BRCA変異を有する患者の腫瘍におけるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害 | 海外がん医療情報リファレンス

BRCA変異を有する患者の腫瘍におけるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害

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BRCA変異を有する患者の腫瘍におけるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害

Inhibition of poly(ADP-ribose) polymerase in tumors from BRCA mutation carriers.
N Engl J Med. 2009 Jul 9;361(2):123-34.
Fong PC, Boss DS, Yap TA, Tutt A, Wu P, Mergui-Roelvink M, Mortimer P, Swaisland H, Lau A, O’Connor MJ, Ashworth A, Carmichael J, Kaye SB, Schellens JH, de Bono JS.
王立マーズデン国民保険サービス医薬品開発部門、サットンがん研究所(英国)

背景:ポリ(アデノシン二リン酸 [ADP]-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害は、BRCA1またはBRCA2変異を有する患者に生じる特定のDNA修復欠損を有する癌の治療において、合成致死による治療戦略となる可能性がある。われわれは新しい効果のある有効な経口PARP阻害剤であるオラパリブ(olaparib:AZD2281)のヒトにおける臨床評価を行った。

方法:これはオラパリブの薬物動態と薬力学的特性を解析する第I相試験である。BRCA1またはBRCA2変異を有する患者が多く含まれた試験対象集団となるように患者選択を行った。

結果:われわれは60例の患者を登録し治療したが、そのうち22例はBRCA1またはBRCA2変異を有しており、1例は濃厚なBRCA関連癌の家族歴があったが変異試験への参加を拒否した。オラパリブの用量と投与スケジュールは1日10mgを3週間ごとに2週間から1日2回600mgの連日投与まで増加するものであった。可逆的な用量制限毒性が、1日2回400mg投与された8例のうち1例(グレード 3の感情の変化と倦怠感)、1日2回600mg投与された5例のうち2例(グレード 4の血小板減少症とグレード 3の傾眠)に認められた。この結果にもとづいてわれわれはBRCA1またはBRCA2変異を有する患者のみからなる1日2回200mgの用量でオラパリブを投与する別の集団を登録した。その他の副作用は軽度の消化器症状であった。変異を有する患者で副作用の明らかな増加は認められなかった。薬物動態データからは迅速な吸収と排泄が示され、薬力学試験では代替標本(末梢血の単核球と抜いた眉の毛嚢から採取)と腫瘍組織でのPARP阻害が確認された。客観的抗腫瘍活性は変異を有する患者にのみ認められ、全例、卵巣癌、乳癌、または前立腺癌で多岐の治療レジメンを受けていた。

結論:オラパリブは従来の化学療法の副作用がほとんどなく、PARPを阻害し、BRCA1またはBRCA2変異に関連した癌においては抗腫瘍活性を有する。

PMID: 19553641

平 栄(放射線腫瘍科) 訳

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