治療後の健康的な生き方ー晩期障害 | 海外がん医療情報リファレンス

治療後の健康的な生き方ー晩期障害

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

治療後の健康的な生き方ー晩期障害

LIVESTRONG > 支援を得る(Get Help) > 治療後の健康的な生き方(Healthy Living After Treatment)

LIVESTRONGは、ランス・アームストロング財団の公式サイトです。

翻訳更新日:2014年4月30日

がん治療の晩期障害

サバイバーにとっては、がんの治療が終わった日から新しい人生の章が始まるといえます。がんはもう過去のものとなり、ほとんど、あるいは全く問題なく以前の生活を続けられるサバイバーもいます。一方で、治療終了後も身体的な困難が続く人もいます。これらの問題は、がん治療の晩期障害(長期的影響とも呼ばれます)に起因することがあります。

 

医療提供者に尋ねるべき質問:

・私のがんのタイプでの晩期障害に関する情報は、どこで手に入りますか?

・現在服用している薬による、考えられる長期的影響は何がありますか?

・長期的影響には、どのように対処するのがよいですか?

・私が完了したがん治療の、治療計画のまとめをもらえますか?

・晩期障害の症状や問題が起こったら、どの医療機関に行ったらよいですか?

・晩期障害以外の医療に関する問題に関しては、どの医療機関に行ったらよいですか?

・私の勤務先に、長期的影響のことを説明するには、どのように話すのがよいでしょうか

 

がんサバイバーのすべてに晩期障害があるわけではありません。晩期障害がある場合も、治療終了後にすぐ症状が現れる場合もあれば、何年もたってから現れる場合もあります。あなたの家族にも、晩期障害の可能性はありえると話しておきましょう。早期に晩期障害を突き止めたほうが、ほとんどの場合において治療も容易です。あなたの医療チームと話して、どのような晩期障害が起こり得るか尋ねておきましょう。予想される影響を前もって知ることにより、あなたも家族もどのような症状に注意するべきかわかります

晩期障害は、サバイバー11人によって異なり、非常に軽いものから重篤なものまであります。医師も晩期障害の有無や持続期間を、正確に予測することはできません。貧血などの晩期障害は、時間とともに改善あるいは解消することがあります。しかし、ある種の神経の損傷などの晩期障害は永続性のものになることもあります。治療の晩期障害が起こったとしても、それは、あなたの医療チームの治療に何か問題があったというのではありません。ほとんどの場合において、晩期障害は避けられないものなのです。

以下のような症状あるいは徴候が見られたら、すぐに医療チームに連絡してください。早期から医師の診察を受けておくと、晩期障害から来る問題を最低限に抑えることができます。

 

手術によって起こり得る晩期障害

手術による影響は、手術が行われた体の場所(あるいは部位)によって変わります。最近の改善された手技が使用された場合はリスクも下がりますが、それでも晩期障害が起こる可能性はあります。

腫瘍が成長すると、健康な組織が損傷を受けて正常細胞が破壊されます。がんをすべて確実に取り除くために、腫瘍周辺の健康な組織も一緒に外科的に切除することがあるので、そういった損傷もあります。これは、がん細胞を確実に切除するためで、がん治療において必要な処置です。

手術による晩期障害には、以下のものがあります。

  • 切開部および体内の瘢痕
  • 感染症による問題
  • 腕あるいは脚のリンパ浮腫、むくみ
  • 栄養障害
  • 記憶障害、集中力の低下などの認識障害
  • 性機能および妊孕性(にんようせい:子供をつくる能力)の変化
  • 急性の痛み、または長期的あるいは慢性的な痛み
  • 言語障害あるいは嚥下障害

 

身体の変化は、心理的な長期的影響をもたらすことがあります。これは他人には見えない部分の変化でも、心理的には影響を及ぼすことがあるのです。例えば、傷痕が服の下に隠れて見えなくとも、サバイバーの自意識の中では負担になるのです。また、自分のボディイメージが変わってしまうことへの動揺もあります。

 

化学療法によって起こり得る晩期障害

化学療法の薬剤は体内の毛髪、皮膚、爪や胃の内壁など、成長分裂の速い身体細胞を阻害するため、一時的な副作用を起こします。その副作用には、口内炎、胃の不調、脱毛や皮膚の問題などがあります。副作用は通常、正常(がん化していない)組織が自身で修復を始めると、改善します。

化学療法の薬剤によって、晩期障害もそれぞれ異なります。晩期障害は、薬剤の種類や用量に大きく左右されますし、また他の治療法との併用治療が行われたかどうかも重要な要素です。臓器が損傷を受けた場合は、その臓器が自分で治癒するかどうかが重要です。治療を始める前に、医療提供者にこれから服用する薬剤から起こり得るすべての長期的影響について質問しましょう。

 

化学療法による晩期障害には以下のものがあります:

  • 倦怠感
  • 集中力低下(ケモブレインと呼ばれます)
  • 早期閉経
  • 心臓の障害
  • 肺活量の低下
  • 腎臓および膀胱の障害
  • 神経障害あるいはしびれ、突き刺すような痛みなど
  • 骨や関節の問題
  • 筋力低下
  • 二次がん


放射線治療で起こりえる晩期障害

放射線治療は、体のがんのある部分のみを狙って行われます。長期的影響は、照射を受けた部分にのみ起こります。腫瘍の場所によっては、がん治療を確実なものにするために、正常な組織も放射線照射域に含めなければならない場合もあります。

最新の方法の放射線治療では、正常組織への損傷はかなり最小限ですみます。放射線の照射は、毎回必ず同じ場所に向けて行われます。しかし、放射線は飛び散ることがあるため、がん周辺の組織や臓器は、わずかな量の放射線を浴びることがあります。

 

放射線治療による晩期障害には以下のものがあります。

  • 白内障
  • 倦怠感
  • 口内の乾燥
  • 永久的な脱毛
  • 甲状腺あるいは副腎の異常
  • 不妊症
  • 小児における、骨の成長の遅延あるいは停止
  • 照射部位における、可動範囲の減少
  • 太陽光線への、皮膚の過敏
  • 記憶力や学習能力の障害
  • 皮膚がんなどの、二次がん

 

倦怠感

倦怠感や強い疲労感を感じるのは、がん治療の長期的影響として非常によくみられるものです。倦怠感は、あなたの心の健康にも影響します。重要なことですら、する元気がなくなってしまうかもしれません。しかし多くの場合において、倦怠感は医師にかかることでうまく対処することができます。倦怠感の原因は、傷みやストレス、貧血などの副作用からくる身体的な理由であることもあれば、抑うつといった心理的な理由であることもあります。また、はっきりした理由がないこともあります。

疲労感を感じているなら、必ず医療チームに相談しましょう。疲労の度合いを、どのくらい苦しいのか、軽い・中程度・重いなどのレベルで表現しましょう。医療チームは、倦怠感の原因をつきとめて最善の対処をとるための処置をしてくれるでしょう。

 

日常生活の困難

過去において、がん治療は現在よりもっと激しいものでした。もしあなたが、がん治療をもっと昔に受けていたとしたら、もう既に晩期障害に苦しんでいたかもしれません。がん治療の晩期障害は、日常生活における活動にも影響を及ぼします:

  • 身体的、精神的な問題から、仕事に支障をきたす
  • 家族や友人、同僚との関係が難しくなる
  • 自己評価への影響
  • 医療保険などへの加入が難しくなる
  • 他の人と心を開いて悩み事を話すのが難しい
  • 経済的なストレス

 

問題の中には、がん治療中から始まり、治療が終了しても続くものがあります。他の晩期障害は、治療が終了して何カ月もたってから現れるものもあります。原因のわからない症状や問題があればそれを記録しておきましょう。記録があれば医療チームや家族と話しあう際に役立ちます。また、医療チームと協力して、経過観察の治療計画を作りましょう。それは、サバイバーシップケアプランとして利用できます。

 

 

晩期障害の治療

自分が受けたがん治療の晩期障害については、医療チームに相談するだけでなく他のサバイバーと話をするのも有益です。同じような経験をしているサバイバーは多くいるでしょう。情報を交換するのは、あなたが問題を対処するのに新しい方法をもたらしてくれるかもしれません。

自分のがん治療チームとは、治療が終了した後もしばらくは定期的に診察などで会うことがあるでしょう。その後、基本的なあなたの医療ケアは、かかりつけ医などが行うことになります。

しかし、かかりつけ医の多くはがんの長期的影響の対処について詳しくありません。がんあるいはその治療に起因する問題が起こっていると感じたら、がん治療医と連絡をとってください。

 

 

原文ページへ

***************************

中島美香 訳

林正樹 (血液・腫瘍内科 社会医療法人敬愛会中頭病院)監修

***************************

 

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

お勧め出版物

一覧

arrow_upward