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治療が終了した後に-骨粗鬆症

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治療が終了した後に-骨粗鬆症

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 翻訳更新:2013年9月12日

 骨粗鬆症

骨粗鬆症は、骨が弱くなり、そして非常に脆くなる疾患です。これにより、わずかな衝撃で、または衝撃がなくても骨折することもあります。原発性骨粗鬆症は、通常の生理的過程である、加齢もしくは閉経、またはその両者に起因します。

また、続発性骨粗鬆症は、がんサバイバーが、がんに由来する、そして、がん治療の副作用として、発症する可能性がある疾患です。

 

骨粗鬆症は、骨折するまで、無症候で数年間にわたり進行するため、「静かな病気」と時に呼ばれることがあります。骨粗鬆症は治療可能ですが、治癒することはできません。骨粗鬆症の発症リスクを知ることは重要です。こうすることで、症状を早く見つけ、効果的な治療を受ける可能性があります。

 

骨粗鬆症のリスク要因

がん種:

  • 乳がん
  • 前立腺がん。
  • 多発性骨髄腫(抗体を産生する白血球に発生するがん)。
  • 他の固形がんの種(例.肺がん、精巣がん、卵巣がん、子宮内膜(子宮壁)がん)

がん治療:

乳がんや前立腺がん等のある種のがんの治療には、体内のある種のホルモンの抑制や除去が含まれる可能性があります。性ホルモン(テストステロン、エストロゲン)を抑制することにより、がん細胞の増殖速度は低下します。その一方で、性ホルモンは骨を保護する役割も果たします。人体でこれらの性ホルモンが減少すると、骨粗鬆症が発症する可能性があります。この種の治療法を受けた、または、受ける予定なら、骨量減少を予防または抑制するために行われる可能性がある方法について、担当の医師に相談してください。

 

骨粗鬆症のリスク抑制

骨粗鬆症を抑制・管理することはできますが、治癒させることはできません。このことは、あなたがこの疾患に罹っているとわかった後は、医療チームと共に、骨量が減少するのを少しでも遅らせる方法を考えることを意味します。骨粗鬆症の発症リスク減少に有用な方法を、以下に示します。

  •  禁煙。
  •  アルコールを少ししか摂取しない、または禁酒する。
  •  運動。
  •  健康的な体重の維持。
  •  食事にカルシウム、ビタミンD、および、ビタミンKを取り入れる。
  •  カフェインとビタミンAを控える。
  •  転倒を避ける。
  •  骨量減少を抑える薬剤について、担当の医師に相談する。
  •  担当の医療チームと代替療法について話し合う。

骨粗鬆症が発症したからといって、担当の医療チームががんの治療を上手く行わなかったというわけではありません。担当の医療チームの主な目的は、できる限り最も効果的な方法でがんを治療することです。がん治療後の担当の医療チームの仕事は、あなたと共に、今後可能性がある後遺症を管理することです。

生活様式と他のリスク要因:

  • 健康上の問題(例.甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、糖尿病)。
  • 乳がんの家族歴。
  • 小柄な体格または低体重。
  • 加齢。
  • 女性–骨粗鬆症は女性、特に閉経後の女性に発症する可能性が高いです。
  • 民族–白人とアジア人は一般に高リスクです。
  • テストステロン濃度の低い男性。
  • ある種の薬剤が長期に投与された場合。
  • カルシウム・ビタミンDの低摂取。
  • カフェインの過剰摂取。
  • 活動量が少ない、あるいは運動不足。
  • 喫煙。
  • アルコールの過剰摂取。

症状・徴候

骨粗鬆症と関連する骨量減少は通常、徐々に時間と共に生じます。骨粗鬆症に罹っても、症状を呈さない場合もあります。骨粗鬆症のリスクがあると思うのなら、担当の医師に相談してください。骨粗鬆症の検査について質問してください。骨粗鬆症の症状は以下の通りです。

  • 体重減少。
  • 前屈姿勢。
  • 上背の曲がり(老人性円背)。
  • 骨の圧痛。
  • 身長が3~5 cm縮む。
  • 骨破壊または骨折。

上記の症状の内のいずれかを呈したとしても、必ずしも骨粗鬆症に罹っているという意味ではありません。担当の医療チームとあなたの心配事について話し合ってください。

骨粗鬆症の検査

骨粗鬆症に対して最も一般的で広く使用されている検査法は、DEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)です。DEXA法により、骨内のカルシウム量、典型的には腰の骨や下部脊椎のカルシウム量が測定されます。DEXA法は、骨粗鬆症リスクのある人(例.65歳以上の女性、70歳以上の男性、一部のがんサバイバー、最近骨折した50歳以上の人)に推奨されます。

2、3年毎にDEXA法検査を受けて、骨密度の変化を確認してください。あなたのTスコアにより、検査結果が若年成人の正常な骨と比較されます。以下の表に、リスク評価に使用されるTスコアの範囲が示されています。

Tスコア正常値 -1~+1
骨減少症(骨粗鬆症の前段階) -2.5~-1
骨粗鬆症 -2.5以下
重度の骨粗鬆症 -2.5以下、および、1カ所以上の骨折

骨塩量が正常量より低い場合、骨減少症と診断されます。多くの医師は、骨減少症は骨粗鬆症の前駆症状の可能性があると考えます。しかし、多くの骨減少症患者は骨粗鬆症を発症することはありません。

骨粗鬆症の発症リスクについて、担当の医療チームに相談してください。骨粗鬆症は通例、65歳以降に発症します。しかし、あなたが骨量減少リスクのある治療を受けている場合、骨粗鬆症はより早期に発症する可能性があります。リスク因子が多いほど、生涯のある時期に骨粗鬆症を発症する可能性は高くなります。

引用文献

Slovik, DM (Ed). Osteoporosis: A Guide to Prevention and Treatment. Harvard Medical School Special Health Report. Harvard Health Publications. Boston, MA 2010

Body, J. (Ed.) Tumor Bone Diseases and Osteoporosis in Cancer Patients: Pathophysiology, Diagnosis, and Therapy. New York: Marcell Dekker, 2000.

Crandall, C. “Parathyroid Hormone for Treatment of Osteoporosis.” Archives of Internal Medicine 162 (2002): 2297-2309.

Kanis, J. “Diagnosis of osteoporosis and assessment of fracture risk.” Lancet 359 (2002): 1929-1936.

Smith, M. “Diagnosis and Management of Treatment Related Osteoporosis in Men with Prostate Cancer.” Cancer 97 (2003): 789-795.

Tosteson, A., Grove, M., Hammond, C., Moncur, M., Ray, T., Hebert, G., Pressman, A., & Ettinger, B. “Early Discontinuation of Treatment for Osteoporosis.” The American Journal of Medicine 115 (2003): 209-215

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渡邊岳 訳

辻村信一(獣医学/農学博士、メディカルライター 株式会社メディア総合研究所)監修

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