経が痛みのシグナルを脳に伝達するのを妨げ、痛みを感じないようにします。神経ブロックは、進行したがんや、重度の痛みを伴う神経症状の患者の痛みを制御するのに有効な場合があります。しかしながら、重大な合併症を伴うこともあります。

自分の場合に何が最適なのか決めるため、治療を受ける前に必ずその利益とリスクについて担当医と話し合ってください。がんサバイバーは一人ひとり皆ちがっており、種々の疼痛管理法に対する反応も人それぞれです。医療チームと率直なコミュニケーションをとることは、自分の痛みを管理するために何がもっとも有効かを医療チームと一緒になって決める助けとなります。

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参考文献

NCCN. Clinical Practice Guidelines in Oncology. Adult Cancer Pain.V.2.2011. http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.asp

American Cancer Society. A Guide to Pain Control. Atlanta: American Cancer Society, 2001.

Cherny, Nathan. “Cancer Pain: Principles of Assessment and Syndromes”. Principles & Practice of Palliative Care & Supportive Oncology 2nd Edition. Ed. Ann M. Burger, Russell K. Portenoy, David E. Weissman. Philadelphia: Lippincott Williams & Wilkins, 2002.

Dillard, J., N., The Chronic Pain Solution, Your Personal Path to Pain Relief. New York: Bantam, 2002.

McCaffery, Margo, Pasero, Chris. Pain: Clinical Manual 2nd Edition. St. Louis: Mosby, 1999.

Rosenfeld, A. The Truth about Chronic Pain, Patients and Professionals on How to Face it, Understand It, Overcome It. New York: Basic Books, 2003.

 

 

 

 

 

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盛井有美子 訳
大淵俊朗 (呼吸器外科 福岡大学医学部)監修
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